BRUTUSの9月号はいわゆるリノベーション特集なんだけど、出てくる建築家が面白かった。
建築家一覧(数字はページ)
034 1 増田信吾+大坪克亘
040 2 403architecture[dajiba]
046 3 藤田雄介
052 4 島田 陽
058 5 miCo.
076 6 名和晃平
082 7 長坂 常
088 8 田根 剛
094 9 藤森照信
100 10 アトリエ・ワン
同年代の増田大坪や、あちこちで引っ張りだこの若手DAJIBAが出ている。やはり増田大坪の「躯体の窓」はすごい。巻頭の見開きでビフォー・アフターが載っており、大迫力。コスト的にはどんなものだったんだろう。内装は極めて平易だが、「施主がやった」とは初めて知った。他の作品は知らないものもあったが、SDに出ていた揺れる東屋も竣工していた。風で揺れる建物、ぜひ体験してみたい。
個人的に好きな田根さんも紹介されている。彼にリノベのイメージはなかったけど、「フランスはリノベーションの本場」と言えば確かにそうだろう。とはいえやはり田根さんにリノベのイメージはない。強いて言うなら、「時間の流れを分断しない発想」がリノベ的。こういう発想は、現代日本においてはすごく現代的なんだけど、ヨーロッパのほうでは当たり前の考え方ではある。とはいえ、古いものを活かすこと、街並みを維持することに重点が置かれてきたのに対し、田根さんの発想はさらに発展的だ。
他にも、sanaa出身のmiCo.、「カッコいいリノベと言えば(自分比)」スキーマ、そして藤森御大と、人選がとても面白い。
上記の建築家に、自邸をリノベしてもらえるらしいぞ。
9月号のもう一つの特徴は、紹介されている建築家に自邸を依頼できる官製ハガキつきというところ。調整はなかなか難しいだろうが、特に若手にとってはむしろ願ってもない機会だろう。雑誌社でこういう取り組みをしてくれるのはとても面白い。
建築家に設計を依頼するのはそれなりの難しさや面倒があるが、金額的に高いわけではない。予算を設定すればいいだけで、むしろ不要な仕様が減って上手な金の使い方ができるはずだ。家づくりを楽しめる人であれば建築家に頼まないのはあまりにもったいないこと。もっと建築家が身近になってくれればと思う。
↑ここから目次と中の数ページが見られる。