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ニンフォマニアックVol.2観た

 

昨日の続きです。

この映画は上下片方しか観ないという選択肢がない映画ではあるのですが、Vol.2の方が面白いです。そしてVol.2の方がキツイ。主人公のジョーも美貌が失われてきて、体も衰え、いたたまれない感じの中で人生を模索していきます。(ここでジョーを演じる女優が23歳のモデルさんからシャルロット・ゲンスブールに変わります。もちろんきれいな女優さんだとは思うのですが、脱ぐシーンも多く、さすがに23歳の女性から43歳の女性に変わるのは唐突な感じがしました。しかも夫役は同じ若い俳優の老けメイクなので、主演だけ老け込んだ感じ。こう感じるのは私だけですかね。)

ネタバレあり。

 

家庭も仕事も選べなかったジョー

相手が夫だけでは満足できないジョーに、外で男漁りしておいでと言う夫。しかし、毎日出かけていく妻に耐えられなくなり、結局夫はほとんど帰ってこなくなります。ジョーはジョーで、どんどん刺激を追い求めるようになり、ますます過激なプレイががが…。この辺は、可愛い盛りの息子を一人にして出かけたり、ムチで何十回もぶたれるプレイに興じたり等ますます理解不能な領域に。特に息子タンが天使のように可愛いので、息子を放置するシーンは怒りが沸きました。ジョーはとうとう夫も子も捨てて、家を出ていきます。

 

裏社会での成功と挫折

仕事を始めますが、ジョーの良からぬ噂はすぐ広まり、性依存のカウンセリングもうまくいかず、どこにも居場所がないまま裏社会へと足を踏み入れるジョー。

裏社会での仕事は、借金の取り立てです。ここであらゆる男を「知っている」ことが武器になって、優秀な取り立て屋になります。

そのうち雇い主であるイェスパー・クリステンセン(役名失念)(アンチ・クライストのコンビです)から「後継者を育てるべし」と命ぜられ、不遇な少女Pに取り入ります。Pはジョーに夢中になり、ジョーもPを大切に思います。ところが、あることからPに関わることができなくなって、再び身寄りのない境遇に。そこで、冒頭のシーンにつながるエピソードがつむぎだされます。ここからは伏線がどんどん回収されていき、ツライ内容ですが見ごたえがあります。

 

ジョーは悪い人間だったのか?

ジョーが受けた仕打ちはどれもとてもひどいものですが、反対にジョーがした仕打ちも同じようにひどいように見えます。ただ、ジョー自身に悪意はなく、自分の思うままに生きてみたところ逆恨みされるということの繰り返しです。「愛=性」が常識になっている世の中で「愛≠性」のジョーが当たり前に生きると、裏切られたと感じる人が反撃しにやってくるようです。後半は特にその傾向が強く、ジョーは聞き手のセリグマンに「私は本当に悪い人間なの」と言っています。

ジョーは本当に悪い人間だったのでしょうか?私には、「もっと割り切らなかったから悪い人間にされてしまったのだ」と感じました。あるいは、女性が割り切った性関係を持つという事の危険さのため、自分を守るために割り切れなかったのかもしれません。そして、ジョーが持つ優しさや憐みの感情が、事態をますます複雑に、不幸にしていっているように感じます。もしかしたら、ジョーにも結局のところ"forget about love"なんてことができなかったという事かもしれません。

ジョーは、風で形を歪められた孤独な「魂の木」を見つけます。世間によって形を変えられながら、時に歪められながら、孤独に生きていくことを運命づけられたのだと思います。

 

やはり「女性性の映画ではない」と感じた 

そして映画は、「この物語が、男が主役の物語だったら、どうなっていただろうか?家に帰ってこない父親、不倫相手のいる夫、もっと凡庸な話になっていなかっただろうか?」という言葉によって、女性性と性依存についての歪んだ関係を問いかけて終わっています。

私は、主人公が男でもあまり感想が変わらなかったと思うのであまりピンときませんでした。確か、そういう男性の映画がドラマを見たことがあるんですよね…遥か昔…って肝心の名前が出てこないのですが(-_-;)ジョーほど劇的な人生を歩まず、普通の家庭と仕事を持っているのに、依存のせいで大変な思いをする男でした。やはり愛と性が不一致のため(あるいは愛=性の相手もいるけれど、それ以外も大勢いるため)、結果的に家族と自分を不幸にする話でした。

人生はあまりに「常識」でがんじがらめになっているため、そこから半歩外れただけで多大なストレスや不幸を抱え込むことになるんだろうと思いました。それを全く気にしない性格であれば良いのかもしれませんが、それでも周りを巻き込んでしまうでしょうね。

 

全く関係ないのですが女優さんが超美形です

昨日全く触れずに終わった、ジョーの若い頃を演じている女優さんですが、ステイシー・マーティンという23歳のパリコレモデルだそうです。この方は影のある痩せた美少女で、この方のおかげでVol.1が魅力的になっていると言っても過言ではありません。何を考えているのか分からない、ちょっと呆けた表情もいい感じです。

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以上ニンフォマニアックVol.1 Vol.2の備忘録でした。

 

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