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A.I.(2001年、アメリカ)

A. I. (吹替版)

最近仕事でやたらAIづいているので、「そういやA.I.っていう名前の映画があったなー」と思ってみてみました。

このA.I.くん、可愛さ絶頂期くらいのオスメント君が演じているのですが、けっこう怖い!最低限の倫理観などがなく、やたら力持ちで、ひたすら「ママに愛されたい!」という行動原理だけで暴走。子供をおぼれさせたり寝ている間にママの髪を切ったりし、結局森に捨てられてしまいます。

最初は機械らしく重そうで不自然な動きなのですが、次第に本物の子供みたいになっていくのが、さすがオスメント氏、達者だったなー。

突然不気味に笑い出すシーンや、ほうれん草を食べて顔が溶け出すシーンなど、かなり露悪的に見えます。不気味の谷とかそういうレベルじゃなく、AIを異質なものとして描いていました。

 

なんやかんやあって結局「ママの息子」にはなれずに終わるか…というところからが、実はこの映画の興味深い点でした。地球が核に汚染され、AIだけが残った世界を描いた「さようなら」に雰囲気が似ているかもしれません。

 

個人的には、なんで「スペシャル&オンリーワン」になりたがっていたのかがよく分かりませんでした。後半、自分と同じAIをたくさん見つけて切れて暴れだすシーンがあり、それを見たジュード・ロウがドン引きするところが地味にツボだったのですが、そもそもなぜそんなに怒っているのか?「ママの息子になる」というのが、「一人だけの特別な子」になったのがなぜだったのか?というのが、読み取れなかったなー。「相手から愛を貰う」というゴールと、「自分が唯一の存在」というのは絶対解ではないと思うんですよね。

「HER」に出てくる、世界中の人を愛してつながっており、自意識の唯一性を持たないAIの方が実際のAIに近いイメージです。2001年当時は、まだAIに対するイメージが、人間を模したアトム的なものだったのかもしれません。