サイボウズの共働き・育児ママの思いを描いたCMが反響を呼んでいて、色々なブロガーさんが記事を書いています。私はこういう時、「何か書きたいな~」と思いつつ、気づいたときには大体の論旨のパターンが出そろっていて、書く気がなくなるという事がほとんどです^^;ブックマークコメントも含めると、本当に色んな立場の大体のことが押さえられているんだよなあ。
私はとりわけid:kobeni_08さんの記事に共感しました。
とはいえ、せっかく少数派に属する夫婦のあり方にいるので、とりあえず自分の考えを書いておこうと思います。
問題のCM、一応貼っておきます。
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自分の考えまとめ:
家庭や職場の状況の違いによって、あまりにも色々なケースが起こりうるテーマ。そこに正解はなく、「家族がみんな健康で楽しく生活でき、それぞれが自己実現するための余地を持っていること」ということを、家族のそれぞれが思いやり合って実現出来ればよいのだと思う。パパ・ママの役割論にしてしまうとターゲットは限られてくるだけでなく、その他の家庭・職場状況の人を追い詰めたり誤解を与えることになる。だからこそ、こういうCMをマスメディアで流さないで欲しい。
以降、考えたことをつらつらと書きます。
色々な共働き家族のかたちがある
A:夫の方が仕事に重心を置いている場合
CMで描かれている家族は、(想定ですが)「夫の方が稼いでおり、会社で最重要プロジェクトを任されていていかんともしがたく、なおかつ妻は総務など比較的残業のない立場で、夫婦で夫は仕事メイン、妻は育児メインと納得し合っている」のかなと思う事にします。そうであれば納得できるので。そして、共働きにはそういうご家庭が多いのだろうと思います。私のデスクの半径10メートルにも、います。5人以上います。いわゆる「ゼロメン」はかなり減ってきていると思うので、共働きと言えばこのパターンが主体なのかも。
B:妻の方が仕事に重心を置いている場合
これに対して、他のブログやブックマークコメントを見ると、「夫の方が育児メイン、妻は仕事メイン」という方もいます。「母乳以外は全て自分がやる」方もいるし、「子供がママっ子なので家事は僕がやります」という方も。蜷川幸雄さんも、そうだったようですね。私のデスクの半径10メートルには…いません。社内くまなく探せばいるかもしれません。
C:夫と妻がどちらも仕事も育児もする場合
さらに、共働きでどちらも育児を主体的にやる家庭もあります。我が家はこのパターンです。これからはこのパターンが増えていくんじゃないかと思っているのですが、現実はあまり、というかほぼ会ったことがありません。見渡す限り…1人いました。個人的に相談に乗ってもらったりもする素敵なパパです。家事育児に熱心だからか、「オトメン」と呼ばれています。
今回のCMに「?」だったのはBとCの層で、反発があっているのは現状Aだけど実は妻も仕事をしたい、あるいは夫にもう少し育児を分担してほしいと思っているA'層だと思います。そして、A’層は厚いからこそ、「こんなCMしてくれるな」という反発も多かったのだろう、と。十把一絡げに「何もできなくとも、せめてパパはママを抱っこしよう」という緩やかな提案で納得する層は、子育て真っ最中の3-40代男性の中でさえも絶対多数にはならなくなっているのではないでしょうか。個人的には、マスメディアで流す情報としては、やめて欲しい内容でした。※1
※1直接的なデータではありませんが、旭化成の調査によると、30代男性の「ゼロメン※2」は35%程度、ちょっと家事育児参加する夫は40%、家事育児に積極的なのは25%程度とのこと。もちろん、5-60代だとゼロメンだらけです。
https://www.asahi-kasei.co.jp/j-koho/kurashi/report/K040.pdf
※2 イクメンとは対照的に家事育児を一切しない男性のこと。
「思いやりが要る」という部分には共感
上記はただの家族の形の一例であって、どれが正しいなどと言う気はありません。「夫婦でお互いが納得し合っている」ならば、どんな形でもいいと思います。
ややこしいのは、共働きの場合「稼ぐ」という話と「仕事で自己実現したい」という話のベクトルが実はけっこう違うということです。冒頭の話に戻りますが、「家族がみんな健康で楽しく生活でき、それぞれが自己実現するための余地を持っていること」ということを、家族のそれぞれが思いやり合って実現出来ればよいのだと思うのです。誰でも仕事(に限らず、何かで)で自己実現する権利があるし、一方で家族を守る義務がある。その権利と義務をごっちゃにして語るとうまくいきません。そして、それぞれの思いの中で、家族で確認し合って決めていく他ないのではないかと思います。
そういう意味においては、「抱っこすればOK」と言う話ではないけれど、「実際に何をやるかよりも思いやりがあるかどうかが大事なんだ」という主張はよく分かります。そこだけ、ね^^;
例えば、稼ぎの割合で家事担当をきれいに分ける、というやり方もあっていいとは思いますが、仕事で大切な時でもきっかり家事育児を分ける、というのは、私は頼り合うべき家族としてはちょっと違うと思います。
自分のことを言えば、夫婦とも仕事を頑張りたい家庭なので、お互い融通しあいながら、どちらも主体的に動けるようでありたいと思っています。「来週いっぱい、プレゼンがあるから妻メイン・夫サブでよろしく!」「出張があるから2・3日のお迎え~寝かしつけは夫よろしく!」というような会話が、今は普通になってきました。最初からそうだったわけでも、今後もずっとそうする決まりがあるわけでもありませんが、お互いの「仕事に力を入れたい時期」に合わせて、緩やかに思いやり合えればいいなと思っています。
まあ、喧嘩もしますけどね~(:D)┼─┤