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彼女がその名を知らない鳥たち(2018年、日本)

彼女がその名を知らない鳥たち

最初は蒼井優さんの粗雑で嫌な女感がすさまじく、阿部サダヲさんが気持ち悪すぎて、「これは見たくない映画だ」と思ってしまいました。こういう露悪的な映画って、現実を単純化しすぎている感じがして嫌だな。リアリティもないし。…なんてネガティブな気持ちで見始めたら、蒼井優さんどうやら騙されやすい女みたいで、阿部サダヲさんは何か秘密を持っていそう。だんだん引き込まれていきました。

最終的には爽やかな読後感のある映画だったので驚きました。

 

以下ネタバレです。

 

 

蒼井さん演じる十和子は、イケメンで軽薄な男に惹かれてしまうタイプ。ある軽薄イケメン(竹野内豊)にひどい目にあわされ、ボロボロになっているときに阿部サダヲさん演じる善治に会います。善治は十和子に強烈に惹かれ、いつの間にか同棲を始めますが、十和子は軽薄イケメンにまた呼び出され、なんと彼を殺してしまいます。彼の死体を処分し、また十和子と暮らし始めた善治ですが、落ち着いたころにまた十和子は別の軽薄イケメン(松坂桃李)に惹かれてしまい…という話。

 

説明してしまうとなんということはないのですが、最初に付き合っていた彼を殺してしまったことは十和子の記憶から消えているので、なぜ彼との動画をたくさん持っているのか?なぜ彼と連絡が取れなくなってしまったのか?ということが分からないのが面白い所。二人目の軽薄イケメンを十和子が殺そうとしてしまう時に、善治が再び現れすべてが明らかになるという構成でした。すべての罪を負って自殺する善治を目の前で見ながら、呆然と泣いている十和子のシーンが魅力的でした。

 

ただ、それまで伏せられていたことの経緯は善治が落ちていくシーンに全部説明されるので(そしてその間、ゆーーーーーーーっくり落ちる)、「落ちるまでがなっが!」と思いました笑 あまりに説明的なので、涙も乾いてしまった。そのちょっと前まではすごくいい感じだったのにな~。

でも、マイベスト映画に選んでいた人もいたので、好みの問題だと思います。