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こんな家を建てたい。その2-1.天井は高いほどいいの?

いつか建てたい家の妄想を、

たぶん5回シリーズくらいでちょっとずつ綴っていきます。

 

今日は天井高について。

長いので、理論編と実践編に分けます。

 

住宅の天井高といえば、色々な記事があるので検索してみると面白いのですが

マンションでいえば2.4メートルくらいが標準、

だいたい2.32.7メートルの間だと思います。

ちょうど我が家のリビング・ダイニング・キッチンが一体になった部屋が2.6メートルで、「天井高いね」と言われることが多いです。

(ただ、この天井高には理由があるので後述します。)

 

注文住宅だといくらでも高くできるので、

高ければ高い方がいいんじゃないかということになりますが

「高けりゃいいってもんじゃないぞ」と言いたい。

 

じゃあどうすりゃいいのよ、という前に、

そもそも、何で天井を高くしたいという話になるかというと…

「開放感がある」とよく言いますよね。

つまりは

「プライベート空間が広く見える」とも言えます。

もっといえば、「あ、広々してるな」と感じる瞬間が多ければいいと思います。

 

天井高について検索すると、マンションの天井高が2.4メートルだ、2.5メートルだと数字ばかり取り上げて批判するものも見受けられましたが…

2.4メートルは、けして低くないと思います。

(身長2メートル以上ある方なら話は別ですよ!)

 

問題は、

  • 天井が高い空間がありさえすれば、広く感じるというわけではないこと、
  • 天井をむやみに高くするとデメリットが多いこと

です。

 

天井が高い空間があっても、他の建具や家具がその空間の大きさに合ったものでないと、むしろ狭く感じたり、ダサく見えたりします。

天井が高いと、主にコスト面でデメリットがあります。

メンテナンスも大変です。

 

ここで鍵になってくるのが、「人間の空間認識能力」です。

人は思ったより空間の大きさを正しく認識できません。

 

アスリートや、パイロットなど乗り物の運転を生業としている方、ベテランの建築家など(あと、なぜか経営者などもそうらしい)、空間認識能力が高い人もいることはいるのですが

多くの人は部屋に入っただけで、部屋の実際の大きさは分かりませんし、

目の錯覚によって大きく左右されます。

(だから、建築設計士と図面だけで打合せするのは危険。必ず、人の模型が入った住宅模型を作ってもらうことをお勧めします!簡単なものであれば、無料で作ってくれるはずです。)

 

逆に考えると…

目の働きをうまく利用すれば

狭い部屋でも大きく、広い部屋ならもっと大きく見せられるということです!

 

部屋を広く見せる工夫としては、こんなものがあります:

  • 窓やペンダントライト、棚、植物、壁のポスターなどで視線を高い所へ誘導する
  • 部屋の間に半透明のパーテーションや透かし棚を入れ、奥行き感をつくる
  • 窓やカーテンを壁の途中まででなく、天井から床までつくる
  • 一段上がった天井が低い場所を作る(和室などでよくありますね)
  • 天窓を取る
  • 高い⇔低い、暗い⇔明るい、狭い⇔広い など、空間にメリハリをつける

 

天井高は普通でも、窓を一面とった方が、天井高を高くして窓を中途半端にとるよりも広く、良い空間に感じられると思います。

 

例外的に、極端に天井が高い空間(ホテルや美術館のホールなど)においては、視覚情報よりも、天井が高い所でしか発生しない音の響き方に影響を受けるので、「どうやらすごく高いようだ」と分かるようです。

試しに、耳をふさいでそういう空間に入ると、

変な不安感があるか、映画を見ているような非現実感があると思います。

 

空間認識能力って、髪型が変わった人を同一人物だと認識するのと同じくらい、ロボットに覚えさせることが難しいもののひとつらしい。

けっこう不思議なものなんですね~。

 

改めて、単純に天井高を高くするデメリットをあげると…

  • 空調にコストがかかる
  • サッシや窓ガラス、出入り口に既製品を使えないor使うと上部が壁になってダサイので、やはりコストがかかる
  • 部屋の広さに比して天井高のみ高いと、狭く感じる
  • メンテナンスに手間がかかる(地味ですが電球を変えたり、窓の上の方を拭いたり、結構困ります。2.6メートルの我が家ですら、電球変えるのにプルプルしました。吹き抜けなどは業者呼ばないと変えられないかも!?)

 

繰り返しになりますが…

「空間認識に影響を与えるのがほぼ視覚情報」という状況においては、

広く見せる工夫と、先般書いた「屋外感」などをつかって

視線を誘導した方が得策です。

 

 

 

ちなみに、上記とは直接関係無いですが、

マンションの天井高のはなしも。

 

マンションだと階高(床・天井の厚みと家の空間を足し合わせたくらいの長さのこと)がほぼ全住戸同じで決まっており、

それが3メートル以下くらいなので、

そこから正しい床・天井の厚みを確保していないと

床の音は響きまくるわ、リフォームはしづらいorできないわで困ります。

 

我が家の2.6メートルも、天井は直貼り、床はペラペラにすることで実現しており

その結果上の階の足音がすごく響くし、

下の階からうちの音の苦情を言われたこともあります。。

(さすがに、我が家か不明ですが、掃除用具のコロコロの音について苦情の紙が入っていたときは、オイオイ敏感すぎるだろう!と思いました^^;)

 

分譲ではないので、リノベはできませんが

しようと思っても、2重天井になっていないので水周りは動かせませんし、

配線も変えられません。

 

もちろん、もともと階高を高く設定している、良いマンションもあります。

そうすれば、2重天井・2重床にしつつ、天井高も高くできます。

ただ、そうすれば同じ土地でも取れる住戸数がかなり減ってしまうので、

坪単価を高くしないと不動産業者は採算が取れません。

 

だいたいそういうマンションは、

サッシも機能・デザインの良いものを使い、

窓も床から天井まで取っていたりするので、

もともと広い家がさらに広々と見えます。

 

高いものには、理由があるんですね~…。

 

 

次は実践編で、実際のインテリア写真を集めてみました。

 

 

 

 

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