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バリー・シール アメリカをはめた男(2017年、アメリカ)

バリー・シール/アメリカをはめた男 (2017) (字幕版)

「『ウルフ・オブ・ウォールストリート』みたいなもんだろう」という雑なイメージにより何となく見ていなかったのですが、アマゾン・プライムに入っていたので見てみました。

確かにテーマは近いのだけど、トム・クルーズ演じる主人公はもっとライトな、言ってしまえばあまり考えていないように見えるただの冒険好きであり、一方で家族のことを大切にする普通のパパでもあるので、読後感はだいぶ違いました。「アメリカをはめた」なんていうことはほぼなくて、飛行機の操縦がうまいばかりに、CIAやホワイトハウス、麻薬カルテルなどに良いように操られているだけ。本人に主体性や策略はないので、たまったお金はどうしていいか分からず庭に埋めてしまったりし、ことが発覚すると全部没収されてしまいます。

最後はなんとか家族だけでも生きていけて、殺されないようにするハリーにぐっとくる…というわけでもなく、なんでこんなになるまで「はめられて」しまったんだという呆れの方が先に立ちました。妻役のまっすぐで愛情深い感じは好きでしたが…。

一生懸命残していたビデオメッセージも、意図がよく分からなかったな。何かアメリカのやったことを暴露するメッセージが含まれていたのかというと、そうでもないようでした。お話的には可哀そうなのだけど、トム・クルーズが軽くて楽しくてイケメンなせいかあまり可哀そうに見えない感じです。モーテルでの最後の日々は悲壮感なさすぎでした。