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ハッピーエンド(2018年、フランス)

ハッピーエンド [DVD] 

人間の嫌なところを嫌な感じで描くイメージのあるミヒャエル・ハネケ。映像が私の好きな雰囲気だし、露悪的なのもけっこう好きです。

本作もけしていい話ではないですが、主人公が12・3歳くらいの女の子なので、何となくほっこりした気分で見てしまいました。

彼女はかなり病んでおり、少女のゆがみを見抜いているおじいちゃんとの交流や父の不倫SNSをこっそり見ているシーンなど、チリチリするような痛みが感じられてリアルでした。

お母さんが病んだ原因は亡くなった弟のようで、そこから逃げるようにいなくなった父親(→そして新しい家庭においてもさっそく不倫)が諸悪の根源のようですね。気に入らない相手を簡単に殺す少女が、父親を殺さないのは不思議な感じがしました。むしろ、父親には愛されたいんですよね。それが分からなかった。


カレーのカラッと晴れた空の下、美しい家に住み、ろうそくの灯る食卓で美味しいものを囲む。音声さえ消せば素敵な家族物語が紡がれていそうな映像です。

しかし、登場人物がみんな近くの家族よりも電話やSNSに夢中になっており、お互い不幸そうにしているのが印象的でした。

わたしも、家族といるときはスマホを開かない・電話に出ないようにした方がいいなと思いました(小並感)