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建築家の「いい人」戦略

考え事

 

いまさらなテーマでスミマセン。最近気になっていたことを言語化してみました^@^

 

※「いい人」戦略とは

岡田斗司夫氏が出版した「超情報化社会におけるサバイバル術『いい人』戦略」に提唱されている、ビジネスで成功するための考え方。

 

ざっくりまとめると、

1.SNSでつながる

2.肯定する

3.褒める

4.相手にとって利益になる

5.教える

6.1~5をベースにできた「いい人コミュニティー」で仕事をつなげる

 

反対に、イヤな人戦略とは

・欠点を探す

・改善点を提案する

・陰で言う

・悪口で盛り上がる

・悲観的、否定的になる

・面白い人、頭の良い人、気の合う人だけで集まる

 

 

とのこと。

最後の一行、「面白い人、頭の良い人、気の合う人だけで集まる」に注目しました。前半の「SNSでつながる~コミュニティをつくる」までの対象は、「(自分が)面白いと思っていず、頭が悪いし、気も合わないと感じる」人も含めてとのこと?これは言ってみれば「戦略的善人ヅラ」で、なんだか怖いし却って不遜な態度だなあと思いました。悪く取り過ぎでしょうか。

 

2年ほど前の本です。

最近女性問題で話題になって、いよいよ「いい人」戦略失敗か?!という岡田氏ですが、出版された当時はかなり反響があったようです。

 

ここではそれは置いておいて、「建築家にいい人戦略が可能なのか?必要なのか?」ということを考えてみようと思いました。

 

今までもみんな似たようなことをやってました

建築は高い買い物です。それをデザインできるチャンスは誰にでも来るわけではありませんから、コミュニケーション力(いわゆるコネ)でなんとか手に入れようとするわけです。

とりわけ近年は国立競技場コンペで問題になったように、コンペの参加資格が不必要なほど厳しくなってきています。国内で建築家個人が大きな仕事を得るのは相当難しい。注目されている若手は、より緩やかな海外でコンペを勝ち取っています。残念なことだと思います。

個人でやっている建築家はコンペに参加することさえできませんから、参加できる人と組んで参加するという事になります。多くの場合、ゼネコンや大手設計事務所など。こういったところにとって明らかにメリットがあるならいいのですが、そうでない人にとってはここでもコミュニケーション力が必要になってきます。

ここまでの話は、いい人戦略というよりは旧来のコネづくりの話でした。

 

建築は構造的に「イヤな人戦略」を含んでいる

「建築は難しい。」

建築系学科を卒業した人でもない限り、つまりほとんどの人にとって建築の意匠的な意味は理解しやすいものではないと思います。それはデザインが好きな人でもそうです。

建築は「文化・技術・風土…その他の文脈的試み」としてコンセプトを立てて設計されており、多くの場合ユーザーの欲望とはかい離しています。(例えば、別の建築家が過去にした特徴的な素材の使い方を、別の風土で現代的に解釈したことなんてユーザーにとってはあまり意味がありません。)

そういった建築の文化的背景については、古くはサロン文化として貴族の教養の一環で共通認識ができやすかったのであろうし、近代日本でも建築家にはパトロンがいたのです。現代には、そういったユーザー(=施主)と建築家を近づけるものはほぼありません。現代のお金持ちにとって、建築が欲望たりえているかと言うとそうではないと思います。公共事業へのアプローチのしづらさについては前述の通りです。

 

そういうわけで、もともと「イヤな人戦略」がある意味機能していた建築の分野ですが、今後は上記の意味で消去法的に「いい人戦略」が機能するようになってくると思っています。

 

***

 

建築における「いい人戦略」については、メタ言語と「ベタ」言語の話など色々語りたいネタがあったけど、あんまりやると変な話になりそうなので割愛します(((^_^;)あと、正直よく分からんし。ただ、やるべきではない仕事というのもかなり存在するので、乱用注意の技であるなあという気がしています。