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アイアムアヒーロー(2015年、日本)

映画の感想文

アイアムアヒーロー

同名の漫画原作の、和製ゾンビ映画。某ウォーキングドラマにハマっている私としては黙っていられないのでさっそく観た。日本映画だしこういう特殊メイクとか特殊効果でどうこうとかイマイチなんじゃないの?!どうなの?ゾンビへのとどめのさし方は何系なの!?など気になる。(めんどくさい奴だ)

 

ネタバレとかあるのか不明なんだけど、とりあえず以下ネタバレ注意。あと、自分で書いておいてなんだけどめちゃくちゃ気持ち悪いです。ゾンビだけに。

 

 

結論から言うと、今まで無かったゾンビ映画として面白かった。

舞台は「ゾンビ発生直後でどうしていいか分からない初期段階」であり、主人公もいよいよ終盤にならないと行動しないため、やきもきしてしまう。ハリウッド映画を見慣れていると、間がもったりして感じられた。「誰かが大活躍する」みたいなシーンはほとんどない。有村かすみちゃんは相変わらず抜群に可愛いけど、ただおんぶされているだけのお人形さんスタイルである。そんなわけでちょっとダルいなと思ってしまうが、その長い助走のおかげで終盤盛り上がり、これはこれでいいなと思った。海外モノだと主人公が瞬時にSWAT並の動きをするが、常識的に考えるとそっちの方がおかしい。

2発ずつしか込められない猟銃を構えて、プレッシャーに負けそうになりながらフォームを崩さず立ち続ける英雄が非常に良かった。「ダサカッコいい」という言葉が浮かぶ。なんとなく日本っぽい気がする。

 

また、ゾンビと言えば「どうやってとどめを刺すか」、である(知らんがな)。アイアムアヒーローでは、某ウォーキングドラマと同じく「脳幹にダメージを与える」となっている。が、なんとウォーキングドラマよりもその精度が高い。もちろん、そもそも架空の「ゾンビ」という存在に精度も何もあったもんじゃないのは承知の上だけど、そこは目をつぶってほしい。

某ドラマだと、頭周辺にほっそい矢が刺さってもダウンする。「そこ絶対脳幹じゃないから」と思ってしまう。

一方、本作のゾンビは本当に脳幹にクリーンヒットしないと倒せない。その結果、「元高跳びの選手(うろ覚え)のゾンビ」という非常に味のあるゾンビが生まれている。彼はその辺で高跳びして頭から着地してしまうため、脳が半分削れている。そのため外見がもんのすごく怖い。異形過ぎて正視できないレベル。某ドラマのお金かかってそうなゾンビが束で襲ってきても敵わないくらい、怖い。

 

さらに、この映画では彼以外にも「すごく太ってるゾンビ」や「生前の欲望をさらけ出すゾンビ」など、多様なゾンビが描かれている。不気味なBGMを奏でるモブとして機能しているのが某ウォーキングゾンビなら、本作のゾンビはまさに主役である。生前の行動に固執とするところなど、「ゾンビに人権なし」派の海外勢からするとかなり特殊な立ち位置だと思う。ゾンビに個性があり、人格めいたものがある。面白いではないか。(偉そうに書いてるけど、ゾンビ映画に特別詳しいわけではなく主に妄想です、ハイ。)

 

さらにさらに、ゾンビと言えば「速度」がもう一つの重要な要素である。「ゾンビはぬめーっと動くんじゃないの?」と思いがちだが(誰がやねん)、実は生前よりもむしろ速くなるゾンビもいる。早い系の最高峰は「アイアムレジェンド」だと思う。何気にアイアムつながりである。ここでのゾンビは完全に元の姿が消えた、灰色のチーターみたいなもの。生身で出会ったら生き残る可能性はほぼない。「28日後…」「ワールドウォーZ」なら、人が全速力で走るくらいのスピード。コレも怖い。遅い系はたくさんあろうけど、筆頭は某ドラマである。人がゆっくり歩くくらいのスピードでしか進まないため、正直あんまり怖くない。そのせいか某ドラマでは最近「捕食シーンをいかに凄惨に見せるか」にばかり注力しており、さらに人間同士の殺し合いの方がメインになってきた。つまらないことだ。脱線した。

アイアムアヒーローのゾンビは、なんとやはり固体によって違う。基本は小走りくらいのスピードだが、ゆっくりしか進まない、腐敗が進んだものもいる。ゾンビなり立てだと筋肉が新鮮なせいか大股で走ってくるため、すごく嫌だ。一方で高跳びの彼のような飛び道具もあり、元タクシーの運転手なら車で暴走できる。「こいつはどんな動きをするんだ?」というのが人間と同じで分からないため、簡単に対策ができず怖さに磨きがかかっているのである。生前ずっとやっていた行動は、反射レベルでできるというイメージなのかもしれない。知らんけど。

 

ゾンビネタなので長々と書いてしまった。割とご都合主義で、生き残るべき人物が生き残る映画なので、映画好きにぜひお勧めしたい!という感じでは正直ないが、ゾンビ好きや某ウォーキングドラマ好きならぜひみて欲しい。海外でも人気が出そう。そんな映画だった。