最近観た映画についての備忘録。
アクト・オブ・キリング
「私は何度、映画を通して新しい世界を見て、映画に衝撃を与えられるんだろうか」と思わされました。まだまだ、すごい映画が世の中にたくさんあるんだろう。この監督は、最後の拷問部屋でのインタビューを撮りながら「自分は凄いものを撮ってしまった」とゾクッとしただろうな。
ハンナ・アーレント
アイヒマンの平凡さが、アクト・オブ・キリングのアンワルにも共通しています。この2つの作品を観て一番怖かったのが、「自分もこうなるかもしれない」ということでした。「悪の凡庸さ」、その環境で一番抵抗のなさそうなことを選ぶ怖さ。↓最近だとこの記事も面白かった。
ハンナ・アーレントを演じているバルバラ・スコヴァがうちの母にそっくりなので色んな意味で怖かったです^@^
東京難民
いつか子どもに見せたい作品でした。生活はどんどんひどくなっていくのに、主人公の心は澄んでいく。原作では主人公が落ちぶれていく段階が緩やかなのですが、映画ではかなり急激に、シュールなほどに転げ落ちていきます。頼る人が一切出てこず、半径3メートルくらいで向こうから接触してくる人としかやり取りしないのが怖い。ヤクザの怖さの描き方がよくできているなあと思いました。最初はチャラいお兄さんにしか見えなかったのですが、次第に恐怖そのものになっていきます。
そこのみにて光り輝く
池脇千鶴と綾乃剛、菅田将暉がとても良かったです。こういうと何ですが、本当に底辺暮らしの人たちの話なんです。函館のバラックのようなところに住んでいる池脇千鶴と菅田将暉きょうだいと、無職?の母、脳こうそくで寝たきりの父。菅田将暉は仮出所中。池脇千鶴は、家族を支えるために意に沿わない愛人をやり、風俗と塩辛工場の掛け持ちをしています。もうこれだけでお腹いっぱいなんですが、その中で生きていく美しさがキラキラしています。そういえば東京難民でも、同じような美しさを感じたなあ。
イヴ・サンローラン
イヴが影響を受けたアートや人、ドラッグの世界がきらびやかに描かれた作品。ゲイとハイファッションの世界って、頭ではわかりつつも実際どんなものか分からなかったけど、まあ、うん、すごかったです。同性愛というより、性的に開放的な方に振り切っている人たちの話だった。美しさに対して貪欲な世界。恥ずかしながらイヴ・サン・ローランが当時革新的なブランドだったと知りませんでした。自分たちがやっていることが常に時代の最先端で、自分自体がファッションであるということはどんな感覚なんだろう。
インターステラー
小さい頃、SF小説を読んでは数分の宇宙での時間が地球での何十年にもなることに興奮していたことを思い出しました^@^いやー、いいSF映画だったなあ。よくできていた。すいませんが大した感想が思い浮かばず^^;マットデーモンがチョイ役中のチョイ役で出てきて、他の俳優さんはそれほど有名な方達じゃないというバランスが面白かったです(^ω^)
おしまい。
旧作映画のレビューは↓から ~