土地の性質が変わる境界線上、または跨ったところに建っている住宅です。風景や土地の高さが変わるところをどう活かしているか、取り込んでいるかに注目してみました。
水際に斜めに建つ家
物件名:House in Onomichi 敷地:尾道 面積不詳 設計:Suppose Design Office
谷尻誠さんです。海に面して海面も近い住宅ですが、対岸や橋も近く視線が気になる場所。そこを、家自体を全て海に向かって斜めの平面にすることで、海に対してオープンにしながらも外の視線から逃れられる場所をたくさん用意しています。
レベルは平屋に抑えて、寝室やお風呂などは地下に入れて全く違う空間にしています。(と思います。図面が無いので予想^^;記事はこっそり修正するかもしれません。)
尾道は内海なので、これだけオープンでも海を楽しめる感じなのかもしれませんね。この景色を見ながら晩酌してるのでしょうね^p^ビールがうまいぞー
VIA:Walls run diagonally at Suppose Design Office's House in Onomichi
擁壁に腰掛ける家
物件名:House in Miyake 敷地:広島 延床面積:93平米 設計:Hidetaka Nakahara Architects, Yoshio Ohno Architects
また中四国。何と敷地が途中で4メートルも下がっているのですが、その境界線の擁壁にストンと腰かけているように見える住宅です。
ただ、敷地が下がっている部分はボリュームとしてはあるものの中身はなく、天井がすごく高い半屋外のような空間。スツールと階段が、まるで舞台のセットのように印象的に配置されていますね。「意味はないけどなんとなく面白い空間」があるのっていいなーと思います。意外とそういう場所で、長時間過ごしたりする。
VIA:House in Miyake / Hidetaka Nakahara Architects + Yoshio Ohno Architects | ArchDaily
半地下に埋まったように見える家
物件名:Casa BC 敷地:メキシコ 延床面積:559平米 設計:3ARCH
おそらく喧騒のある通りには入口しかなく、そこから崖下に下ったところに居住部分が広がっている構成です。そのアプローチ部分がかっこいい!その部分の写真ばかりで申し訳ないけれど、実際に屋内の写真がほとんどないのです。半屋外部分が非常に多く、室内は建物の中心部に(全体からみると)こじんまりとまとまっています。その半屋外へのプラン上のこだわりが強く、設計意図でも“Outer space never ends and interior space never begins.”(≒屋外がずっと続いているような屋内)と言っているほど。こういう発想たまらんぞーい。
写真はないけれど、これがファサード=正面玄関のところです。立面図の真ん中が入り口。
通りからは建物の全体像がほとんど見えていません。
それにしても思った以上に延床面積が広大なのですが、敷地面積の間違い?こんなもん?
VIA:Casa BC / 3ARCH | ArchDaily
以上、境界線に建つ家。境界部分をどう活かすか、エリア特性や設計者の考え方の特徴が出ていたと思います。境界部分を機能として使ってしまう場合は単純に壁を立ち上げて断絶するのみですが、こうやって「特に機能の無い、なんとなく豊かな空間」として半ばオープンに使うと、土地の性格がぐっと引き立ちますね。
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