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私の周りにいる、異常にコミュニケーション能力が高い人たちのこと

 

考えすぎてコミュニケーション能力が低い人へ - teruyastarはかく語りき

この記事を読んで、「あああ、分かるなあ、これ自分のことだなあ」と思ったので、自分なりに「コミュニケーション力」について思ったことをチョボチョボと書きます。主に仕事上のことです。

 

異常にコミュニケーション能力の高い人たちのこと

私の勤め先は、「学生時代一番人気があった子たちで、就職活動もどこでも行けた」ような人が大変多い。こういう人の集団で過ごしていると、私のようなコミュニケーション能力(以下コミュ力)の低い人間は、丸腰で最前線を匍匐前進で進んでいるような感じです。何かって言うと、会議で軽い、時事ネタなど織り込まれた会話のジャブを進めていきながら核心にズイズイ進んでいく中で、私は変なタイミングで「これってこうすればいいと思います、いやでもそれじゃコンペでは目立たないかもしれないし、もしかしたら敢えてこうするとか…そういえばこんな海外事例があって…このプロダクションの最近の取り組みが…」みたいなことを言ってしまって、先輩に「う~ん…まあそうなんだけどさ(それじゃAさんBさんは理解できてないし納得しないでしょ)」と言われるのです。

 

ここで何が起こったかというと、

  • 私:課題と要件により考えられる最適解とさらに他の展開を言いたい(仕事はどんどん進めたい)
  • 先輩:会議にいる人にしゃべらせながら、とりあえず解まで会議上で一致させたい(全員納得しないと仕事が思うように進まない)

先輩曰く、「お前のいう事は尤も。でも、お前ひとりでは終わらない仕事、全員がやりてえと思うことが大事なの」。振り返ってみて、結局自分の思った通りに仕事が進んでいたとしても、仕事に関わっている人全員が「俺がやった」と考えている仕事の方が、完成度が高いのです。これはものすごく大事なことなんだけど、新入社員時代は全く分かりませんでした。

 

コミュ力が高いだけでは、仕事として面白いものはできない(と私は信じている)のですが、コミュ力が低いと面白いことを考えていても何も実現させられません。一人で完結する仕事、ただコンテンツを配信する仕事ならいいのですが、多くの場合、多くの人の納得が必要です。

 

私は幸いなことに先輩・上司に恵まれていたので、私のことを理解してくれた上で、上記のような指摘を陰ながらしてもらっていました。そして、社会人になって数年経ちましたが、だいぶ人間的に丸くなってきました。話が分かりやすくなってきました。そして、冒頭のエントリを読んで、そうそう、会話ってそうなのよ!と共感できたわけです。

 

ちなみに、社会人になったばかりの時にこれを読んでいたとしても、何も心に響かなかったと思う。そう考えると、ハウツーものって本当に必要な人にはなかなか届かないコンテンツなのかもなあ。学生のうちは、一流クリエイターのかっこいいインタビューなどに目が向いていましたが、そういったスターが会議では意外と気を遣い、本人も「苦手だ」と言う気難しい人と飲みに行き、根回ししている姿を見る機会があったのは幸運でした。社内ですらそうで、クライアントに行けばもはや「クリエイティビティ」よりも「いかにクライアントの業界用語で説得できるか」という勝負にすり替わっていたりします。

 

そんな「コミュ力が異常に高い人たち」のこと、ちょっとだけ紹介します。

 

・どんな人でも、どんなに目上の人でも「操作」している

私がコミュ力のある人が怖いと感じるのは、「人を操作してるなあ」と気づくときですね。もれなく私自身も操作されていますから。こういう人は、相手のニーズや性向に興味があるし、知っているので、どうやったらYESを引き出せるか常に考えています。しばしば込み入った状況に陥った時、誰もがなんとなく顔を立ててもらった状況で鮮やかに解決したりします。「正しさ」ベースに考える人と、「相手のニーズ」をベースに考える人では、解決の精度もスピードも全く違ってきます。

 

・相手にとって共感できる話題だけで最後まで引っ張る

心理学にYES効果というものがあるそうですが、これを日常的に実行しているので説得されてしまう。「うんうん、あるよね!→うんうん、分かる!→うんうん、その通り!→気づいたら説得されてしまっていた」という…。しばしばビッグストーリーを用いて説得力を持たせがちですが、本物の納得は天上から降っては来ず、必ず相手の中に宿っているそうです。ワイドショーネタでもいいので、相手にとって「YES」な話だけで話そう、ということ。

 

・会話の停滞を仕切りなおせる

多くの仕事は、与件が詰まっていたりコストが無限にはかけられなかったり、いいアイディアがなかったりして停滞するときが来ます。そんな時に「そもそもこの問題って見方を変えれば…」等と論点をすり替えたりして、チームの士気を復活させること。これはコミュ力が関係ないように見えるかもしれませんが、根本的な問題解決にはなっていないのに、仕切りなおせた感じに見せるのはやはり技術だと感じます。こういう人、学生の部活動なんかでも頼られていただろうな~。分かっていても、騙されたい!頼りたい!と思わせる人が、いるのです世の中に。

 

・自分をチャーミングに落とせる

「俺ハゲてるやん?だからさー、」といきなり言われるのを想像してください。もう、話聞くしかないですよね!自分の柔らかいところを差し出してしまうと、相手も丸腰で対応せざるを得ない。私は自分をうまく落とすのが苦手なんです。深刻っぽくなくいじりやすい、いい感じのネタないかな。

 

・人に頼る

「この仕事やりたい」と思わせられなかったとしても、「コイツを助けてやりたい」と思わせる方法があります。ベテランに可愛がってもらう。努力して、頼ってきている年下を放っておけない心情。私もだんだん、そういう気持ちがわかるようになってきたなあ。

 

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一部、以前の自分のエントリから掘り起こしてみました。

 

まだまだあると思いますが、元記事にもたくさんのヒントがありました。未読の方は読んでみられてもいいかもしれません。

 

コミュ力を必要としない人間関係こそ至宝

稀に、一足飛びのアイディアをぶつけてもすぐに理解してくれて、さらに2足飛びのアイディアを打ち返してくれる人がいます。こういう人間関係は、もはや宝物ですよね。色々書いたけど、本当のところは、コミュ力をこね回さなくとも思ったこと・思いついたことを垂れ流し状態で言い合えるのが最も良い人間関係だと思います。そんな仕事仲間で周囲を固めていければ最高だなあとも思います。クライアントだって、同じ感覚の人とだけ付き合えたらいいのです。そういう幸せな仕事の時は、嘘のように展開が早いのです。幸いなことに、何人かそういう仲間を見つけられました。でも忙しくて、いつも一緒に仕事するわけにはいきません。

 

私の場合、夫が同じ感覚なので、夫婦の会話はストレスフリーです。周りから見たら、こいつら何言ってんの?という内容でも笑い合えている。こういう関係、大事にしなきゃいかんよね。

 

 

この記事に対するお詫び記事を書きました ↓

(お詫び)「私の周りにいる、異常にコミュニケーション力の高い人たちのこと」 - poco blog