MENU

バーフバリ 王の凱旋(2017、インド)

 

バーフバリ2 王の凱旋(字幕版)

個人的に信頼している映画感想ブロガーさんがこぞって絶賛していたので、これは見なければと思って借りてみました。

しかしながら、私には合わず…。本当に面白くなかった。

色々考えた結果、下記3点が合わなくて好きになれなかったのかもと思いました。

 

1.王道ストーリーテリング

「貴種漂流譚」というんでしょうか。本当は高貴な存在だった主人公が、追い出され、長じて復讐を成し遂げる話。この大筋ストーリー部分だけでなく、全てが良い意味で超王道な展開なので、先が読めすぎて楽しめなかった。あと、「血筋で高貴」というのも基本嫌い(知らんがな)。

編集の都合か変なタイミングでブチブチ切れるのですが、架空のワールドマップなどを使いながら親切に説明してくれて全く迷子になりませんでした。話はめちゃくちゃ分かりやすいです。これは良いことなのかもしれないけど…。

 

2.トンデモCG

始終わけの分からない神話的状況が生まれていくんですが、それをあまり気負うことなく「CGでっせ」という感じで見せていくスタイル。リアリティ方向では全くないので、いきなり歌いながら船ごと空を舞いあがったり、ダンゴムシ状の塊になって人が飛んで行ったりします。

これがね、なんだがバカバカしくて。いや、「映画だしオモロイやん」みたいなのも分かる、分かるし、別にドキュメンタリーばっかり見ているわけではないんです。でも、ここまで、もはやコメディみたいになっちゃうと、話の方にも真剣になれなかった。

例えば、悪者のお兄さんが乗っている「敵味方関係なくざく切りにしていく極悪ルンバ的何か」、相当悪趣味なのに笑えてしまうというのが心底嫌だった。グロいのも嫌いではないですが、コメディタッチのライトなグロは生理的に無理。冷たい熱帯魚みたいな、「恐怖の先におかしみを感じてしまう」のはむしろ好きなんですが…。

 

3.バーフバリさん

バーフバリさんが完璧超人過ぎてキャラクターとして好きになれなかった。これはひねくれものの考え方ですよね。いとも簡単にみんなに愛されちゃう所が新興宗教じみていて気味悪かった。

悪者のお兄さんの方が、ずるがしこくて、異常に強くて好きでした。ていうか、年取ってから息子との闘いの時に強くなってない?鍛えた?

 

そんな感じです。マッドマックス怒りのデスロードはハマりまくって何度も見たというのに、ちょっと似た雰囲気のあるこちらはなんだか全然ハマらず、人間て不思議だなと思いました…。

 

以降、好きだった要素。

 

シヴァ神になるバーフバリのお母さんが怒りで目を見開いているシーンの数々がむちゃくちゃインドの神様っぽくて好きでした。これだよこれ!っていう。女性が全般的に男性と同等もしくはそれ以上の存在感があって、人格があるところが素敵でした。バーフバリの奥さんになる人なんて、超怖いからね。強い男というよりは、強い人間たちのお話なんだな。というか、強い神々のお話だ。

帆船のデザインがだいぶ気持ち悪い。クリスタルでできた望遠鏡は超かっこいい。これって本当にあったんだろうか。全体的にデザインがごってごてで見れば見るほどなんかしてあるのが興味深い。曼荼羅みたい。

主題歌っぽいバーフバリを称える歌が「イーさん!ブタさん!」って言ってるみたいで面白かった(なんだそれ)。