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【最近気になった住宅】床が机になり椅子になる家 

最近気になった住宅 デザイン・建築

 

家とは家具である?

最近は作り付け家具と言って、収納やテーブルなども建築物の一部のように最初からつくることも増えましたが、一般的に、人が認識できる建物というのは「床と天井と壁」のことだと思います。

でも床や壁って不思議なもので、壁をちょっと斜めにしたら人はそこに寄りかかるし、そこに小さな出っぱりをつくれば腰掛けるし、さらに小さな照明をつけてモノを置けるテーブルみたいな出っぱりもつくってしまえば、もっと長く腰掛けるかもしれません。

実は、人にはそうやって「居心地がいい場所」を自分で見つけて居心地よく過ごす本能が備わっていて、形によってそういう本能を引き出すことをアフォーダンスと言ったりします。自然地形にはこういう形がたくさんあって、例えば「切り株と木漏れ日」は「切り株に座って本でも読みたい」という気持ちを引き出すかもしれないし、「よく晴れた日と草原」は「大の字になって眠りたい」という気持ちを引き出すかもしれません。

 

住宅を買うという行為は、箱を買ってそこに家具を「ああでもないこうでもない」とはめ込み、居心地良く住みこなすことだと思う方が多いと思います。

ここでは、住宅自体が人の「居心地良く過ごしたい」という本能をつっつく、自然地形のような住宅を3軒ご紹介します。

 

ISANA

設計:ニコ設計室 エリア:東京 延床面積:217.28平米

広い!と思いきや、家主が住むエリアは70平米、その他に賃貸として30平米ほどの部屋が数軒ついているそうです。現代的な選択だなあと思うし、コミュニティも含めて魅力的な空間になっています。

これは母屋ですかね。大きな段差に机を付けて、掘りごたつのようにも、作業台のようにも使えます。キッチンで料理しているお母さんが、同じ目線で子供の勉強を見ている姿が浮かびました。

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ベランダとこんな段差があるだけで、椅子になる。

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スキップフロアです。ロフトのような空間は子供部屋。子供のサイズに合っているので、小さな椅子や机が不思議な感じです。

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数軒の賃貸は、この中庭を中心に長屋のように連なっているようです。

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この基壇っぽい構成は何だろう?

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数軒の住宅が、複雑に絡んでいるのですね。そのかみ合わせによってつくられる色々な空間が魅力的な住宅でした。

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VIA:Isana by Niko Design Studio - Design Milk

 

Eilkhaneh

設計:[SHIFT] Process Practice エリア:イラン、テヘラン 延床面積:500平米

こちらはイラン、3世帯の大家族のための住宅です。ここにも不思議な高さのキッチンが…

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もはや床=キッチンレベル。こう見ると、料理している人の目の前を足が通り過ぎるという、なんかとても変な感じですが…

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一つ下のフロアから見ると、今度はお母ちゃんが司令塔みたいに見えるようになっています(?)。ダイニングはこの階なので、キッチンから階段をトントン降りて持っていく感じですね。

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お母ちゃんはリビングもダイニングも見渡せるのよ~ん

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「さてさて、子供たちを呼んでこなくちゃ…」

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「ご飯よー!」

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こうやって見ると、そんなにイレギュラーなスキップフロアではないのですが、あのキッチンの位置はかなり面白いですね。見たことがない。

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VIA:Eilkhaneh / [SHIFT] Process Practice | ArchDaily

 

TSUBOMI HOUSE

設計:FLAT HOUSE エリア:東京 延床面積:77.44平米

2階建てで77平米、いわゆる狭小住宅の部類に入るかもしれません。またしてもスキップフロアです。もう、「スキップフロア」というテーマにすればよかったと思っています^p^時既に遅し。

ここでのスキップフロアは、ずばり採光と空間の奥行き感のために採用されているモノと思われます。スキップの取り入れ方がとても面白くて、イレギュラーなスキップフロアから「自然地形」みたいなものが生まれていることに注目しています。 

この中二階の床がグルリと回り込んでいる感じ。

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スキップフロアってなぜかとても楽しそう。

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奥行き感や、見えたり見えなかったりすることがワクワクさせるんだと思います。

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小さい子がいると危ないので、やっぱり網だらけになりますね。

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「空調が…」「音漏れが…」というご意見もあろうかと思いますが、あくまで狭小住宅を広く楽しむための工夫であるという事です。開口も少ないので、断熱性はそこそこあるのではないでしょうか?

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VIA:flat house completes 26 m2 polygonal tokyo bud house in tokyo

 

私がこのような「床=テーブル?椅子?」のような独特の構成を、初めてみたのは中山英之さんの「クローバーハウス」でした。気づけばもう10年前です!今や、このようなイレギュラーな床の配置で、テーブルや椅子にしてしまうのはそんなに珍しいことでもなくなっています。

このエントリの2軒目がそうかな。

 

イレギュラーな構成が産む「隙間」や「段差」は、一見無駄な空間のように見えますが、実はヒトってそういう所もムズムズと使いたい欲求が生まれてくるようにできているんですね。

 

その他の住宅はこちらから。