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アートみたい?仕上げが面白い家

 

 

1月にみた、仕上げが面白い家を3軒まとめます。

個人的には地味な仕上げが好きだけど、たまにはデコラティブなものもいいね。

 

 

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すいません、ホテルです。っていきなり家じゃないんかい。

グレーのグラデーションと金色でまとめてあるインテリア。あらゆる種類の大理石、鉄の色んな仕上げ、見れば見るほど色々あって面白い。でも結構スタイリッシュにまとまっているのは色遣いがシブいせいか、直線的だからか。

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2

コンクリートの色々な仕上げ。ラフからツルピカまで。こんなぼこぼこな仕上げ方法ってアリなの!?と衝撃でした。室内の素手で触るようなところはきれいにツルリと仕上げつつ、外壁は自然な洞窟みたいな粗さ。

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3 

室内のどこをとっても何かしらしてある。見れば見るほど面白い。住人はアーティストでしょうか?家具も面白すぎ!シンプル・ミニマルが流行っているからこそ、こういう突き抜けたデコラティブも魅力的です。

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以上、デコラティブ・ハウスでした。内装がデコラティブだと家具やモノを合わせるのが大変そうですが、却ってシンプル・ミニマルな内装の方が家具が合わせづらいんですよね。ごちゃっとしていると何を置いても馴染むけど、ツーンとしていると何を置いても目立つ、みたいな。というわけで、多少ゴテゴテしているのも意外と良いかもと思いました。

 

薄化粧ハウスはこちら。 

 

石が特徴的な使われ方をしている家はこちら。

 

 

 

2015年よかった住宅

 

2016年も4日過ぎて今更感がありますが、「2015年にブックマークした住宅」の私的なTOP12をつくってみました。好き順。

 

戸建住宅7軒

ダントツでかっこよかった山小屋。「ログハウス型枠」が面白い!

退廃的な感じがたまらん。打ち壊された窓枠は必見。

延び延びとした立地と、水平ラインの美しさ!

印象はコンクリ!という感じですが、個人的に気になったのは普通のフローリングや塗った壁の色味が注意深く選ばれていて、統一感が素晴らしいところ。写真加工だろうか?

好きな住宅作家の作品。全体的に暗めだけど、内に籠る感じが好き。

詩人の家。床に埋まったお風呂や丸底の寝室など、色々びっくりさせられた。

細長いの好きなんです。内装の趣味も好き。

 

集合住宅リノベーション5軒

特徴的な物件でうまくリノベされてる。

ひたすらキレイだなあ。ストックホルムか…。85平米で5人家族だそうです。お風呂が銭湯みたいに大きい!

狭小だがよくまとまっている。

↑の上を行く狭小だがキレイ。コストもかかっていなさそう。

↑よりは広いけど、これも広くはない空間を巧みに使って、多様な空間をつくっている。これは人を呼びたくなる家!

 

 

こうやって整理しておくと、自分の好きな傾向が分かって良いかも。今年は家探しに本腰入れます>< 立地的に、やはりマンションかな~と思っている所です。

 

 

 

 

【最近気になった住宅】真夏のスケスケハウス

 

まだまだ暑いですね。

私はテラス席大好き・半屋外空間大好きなんですが、昨今の暑さはさすがにキビしく、クーラーの効いた室内に引っ込む毎日です。日本ではカフェのテラス席が非常に少ないのですが、それは四季の気候差が激しいというのが理由の一つでしょう。湿度も高いしね。いい季節は本当に短い…。

とはいえ、同じ住宅ならうまいこと外部空間を取り入れたいという夢を捨てきれないのも事実です。

以前も「屋外のうまい取り入れ方」みたいなテーマで3軒選んでいましたが、

今回も家の半分くらいを外部に開いてしまっている住宅をまとめてみました。日本と同じように湿度が高く暑い国も、大胆に露出しています。暑いのは承知で開いてしまっているんでしょうなあ。しっかり日陰をつくっておけば、あとは送風機だけでなんとかやり過ごすべきなのかもしれません。むしろクーラーに慣れてしまっているほうが問題なのかも。

 

あやめ池の家

立地:奈良 面積:不詳 設計:KOMATSU ARCHITECTS

まずは日本です。見るからにスケスケで面白い家でした。

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傾斜地かつ角地に立っているので、壁がしっかりある家をギリギリまで建てるとかなりの圧迫感になっていたところですが、既存の基壇部分(コーナーの立ち上がりのところ)からセットバックしたこととフロアが必ず一方向視線が抜けるようになっているので周辺ときれいに馴染んでいます。

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「丸見えやないかい」という声が聞こえてきそうですが、見えるところと隠されている所があるので案外快適なのでは。以前、同じくかなりスケスケな「森山邸」にお邪魔した時は、スケスケなのにちょっと身を隠せるところがたくさんあるので、森の中でかくれんぼしているような不思議な心地よさがありました。

こんな家

ガッツリ身を隠したいときは、地下の趣味のお部屋にこもれるようになっていました。

(集合住宅って書いてあるけど、当時間借りしている方もいたけど集合住宅とは言えないかも…?基本的には森山さんちという感じでした。今はどうなっているんだろう。)

あとはカーテンで隠しちゃうかですね。今私が住んでいる家も窓だらけなのですが、普段は薄手のカーテンでぐるっと隠しています。

 

VIA あやめ池の家 | 小松一平 小松建築設計事務所

 

SawMill House

立地:オーストラリア、ヴィクトリア 面積:不詳 設計:Archier Studio

パッシブハウスだそうです。暑い季節は谷を吹き上がってくる風を通すことで過ごしますが、寒い季節は14メートルある石の天井を開け放って日光を取り入れるそう。

© Ben Hosking

© Ben Hosking

© Ben Hosking

もう一つの大きな特徴は廃コンクリートの使用です。壁と塀は廃コンクリートをブロックにして使用しています。基本は鉄骨造のようです。

© Ben Hosking

かなりシンプルなデザインで、床と天井を同じ向きの板張りとすることでタテ・ヨコの指向性を高めています。個人的にはちょう好き^@^このような大自然の中にあることや、開放的であることもこのタテ・ヨコの見せ方とあってますね。

© Ben Hosking

© Ben Hosking

© Ben Hosking

デザインはかなりオーセンティックですが、環境負荷軽減などの考え方は今時な住宅でした。

 

VIA Saigon House / a21studio | ArchDaily

 

Saigon House

立地:ベトナム、ホーチミン(サイゴン) 建築面積:45平米 設計:a21studio

これはいったい…とかなり気になっていた物件ですが、何しろ詳細が分かりません。公式にも詳しい説明がなく、"undermined by human stupidity"というめちゃ気になる一文が…。なんなんだよう

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間口わずか3メートル、奥行き15メートルの「集合?」住宅です。もともとサイゴンはフランス領の時代があり、その影響で古典的西洋風の建物が多いのです。この建物も特徴的なレンガ遣いと窓の外蓋が見られますが、それよりも小さな一軒家が密集して一つの集合住宅をつくっているような構成が気になりますね。部屋のサイズまで分解された「一軒家」の間は、外部として存在しコミュニティースペースのような趣です。アジア的で実に面白いですね。

© Quang Tran

© Quang Tran

© Quang Tran

© Quang Tran

ちょっと関係ないかもしれませんが、「梅林の家」も初見で「なんだかアジア的だな…」と思ったことを思い出しました。

狭い部屋の集まりと外部内部の曖昧な関係性は、アジア的人間模様のようで面白いです。

 

VIA Saigon House / a21studio | ArchDaily

 

関連記事: 

 

 

【最近気になった住宅】白いカーテンの家

 

めちゃ久しぶりにこのテーマで更新します…。ほぼ忘れかけてました。

【最近気になった住宅】では、個人的に気になった住宅をテーマごとに三軒ずつ紹介しています。今回は「白カーテン」です。建築の話なのにまさかのカーテン。

 

カーテンは一番お手頃な壁

カーテンと建築で思い浮かぶのは、坂茂さんの「カーテンウォールの家」です。なんと外壁がほとんどなくて、カーテンで仕切られているという家でした。うろ覚えですが、確かお施主さんが町の人と会話するのを楽しみにしていて、町に対して開いている状態にしたかったとかだったような…。大胆な設計ですが、船に乗っているみたいな気持ち良さがありそう。

ただツイッター情報ですがカーテンは風で煽られるので取り除かれたらしい…。昨年は賃料35万で賃貸に出ていたそうです!もう借りられているのだろうか。見てみたかったなあ。

 

もう一つは、住宅じゃないんですがSANAAのツォルフェライン・スクールです。たくさん開いた窓が特徴ですが、個人的には窓とは無関係に天井から床までかけられた美しいカーテンの印象の方が強いです。

美しいドレスみたいですね。

 

カーテンは建築とは全く異なるもののように感じるのですが、光や風の媒介となったり視線をさえぎったり、住宅の中ではかなり重要な役割を果たしていると思います。カーテンをつけずに竣工写真を撮っている物件も多いのですが、どうせつけるのならカーテンがどうあるべきかもデザインした方がいいですよね。

そんなわけで、カーテンが気になった住宅を3軒紹介します。

 

読書と入浴のための詩人の家

設計:PARA DESIGN エリア:ニューヨーク州 物件名:HAFFENDEN HOUSE 敷地面積:105平米

構成が面白いので断面図から↓

Jon Lott Haffenden House section

1階はガレージ、2階は風呂+書架、3階は読書室+ベッド でほとんど壁がないシンプルな構成です。もうそれだけで面白いのですが、2階は書架の中にポツーンとお風呂が床に埋まって(!)ありますし、3階は床が筒状にカーブしています。詩人さんが一人で過ごす場所と考えると、なるほどという感じもします。

これは筒状の底の部分にベッドがポツンとある、なんとも不思議な読書室。

Jon Lott Haffenden House

Jon Lott Haffenden House

外壁は小さい半透明の穴がたくさん開いているのですが、あくまで採光のためで窓ではないようです。窓にはシリコンを流し込んでいるらしい。

 

Jon Lott Haffenden House

この床にいきなりあいたお風呂がまた…。すぐ「湿気が…」とか気になっちゃうんだけど、そんなことは些末に感じられるようなスペシャルな空間でした。このカーテンは、お風呂が外に向かって丸見えなところに、本当にシャワーカーテンのように吊るされています。カーテンレールとカーテンの間にかなり距離がありますが、このかけ方は見たことがありません。通りから見ると、いきなりカーテンが浮いているように見えて面白いです。

図面見ると、本当にトイレとクローゼットくらいしか壁がないのね…。

Jon Lott Haffenden House Plans

 

VIA:http://www.para-project.org/2012/05/haffenden-house/

 

ひなたの階段室

設計:松岡聡田村裕希 エリア:茨城県 物件名:裏庭の家 建築面積:30平米

かなりコンパクトな住宅ですが、階段室に3分の1もの面積がさかれています。しかし、階段が幅広めに、居室に対して開かれているため部屋の一部として活用できるようです。下の写真、4枚の写真に見えますが2枚なのだ

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階段室は南向きで、強すぎる日光に対する緩衝空間にもなっているようです。それにしても美しい階段だ。

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とてもながーいカーテンで、階段室の窓を覆っています。

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VIA:http://matsuokasatoshitamurayuki.com/works/house-on-backyar/

 

壊された窓と柔らかい白カーテンの家

設計:Brandlhuber+ Emde, Schneider エリア:ドイツ、ポツダム 物件名:Antivilla 建築面積:不明

いつも一番好きな物件を一番最後に持っていっていることに今気づいたんですが、この住宅(兼スタジオ)はめちゃくちゃ好きでした。もう、好き…っていう。あ、どうでもいいですねスミマセン。

ドイツ民主共和国時代の堅牢な下着工場をリノベした物件です。

© Erica Overmeer

この壊されたような爆破されたような窓は、手作業で打ち壊したらしい。もともとの軽い屋根を頑丈な屋根に変えたので、壁に大きい開口を開けられるようになったそうです。それにしても打ち壊すってスゴイ。

© Erica Overmeer

内側から見たところ。サッシってこんなつき方でいけるんだっけ…?ところ変われば手法変わるっていうことですか。

内装もめちゃ好みなんですが…。アヤナミコンプレックスだろうか。 

© Erica Overmeer

 

ええと、カーテンの話をすると、こちらPVCカーテンといって断熱の役割もあるそうです。

© Erica Overmeer

このカーテンで区切る考え方は結構面白くて、極寒になるこの地域の冬は、ダイアグラムの真ん中のように広い面積をPVCで囲んで防寒エリアを狭くすることで空調効率を上げているらしい。やっぱり冒頭の壊された窓とぶっきらぼうなサッシがよくなかったんじゃ…

しかし、こういう寒々しいインテリアが大好きな自分にはたまらなかったです。壊された窓の感じも好き。さっきから「好きです」しか言ってないけど大丈夫か。

Exploded Axonometric

http://www.archdaily.com/627801/antivilla-brandlhuber-emde-schneider/

 

以上、白カーテンがポイントの家三軒でした。まだまだカーテンの建築にもたらす影響は研究の余地がありそうです。

  【最近気になった住宅】「石」の借景のある家

 

 

【最近気になった住宅】では、最近竣工した住宅の中から気になったものを、同テーマで3軒で紹介しています。

 

今回は岸壁などの天然の「石」の借景が素敵な家を3軒紹介します。どれも立地がスゴイ。例によってグーグルマップを張り付けているので、ぜひ「航空写真」で見てみてください。どれもストリートビューなし。残念。

 

小屋に擬態した小屋

敷地:スイス 設計:Nickisch Sano Walder(独)

スイスのこの辺にある小屋。 

 

いきなり岩。

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この写真にすべて持って行かれた^@^かっこよすぎる。

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コンセプトは丸太小屋で、このあたりによくあるタイプだというログハウスをそのままコンクリートで作ったような形。意匠的な特徴は、ログハウスをそのままコンクリートの型枠に使ったようなこの形状

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ログハウスの表面が反転している。もちろん木目もあるよ

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ログハウス型枠(?)ってびっくりするほど贅沢だと思う 

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いずれにせよ、細部までよくデザインされた逸品であることは間違いなしです。美しき山小屋ですな~

 

VIA:Refugi Lieptgas | urlaubsarchitektur.de|holidayarchitecture.com

 

岩間に生える家

敷地:アメリカ 設計:Olson Kundig Architects(米)

アメリカのこの島のどこかにある住宅。



やはり岩。

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岩間に生えたような住宅なんだけど、建設はかなり大変だったそうです。

職人が見当をつけてドリルで掘削し、岩を爆破し、水圧で削る機械(?)で滑らかにし、今度はのこぎりで手作業…次第に次第に道具を細かい作業用のものに変えていくということで、ほとんど彫刻を作るようなものですね。その岩をまた内装に使っているので、室内まで一体感があってきれいです。

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しかし内装がコッテコテです^@^お金持ちの週末用住宅といったところかなあ

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VIA:The Pierre House by Olson Kundig Architects – Fubiz™

 

ウィークエンドハウス@レバノン

敷地:レバノン 設計:Youssef Tohme(仏)

場所はレバノンのこの辺。恥ずかしながらレバノンの場所を初めて認識しました。 



海抜1200メートルの高山地帯にある街の、これまた高台に建つ住宅のようです。

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周辺に何も建っちゃいないので、広々と場所を使って、そしてこの絶景。1時間でいいから、ここでコーヒー飲みながら読書させてもらえませんかね(´゚д゚`)

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しかし、眼下の都市に対しての見え方は意外にも堅牢です。

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内装のテイストも含めて好みすぎて、羨まし過ぎて笑いが出てきますね'`,、('∀`) '`,、

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VIA:SC Villa

 

 

以上、岩の借景が素敵な住宅3軒でした。最初の一枚以外、借景でもなんでもなかったような(((^^;)まあいいか

 

住宅って立地が素敵なだけで毎日幸せだと思うのですが、多くの場合それと同時に利便性を手放すことになりますね。今回の3軒は、やはり週末用の別荘といった使われ方のような気がします。

次回は、都心の一軒家かマンション改装をテーマにしてみようかな。あまり↑こういうの見ると、家づくりを予定しているものとしては目に毒です'`,、('∀`) '`,、

 

 

都心の一軒家に近いテーマはこちら

 

マンション改装はこちら 

 

週末用住宅はこちら

 

またね~

 

 

あ、忘れていた

この場を借りて宣伝ですm(_ _)m

 

リクナビに寄稿しました!

上のインタビュイーの人のウェブサイト^@^



今度こそまたね~

 

 

【最近気になった住宅】キラキラの外装が気になる家

 

外装は言ってみれば家の外皮で、人に置き変えてみると皮膚でありファッション。そう考えると超大事という気がしますが、実際には中に住むことの方が住む人にとっては大事だし、機能も関係してくるので、外装は(比較的)コストをかけません。

一般的な日本の街並み(つくばらしい)。

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photo by Jun560

日本は控えめな人が多いのか、グレージュや浅黄色などのニュートラルな色の外装が多いような気がする。

 

そうは言っても、都市の中での住宅は、大きさ(ボリューム感)と外装の色・素材でしかないという考え方もできます。その連なりが街並みをつくっている、とも。だから、本当は外装にも気を配りたい。

 

というわけで、外装材が気になる住宅を3軒紹介します。

 

 

空を映すタイル

設計:CorreiaRagazzi arquitectos エリア:ポルトガル 物件名:House Ricardo Pinto 面積:280平米

ポルトガルから、空を映しこむような青いタイルで仕上げられた家です。(と言っても、タイル仕上げは一部分)時間と場所によって色が変わる青いタイルが、空の色を映しこんでいるようでとてもキレイですね。

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つやつやの表面に、実際に空を映しこむこともある。

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タイルはこのように斜めに入っており、白い面と青い面があるので表情が変わるのです。

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ポルトガルはもともとタイルが有名で、この住宅のタイルの使い方は伝統的な青い文様のタイルを抽象的に昇華させたデザインでもあるようです。実際の伝統的建造物はこんな感じ。  

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タイルは高価ですが、メンテナンス不要で半永久的に美しい素材です。

 

VIA:House Ricardo Pinto / CorreiaRagazzi arquitectos | ArchDaily

 

 

ガラス張りの不透明な家

設計:Wiel Arets エリア:西麻布 物件名:A' House 面積:136平米

こちらは日本の物件ですが、手がけたのは現代建築の国・オランダの建築家。外装がガラス!というのも大注目ですが、素材違いで2重窓になっているところや、窓サッシの特徴的な入れ方も面白かったです。 

偶然、3つの外装が一度に見られる写真。一番手前が本物件で、奥二つは一般的な住宅です。

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ピッカピカ。外装材のガラスは断熱効果があるそうです。

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この窓サッシは建物からはみ出ているのです。

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この写真の下の窓のように、普通の透過するガラスもはまっているのですが、その他の写真のようなすりガラスも2重の外側にはまっているので、プライバシーに合わせて雰囲気を変えられるそうです。

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内装も凝ってます。建築ですがプロダクト的な形のつくられ方をしていて、見れば見るほど色々な要素があり、とても面白い物件でした。

 

VIA:A' House by Wiel Arets in Tokyo is coated in glass

 

 

モザイクタイルの家

設計:The Manser Practice Architects + Designers エリア:イギリス 物件名:Sea Glass House 面積:280平米

こちらは冒頭のお宅と同じく、タイル張りです。しかもこちらは全面!タイルの単位も非常に小さいので、かなりお金がかかっていそう( ̄ー ̄)週末用の別荘だそうです。

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下の写真を見ると、空と緑を映しこんでそれは美しい表情を見せています。

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海に面してガラス張り、その反対側はタイル張りの円形プラン。

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きれいな自然環境に建物をつくる時、外壁を鏡面仕上げにするのが流行っています。上記の住宅の外装は、環境に馴染みつつも存在感もあり、なんとも良いなあ

 

VIA:Sea Glass House / The Manser Practice Architects + Designers | ArchDaily

 

ちなみにこのお宅、珍しく費用が書いてあったのでいそいそ日本円に換算してみたところ…本日のレートでおよそ13億円でした。

外装にこだわるとお金がかかるね!(←そこじゃない)

 

外「壁」の話はこちら。 

 

内装のお話はこちら。

 

豪邸の話はコチラ。

 

 その他住宅の話はこちら

 

 

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【最近気になった住宅】床が机になり椅子になる家 

 

家とは家具である?

最近は作り付け家具と言って、収納やテーブルなども建築物の一部のように最初からつくることも増えましたが、一般的に、人が認識できる建物というのは「床と天井と壁」のことだと思います。

でも床や壁って不思議なもので、壁をちょっと斜めにしたら人はそこに寄りかかるし、そこに小さな出っぱりをつくれば腰掛けるし、さらに小さな照明をつけてモノを置けるテーブルみたいな出っぱりもつくってしまえば、もっと長く腰掛けるかもしれません。

実は、人にはそうやって「居心地がいい場所」を自分で見つけて居心地よく過ごす本能が備わっていて、形によってそういう本能を引き出すことをアフォーダンスと言ったりします。自然地形にはこういう形がたくさんあって、例えば「切り株と木漏れ日」は「切り株に座って本でも読みたい」という気持ちを引き出すかもしれないし、「よく晴れた日と草原」は「大の字になって眠りたい」という気持ちを引き出すかもしれません。

 

住宅を買うという行為は、箱を買ってそこに家具を「ああでもないこうでもない」とはめ込み、居心地良く住みこなすことだと思う方が多いと思います。

ここでは、住宅自体が人の「居心地良く過ごしたい」という本能をつっつく、自然地形のような住宅を3軒ご紹介します。

 

ISANA

設計:ニコ設計室 エリア:東京 延床面積:217.28平米

広い!と思いきや、家主が住むエリアは70平米、その他に賃貸として30平米ほどの部屋が数軒ついているそうです。現代的な選択だなあと思うし、コミュニティも含めて魅力的な空間になっています。

これは母屋ですかね。大きな段差に机を付けて、掘りごたつのようにも、作業台のようにも使えます。キッチンで料理しているお母さんが、同じ目線で子供の勉強を見ている姿が浮かびました。

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ベランダとこんな段差があるだけで、椅子になる。

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スキップフロアです。ロフトのような空間は子供部屋。子供のサイズに合っているので、小さな椅子や机が不思議な感じです。

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数軒の賃貸は、この中庭を中心に長屋のように連なっているようです。

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この基壇っぽい構成は何だろう?

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数軒の住宅が、複雑に絡んでいるのですね。そのかみ合わせによってつくられる色々な空間が魅力的な住宅でした。

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VIA:Isana by Niko Design Studio - Design Milk

 

Eilkhaneh

設計:[SHIFT] Process Practice エリア:イラン、テヘラン 延床面積:500平米

こちらはイラン、3世帯の大家族のための住宅です。ここにも不思議な高さのキッチンが…

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もはや床=キッチンレベル。こう見ると、料理している人の目の前を足が通り過ぎるという、なんかとても変な感じですが…

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一つ下のフロアから見ると、今度はお母ちゃんが司令塔みたいに見えるようになっています(?)。ダイニングはこの階なので、キッチンから階段をトントン降りて持っていく感じですね。

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お母ちゃんはリビングもダイニングも見渡せるのよ~ん

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「さてさて、子供たちを呼んでこなくちゃ…」

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「ご飯よー!」

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こうやって見ると、そんなにイレギュラーなスキップフロアではないのですが、あのキッチンの位置はかなり面白いですね。見たことがない。

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VIA:Eilkhaneh / [SHIFT] Process Practice | ArchDaily

 

TSUBOMI HOUSE

設計:FLAT HOUSE エリア:東京 延床面積:77.44平米

2階建てで77平米、いわゆる狭小住宅の部類に入るかもしれません。またしてもスキップフロアです。もう、「スキップフロア」というテーマにすればよかったと思っています^p^時既に遅し。

ここでのスキップフロアは、ずばり採光と空間の奥行き感のために採用されているモノと思われます。スキップの取り入れ方がとても面白くて、イレギュラーなスキップフロアから「自然地形」みたいなものが生まれていることに注目しています。 

この中二階の床がグルリと回り込んでいる感じ。

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スキップフロアってなぜかとても楽しそう。

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奥行き感や、見えたり見えなかったりすることがワクワクさせるんだと思います。

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小さい子がいると危ないので、やっぱり網だらけになりますね。

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「空調が…」「音漏れが…」というご意見もあろうかと思いますが、あくまで狭小住宅を広く楽しむための工夫であるという事です。開口も少ないので、断熱性はそこそこあるのではないでしょうか?

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VIA:flat house completes 26 m2 polygonal tokyo bud house in tokyo

 

私がこのような「床=テーブル?椅子?」のような独特の構成を、初めてみたのは中山英之さんの「クローバーハウス」でした。気づけばもう10年前です!今や、このようなイレギュラーな床の配置で、テーブルや椅子にしてしまうのはそんなに珍しいことでもなくなっています。

このエントリの2軒目がそうかな。

 

イレギュラーな構成が産む「隙間」や「段差」は、一見無駄な空間のように見えますが、実はヒトってそういう所もムズムズと使いたい欲求が生まれてくるようにできているんですね。

 

その他の住宅はこちらから。