私事ですが、毎日、世界中で建築家が発表している建築作品をチェックするのが好きです。その中で、最近個人的にいいなと思った住宅プロジェクトを3つ紹介します。
屋外感を取りいれた住宅は人の想像力をかきたてる
家を建てるなら、屋外を楽しめるような住宅にしたいな、と常々思っています。その理由についてはここ(こんな家を建てたい。その1.「屋外感」について - poco blog)でクドクド述べているので省略しますが、そんなわけでいつも「屋外感のある住宅」に目を光らせています。今回は屋外感が良い感じだな~と思った物件を紹介します。
Terrace House
敷地:メキシコ 建築面積:263平米
ほとんど屋外の家。パッと見は、シンプルで良さそうな家なのに、ほぼ屋外とはかなり攻めてるなあ。そのギャップがいいなと思いました。図面を見る限り、半分くらい半屋外のようです。寝室やキッチンなどの機能は、非常にコンパクトにまとめています。まとめられていますが、写真が無いのでどうなっているのか分かりません。それほどまでに、半屋外部分に力を入れた住宅なのですね。
下の図で、6にあたるところは半屋外。2.3.11は開口部が大変大きい空間です。プライベート感のある空間は、とても少ないのですね。
半屋外空間の、一方は山の風景、もう一方は海の風景を楽しめる様子。
半屋外は気になっているテーマですが、一日のほとんどをクーラーの効いた室内で過ごし、子どもに「テラス出ようよ~」とやられると嫌々出ている現状を見ると、おとなしく室内空間を豊かにした住宅を建てるのが正解か…
このお宅は気候が良く、屋外で過ごすことが多い土地柄なのではと予想されます。半屋外を取り入れた住宅は今ホットになっていると思うんだけど、イマイチ普及しないのは、やはり日本の気候だと無理があるのかもしれませんね。カフェのテラス席も、ヨーロッパに比べて少ないしね。
VIA:Terrace-House in El Limón / Villar Watty Arquitectos | ArchDaily
CJ5 House
敷地:ウィーン 建築面積:175平米?
間口5m、奥行35mの細長~い家です。
理由は分からないけれど細長い家が好きです。基本的に写真の枠の中で要素が収まり、しかも奥行きがあるので、画的に魅力的に見えてるだけなのかもしれません。でもなんだか好きです。
これくらいの特殊な細長さの敷地だと、採光のために間に庭を挟んだり、天窓を取ったりするしかないので、屋外好きとしてはますます好きになっちゃうのかもしれません。
階段とか、長い廊下とか、1階からチラリ垣間見える2階の様子とか、建築写真として素敵になりがちな要素が多いですね。
VIA:caramel architekten fits CJ5 house onto narrow site in vienna
中庭が家の中を通り抜ける家
敷地:東京 延床面積:291.57平米
東京ですが、結構広め。だからこそ、このように中庭が家の中を巡るような構成にできたのでしょう。家のあらゆるところで庭がチラリ見えるので、気持ちよさそうです。庭同士があまり差別化されていないので、どこに行っても同じ風景に感じるのは狙いでしょうか?個人的には、植栽に差を持たせた方がいいかと思いました。これから住まわれ方によって、随分変わりそうです。
敢えて、部屋と部屋の境界をフレームのように立ち上げています。使い勝手でいえば最悪ですが、遠近感の見え方、部屋の構成感(全てがグリッドで分かれている)などを意識させますね。せめて床が立ち上がってなかったら使い勝手がかなりよくなるのですが…。建築家と家を建てるとき、こういう意匠的なこだわりをどう決着づけるかが、実は最大の課題なのかもしれません。
でも自分が設計者なら、なんとかこの立ち上げ部分を残したいだろうしなあ。
台所とリビングの境目もフレーミングされており、なおかつ床面も立ち上がっているようですね。
中庭がファサードにこんにちはしてるところがいい感じ。外装は好みが分かれそうです。個人的には薄い無彩色が良かったな。お隣さんと色を合わせたのかも。
VIA:K2YT arranges garden courtyards throughout house k in tokyo
その他の気になった住宅
以降、編集テーマもなく、なんとなく私が気になった住宅を並べているだけです。スミマセン。
Casa Scout
建具で構成されているような家。気になるんだけど、何が気になっているのか自分でも分からなかった(・_・)子どもがカワイイです。
Scout House / BAAG | ArchDaily
西三国の家
みんな大好き和モダン。和食屋さんにも見えちゃう。
House in Nishimikuni / Arbol Design | ArchDaily
Casa Till Chile
続:海に臨む家。むしろ海の美しさの方に目が行く。この季節、とりわけ目につく。ただ羨ましい。笑
CJWHO ™ (Casa Till, Chile by WMR Arquitectos | via ...)
PDC Office
家ではないけど、家の廃墟からオフィスへのリノベーション。一本の廊下を象徴的にデザインしているのがクールな気がした。
JSa converts dilapidated home into PDC offices in mexico city