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「天使と悪魔」(2009年、アメリカ)と「ダ・ヴィンチ・コード」(2006年、アメリカ)

 

 

天使と悪魔 (字幕版)

ダ・ヴィンチ・コード デラックス・コレクターズ・エディション [DVD]

 

アマゾンプライムで。

大流行したキリスト教系ミステリー小説を原作にした映画の3部作で、今年の10月には「インフェルノ」という3作目が公開される予定です。これは見なきゃ。

 

さてこの連作、史実っぽく見せているのですが実際のところはよく分からず、特に「ダヴィンチコード」は神を冒涜しているとしてローマ教会からはボイコットされたそうです。映画としてですが、「ダヴィンチコード」は小説の色んなエピソードをたくさん詰め込んでおりしかもそれが本当かはよく分からないということで、疾走感はあるもののなんとなく置いてけぼりのまま終わります。「○○は◆◆らしいぞ!」「ナンダッテー」「いや本当は××が▽▽で!」「そ、そんなー!」という感じ。自分がキリスト教だと受け取り方が変わるのかしら。

 

一方で「天使と悪魔」は映画的なショーアップ感が素晴らしく、何も知らずに見てもかなり楽しめます。最後の方のどんでん返し×2はなかなか忘れがたいシーンでした。むしろ原作を読んでないほうが楽しめるかも。映画→小説の順番が、ネタバレもなく省略された流れも分かっていいような気がします。

 

以前バチカンに行ったとき、期せずして何か大事な会議の日に行ってしまい「中に入れないのに周囲に熱狂的なクリスチャンが取り囲んで騒いでいる」という異様な雰囲気を味わったことを思い出しました。土砂降りの日で、それぞれの衣装を着て歌ったり祈りの言葉を叫ぶ人たちが押し寄せる中で同行者とはぐれてしまい、ひたすら怖かった思い出です。また、オーストリアの田舎町に泊まったときフラッと朝のミサを行っている小さな教会に入り、修道士たちが真っ白な服を着て歌っていた幻想的な雰囲気を思い出したり。霧が立ち込める朝で、キリッと寒くて、修道士の他に人が全然いなくて。仏教系の歌にも似た平板なトーンが教会の中で響いていて、ずっとそこで聞いていたくなったなー。

 

これらの非日常体験は自分の信心とは関係ないことだし背景を理解できていないんだけど、神を信じている人たちのつくる異様な空気感というものは「そこに神がいるんだ」ということを信じさせてしまうような何かがあります。これらの連作はこの独特の雰囲気がよく表現されていて、そこが一番好きかな~。というわけで、「インフェルノ」も楽しみにしています。

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