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わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年、イギリス)

わたしは、ダニエル・ブレイク (字幕版)

イギリスのずさんな福祉制度の話。

心臓病で働けなくなった59歳のダニエルは、援助金を申請するも申請人とのかみ合わない会話の結果なぜか却下されてしまう。年金はもらえない年なので今度は失業手当に申請しようとすると、求職活動ののち解雇されるという完全に無駄な手続きが必要となる。自分を雇ってくれようとした人に罵倒され、傷つきながらも再度申請するが、これも却下される。

二人の子供を抱えたシングルマザーのケイティも援助金が下りないので売春に手を出す。そんなケイティに、自分も困っているのに手助けを申し出るダニエル。

 

制度上助けられるべき善良な市民たちの苦悩をじっくり描いている映画。ダニエルがさっぱりとしたユーモアのある男なので、入りはライトですらあるんだけど、どうしようもない現実に押しつぶされて次第に希望が消えて行ってしまう。

 

イギリスの話だが、日本でもこういう現実があるんだろうと思う。実際はこんなに善良で愛すべき人物たちばかりではないかもしれないが、必要な人にはちゃんと支援の手があるようになってほしい。