読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる
MENU

葛城事件(2016年、日本)

映画の感想文

葛城事件

いくつかの殺人事件をベースにした映画だそうです。この映画、怖すぎる。


ニュースで連続殺人や無差別殺人を犯す人物が取り上げられると、必ず「そんなことになった理由」が話題になります。異常に厳格な親とか、むしろ放置子だったとか、そういう思想を育てそうなものを読んでいたとか、生まれつきおかしな子だったとか。

理由がないと、「誰にでもそうなる可能性がある」ことになってしまい、恐ろしいからだと思います。


この映画が怖いのは、見進めていくと次第に「どの家もそうなる可能性がある」と思わされていくからなんです。

 

最初は支配的な父親や無気力でいつもコンビニ弁当の母親など、ちょっとおかしな家庭なんだと思わせるシーンが続くのですが、時間がさかのぼるにつれ、母子の間ではごく普通の会話があり、もっと前はきれいな母親と頼もしい父親という、魅力的に見える家族だったことが明らかになっていきます。

息子二人が死に、妻は精神病院という最悪のラストが、あの幸せだった若い頃の延長線上にあるとは。

 

実際に殺人鬼を生み出すかどうかは別としても、家庭内の異常なことって、多くの人に少なからずあるように思います。


それは、それぞれの人の中にある、個性と言ってもいいおかしな部分が、家庭内では温存され、助長されるからかもしれません。「お父さん、威張りやなところもあるけど、いい人なのよね。」と言って家庭内で保存されていた横暴さが、30年後にはどうしようもない暴力に育ちあがること。我慢し続けていた妻が無気力になること。我慢し続けていた息子たちがそれぞれのおかしさを社会の中で衝突させて、対処できないでいること。そういうことを描いていた映画なのでした。


個人的には、「察する」「我慢する」ことの罪をしみじみと感じました。誰もが思ったことは普通のトーンでどんどん言っていくべきなんでしょうね。ここはやはり、「毎日ホワイトボードで家族会議」なのでしょうか…。ううむ。

コクヨ ホワイトボード 軽量タイプ 無地 FB-SL152W

やっぱりあったほうがいいのかなあ