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ニンフォマニアックVol.1観た

 

 

監督はビョーク主演の「ダンサー・イン・ザ・ダーク」などで知られているラース・フォン・トリアー、主演はシャルロット・ゲンズブール。

「ニンフォマニアック」は日本語訳で「色情狂」、いわゆる性依存症の女の半生を描いた作品です。Vol.1とVol.2に分かれており、計4時間超という大作。

ツイッターで「トリアーなのにコメディ」「めっちゃ面白かった」等の感想を見ていたので気楽な気持ちで観に行ったのですが、だまされました(*_*)やっぱりトリアーは趣味の悪い現代アート映画をつくるのに長けていて、観ていて大変居心地悪いし、考えさせられます。どこかで「トリアーの映画をセンセーショナルにさせるのは、観る側の良識である」というコメント見た気がするのですが、まさに自分の良識(あるいは自分なりの頭の固さ?)みたいなものをガクガク揺すぶられるような映画です。

上下一気に観たのですが、とりあえずVol.1の方の備忘録を書きます。Vol.1はVol.2を観るのに必須ですが、あまり面白くはなかったです。ネタバレあり。

NYMPHOMANIAC VOL 1 & VOL 2

 

性に貪欲な女の子が結婚するまでの話

普通の家族に生まれ育った女の子が、幼い頃から性に強い興味があり、どんどん性の世界を広げていく過程を描きます。語るのは中年になった本人・ジョー(シャルロット・ゲンズブール)、聞き手役は50歳くらいのインテリ童貞・セリグマン(ステラン・スカルスガルド)。

中学生くらいのすごく適当な初体験や、高校生くらいの電車での男漁りゲーム、社会人になってからの1日7・8人というハードスケジュール等々、「性依存症って大変なんだなあ」というエピソードが続きます。これにいちいち本筋と無関係な知的な会話を挟んでくるセリグマンにいらだつジョーですが、観ている側としては「ザ・本能」な映像が続く中でこれらの知的ジョークがヘンテコなバランサーになっており大変良いと思いました。

性依存症には全く詳しくないので分からないのですが、ジョーは男たちを「体の関係だけ」と割り切らずに、「こんなの初めて」等と言ったりして男たちの心も手に入れようと(?)して、結局疲弊してしまいます。割り切っちゃえば良いのに、なんで中途半端なことをするんだろうと思いました。これが「不倫相手の奥様が乗り込んでくる」という泥沼エピソードにつながります。奥様はユマ・サーマン。迫力満点です。このエピソードは「爆笑した」と大変人気みたいなのですが、私は面白くなかったです。3人の息子も、ユマ・サーマンも可哀そう。典型的な泥沼エピソードであると思えば、ユマ・サーマンのやり過ぎなセリフやポカンとした他の人物達はよく演出されているし、シュールなおかしみがあります。感情の起伏のない映像が続く中でかなり印象的なシーンです。

そんなこんながありまして、ジョーは結婚して子供を一人もうけます。ところが、なぜかジョーの性感がなくなってしまいました。なんで!?サイアク!!という所でVol.1が終わります。

最後、雑なまとめに入りましたが、実際に見ていても「え?え?」という感じだったのです。

 

普通の家庭に生まれたジョー

Vol.1でいいなと思ったのは、ジョーが愛のある普通の家庭に生まれ育ったということです。性に異常に興味があるジョーに、母親は嫌な顔をしますが、父親は暖かく見守って精神的に支えます。ジョーの父親とのエピソードは非常に良いです。幼い頃、「木」をテーマに二人の心はつながっており、ジョーが大きくなっても心の支えになっています。この「魂の木」のエピソードが後半にも出てきます。後半で酷い状況にあっても、ジョーが優しさと憐みを持っているのは、この関係のせいなのかなと思いました。

性依存になったのも全く「理由」はなく、淡々と、一つの生き方として描かれています。そういう意味では、女性性についての批判的な映画ではないんだろうと、この時点では思いました。(後半はちょっと女性性・男性性の切り口も描かれています。)

彼は、ジョーが社会人になった頃に病気で亡くなります。

 

愛があるのかないのか

ポスターにも"forget about love"とある通り、「性があって愛はない」というのが結婚するまでのジョーのスタンスです。そのために友だち数人で宗教っぽいこともやってみるジョーですが、「愛着」あるいは「圧倒的にタイプな人」というものは存在することに気付いたのか、社会人になってからは選り好みもすれば決まった恋人もできます。その中で、昔から付き合いのあったある人物と結婚しますが、一人の相手では満足できないジョーは結婚生活がうまくいきません。これについては後半でさらに掘り下げられます。

 

Vol.1に関しては以上です。

 

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