※今日はグーグルマップなどを貼ってみたところ、かなり重くなってしまいました…。題材的にエリア感はあった方がいいので、このままにしますm(_ _)m
日本では構造的な問題から、レンガや石を積み上げた家というのはほとんどないんだけど、個人的にはとても惹かれます。日本でのレンガは、仕上げ材として出てきます。仕上げと考えるとレンガや石はtoo muchだし、重いし、そもそもハリボテなので微妙かな。それでも、レンガを貼ってあるレストランなどをパッと見て「いいな」と思っちゃいます。なぜだろう。まあ、「異国情緒」みたいなワードで片付けられてしまう話なのかもしれません。
日本のレンガ建築
日本にあるレンガの建物と言えば、横浜赤レンガ倉庫でしょうか?建築当初は「組積造(レンガなどを積み上げて構造壁にする工法)」で作られましたが、やはり関東大震災の際に大半が倒壊し、のちに鉄筋コンクリートの壁で補強され、レンガ部分は「仕上げ材」のような存在として生き残っています。
photo:T.Kiya
あとは、神戸や長崎、門司港レトロなどでしょうか。こういうレンガの建物は港町に多いんでしょうね。それぞれ観光地にもなっていますから、やはりこの手の建物の風情は人気があるんですね。
そんなわけで、石でできた住宅を3軒紹介します。ちょっと観光マップ調で書いてみます^O^
Stone House Transformation in Scaiano
建設地:スイス 敷地面積:166平米 設計:Wespi de Meuron Romeo architects
このスイス南端のスカイアノという地域は、マッジョーレ湖というイタリアの北端に跨った大きな湖に面しており、イタリアのコモ湖のすぐ西の辺り。(※ストリートビューはありません。)
コモ湖には行ったことがありますが、白い漆喰の壁にオレンジの屋根の美しい住宅が、キラキラした静かな湖に面して並んでおり、とても風光明媚なエリアです。
この物件は石造りの住宅の改築で、既存の躯体にコンクリート造のボリュームを足したり、ガラスで囲ったりしているものです。おそらく周辺の建物は全て似たような石造りの建物なのでしょうね。きれいなんだろうなあ。
こういう「何百年経っても美しい村」がゴロゴロあるのが、ヨーロッパのすごい所だと思います。日本の新陳代謝する街から生まれる建築と、根本的に違うのもうなずけます。
自分の経験ですが、ヨーロッパ育ちの建築学生と、日本の学生だと「突破できるもの」が違います。既存の構成や素材を守ってきれいにまとめようとするヨーロッパ勢に対し、日本の学生はマイルールで自由に、ある意味ペラく(?)つくれる気がする。一方で、内装にこだわるのはヨーロッパの学生です。この辺の違いは、何か言語化してみたい。
前置きが長くなりすぎましたが、住宅に戻ります。
周辺建物も含めて床から屋根まで石石石。
マッジョーレ湖に望む風景を切り取った、モダンな部屋です。手前は新築部分ですが、奥に見える石壁は既存部分です。
さりげなくテレビが石の壁に張り付いている所にちょっとうけてしまった。これぞ古いものと新しいものの融合(?)!
外観は完全に周辺に馴染んでいますが、シンプルな窓などがさりげなく主張しています。
VIA:Stone House Transformation in Scaiano / Wespi de Meuron Romeo architects | ArchDaily
House in Brissago
建設地:スイス 敷地面積:387平米 設計:Wespi de Meuron Romeo architects
またしてもスイスです。石処なのでしょうね。
スイスの南端ブリッサゴ、先ほどと同じくマッジョーレ湖に面しており、なんとスカイアノの対岸です。(スカイアノの物件のマップをご覧ください。)残念ながらブリッサゴもストリートビューが通っていませんでしたが、↓の航空写真を見るだけで、「コレ絶対美しいパターンのやつや」と思いましたね(何)。湖から山側を見れば、石の住宅が段々に並び、、、
ストリートビュー禁止の、VIPな方が住んでいるのかもしれません。あー旅行行きたい。あー。あー。
…気を取り直して、本題に移ります。
なぜかフリンストンズを思い出してしまった。ヤーバダバドゥーーー!
そうか。床から天井まで同じ石感の素材だから、洞窟のように感じるからなのですね。(フリンストンズというのは原始人のアニメです)
アレ?これただのコンクリート造じゃないの?\(^o^)/
というのはおいといて、とにかく美しいですね。家どうこうより、ブリッサゴに行ってみたくなりました。
VIA:House in Brissago / Wespi de Meuron Romeo architects | ArchDaily
スイスと言えば、テルメ・ヴァルス(Therme Vals)という山岳地の一角に建つ温泉施設が印象的でした。世界的に有名なピーター・ツントーという建築家が設計しています。こんなの
極寒の星空の下、素っ裸の白人の皆様が湯気を立たせながら温泉プールに並んで横たわっていたのが印象的でした。建物は直線と石で構成された、超クールな佇まいです。近くに、ツントーデザインのホテルもあります。もしスイスに行く機会があるならばぜひお勧めしたい。温泉は超ぬるめですがね!さむさむさむ。
問題のプール↓あのベンチに並ぶのよ。
photo:fcamusd
麓の村は、壁だけでなく屋根まで石を積んでつくられています。絵に描いたように可愛らしい、日本人からしたら嘘のように絵になる村なのです。テルメバルスも素晴らしかったけど、この村の方がテンション上がったなあ。
マップで見るとこんなの。なぜストリートビューが通っていないんだ!なぜなんだーー
所変わって、次はスペインの石の建物です。
Housing Rehabilitation in La Cerdanya
建設地:スペイン 設計:dom arquitectura 敷地面積:603平米
ええと、住宅ではないんですが(!)、リハビリのための施設です。スペイン北部の、緑に囲まれた美しい場所みたいですね。ちょっとgoogle mapでみてみますと…
まだ航空写真が建設前でした^^;ほとんどフランスとの国境の小さな村です。
こちらはストリートビュー。周辺の建物は古くから石の組積です。ここも石処ですね。行ってみるとキレイなんだろうな~。こんなところでリハビリしたい!
こんなのが「普通の建物」だなんて。日本に一つでもあったら、即名所ですよ。
敷地をチェックしたところで、本題に入ります。
周辺の住宅地の景観に合わせてか、小さなボリュームをたくさん作った計画です。大きな建物をつくってしまったら、台無しだったでしょうね。というかむしろ、どれが計画地なのか分からない程に完全に溶け込んでいます。
内装だけモダン、外装は古い。古材の活用。めっちゃヨーロッパっぽーい^p^(私めっちゃバカっぽーい)
組積の壁は素材感満載なので、他の建具や家具や階段などは超シンプルでちょうどいいバランスです。
VIA: http://www.archdaily.com/568789/housing-rehabilitation-in-la-cerdanya-dom-arquitectura/
以上、「石の住宅」。日本にはあまりないものなので、海外旅行に行ったような気分を味わえました。また、極端なまでに周囲に溶け込んだ感じも特徴的でした。こういうものをたくさん見ると、日本人建築家がつくる、奇抜でペラッペラのコンセプチュアルな建物が、いかに衝撃を持って迎えられたか分かるような気がします。
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