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君の名前で僕を呼んで(2017年、イタリア・フランス・アメリカ・ブラジル)

君の名前で僕を呼んで コレクターズ・エディション (初回生産限定) [Blu-ray]

イタリアの美しい別荘地のようなところで夏を過ごしている大学教授とその家族。そこにしばらく泊まりに来た若い学者と、教授の息子くんとの一夏の恋の話(BL)。あ、あまずっぴゃぁぁぁぁぁ…!ちょっと直視できないくらいキラキラした映画でございました。

主人公のエリオくんが目がつぶれそうなほどキレイなんですよね。でも男子高校生らしい直球なエロでもあります。アーミー・ハーマー演じる若い学者のパンツを被ったり、股間を揉もうとして逃げられたりしております。なんだこれ。なんなんだ。どうやってこれを見たらいいのだろう(もう見終わったのにまだ戸惑ってる)。

しかも、一緒に暮らすお母さんとお父さんも学者との恋に協力的であり、なんならお母さんがエリオくんを膝枕しながら本を読んであげて(男子高校生ってそんな感じだっけ???)、それとなくけしかけたりするという…。関係ないのですが、女友達もたくさんいて、彼女たちといちゃいちゃしたり、数人でやはり膝枕したりみたいなシーンもあり、「なにこれ?天国なの?」と思いました。いやとても素敵なんだけど、あまりに浮世離れしていて「お、おう…」という展開でしたね全体的に。素敵なんですけどね。世俗的な悩みなど存在しない世界です。ちなみに、掃除や雑用は当然彼らの仕事ではなくお手伝いさんがいるため、ゴミは部屋の床にポイっと投げます。貴族ですね。

 

実はこの映画自体ループのようになっていて、終わってみれば、お父さん=若い学者=エリオくんという構造になっていました。高校生の頃、若い学者と強く惹かれあい、つらい別れを通じて大人になり、結婚前に高校生の少年と恋に落ちたが別れ、幼馴染の女性と結婚し、大学教授になった。そのお話を自分の息子にしてあげて、彼の恋を励ます。ってぜんぶ同一人物やないか。そう気づいたとき、Call me by your name(君の名前で僕を呼んで)という意味に気づいて鳥肌が立ちました。

 

なんでこんなことになっているのか。

 

エリオくんは、完璧なんですよ。美の化身。音楽や文学、言語にも通じていて、美しく、気まぐれで、性別を超えた存在。たぶん、ギリシャ神話に出てくる神なんだと思う(実際、冒頭では神々の彫刻が次々と映し出される)。その彼の自己完結した神話的人生を描いているんだと思います。要は壮大なマスターベーションであると。なんなら、お父さん=若い学者=エリオくん=例の桃 でもいいと思う(よくない)。 

知らんけど。

 

エリオくんのジューシーな美しさは一見の価値ありです。今後もこの人の出演作が見られる時代に生まれて良かった。関係ないけどグザヴィエ・ドラン先生は最近どうしていらっしゃるんだろう。本当に関係ないな。

若い学者は、個人的には若き日のブラピさんなどもう少し人好きのする人で再演してもらいたいです。「抗いがたい魅力がある」というのが、個人的にはあまり伝わらなかったかも。好みの問題かもしれませんが。アーミー・ハーマーさんって、ちょっと人間味がなくて「ひれ伏す魅力」とはまた違う感じがするんですよね。遠巻きに見る感じ。クラブで踊ったり(ちなみに超ぎこちない)、初対面の人にどんどん好かれたりするシーンは違和感しかなかったです。きれいすぎるからか。路線違うけど、キアヌ・リーブス的なものを感じました。