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アマゾン・プライムビデオでおススメの10本

プライムビデオでの「おススメの10本」記事はいつか書きたいと思いつつ、たまにいい作品が新たに投入されるので中身を入れ替えたりしてなかなか決められず。とりあえず2016年5月時点での10本にしてみました。

 

恋はデジャ・ブ

スラムドッグ$ミリオネア

エターナル・サンシャイン

ヒミズ

シティ・オブ・ゴッド

her/世界でひとつの彼女

FARGO

アメリカン・ビューティー

パフューム ある人殺しの物語

それでも夜は明ける

(なんとなく後味の良さ順。後ろに行くほど個人的に好きな作品になっていくのはどうして…?)

 

恋はデジャ・ブ(1993年、アメリカ)

恋はデジャ・ブ [DVD]

「アナライズ・ミー」などのハロルド・ライミス監督です。ループもので基本的には同じ一日を何度もやり直すのですが、同じさびれた街・同じシーンでこれだけ面白い話がつくれるのかと驚きました。少し斜に構えた感じのTVレポーターの男が、もがきながら人間的にどんどん剥けていく様子が爽快です。「ハートウォーミングな話なのかな?」と思って見てみると、意外と絶望や死も描かれておりかなり心に刺さる映画でした。

 

スラムドッグ$ミリオネア(2008年、イギリス)

スラムドッグ$ミリオネア (字幕版)

「トレイン・スポッティング」や2015年の「スティーブジョブス」のダニー・ボイル監督。ムンバイのスラム出身の少年が、クイズに答えて賞金をもらえるショーに出演。それまでの壮絶な半生がクイズの合間に挿入される…文章で書くとつまんなそうな感じになって自分でビックリしているのですが(-O-;)躍動感のある洗練された映像と、凝ったプロット、回収されまくる伏線、地獄から這い上がるストーリーで嫌いな人はあんまりいないんじゃないかと思います。

 

エターナル・サンシャイン(2004年、アメリカ)

エターナル・サンシャイン (字幕版)

ダフトパンクやケミカルブラザーズなどのミュージックビデオを多数手掛けていることで有名なミシェル・ゴンドリー監督と、「マルコヴィッチの穴」等の誰も思いつかないようなストーリーを書く脚本家・映画監督のチャーリー・カウフマンがタッグを組んだ作品。奇跡的な最強タッグで、この作品も恋愛映画の範疇を大きく超えた面白さ。またこのお二人で映画を撮ってくれないものか…。俳優陣も魅力的な方ばかりですが、個人的にはキルスティン・ダンストがハマり役過ぎるだろと思いました。

 

シティ・オブ・ゴッド(2002年、ブラジル)

シティ・オブ・ゴッド [DVD]

「ナイロビの蜂」などのメイレレス監督。ブラジルのストリート・チルドレンたちがギャングになるまでと、その抗争を描いた実話ベースの作品です。基本的にはドラッグと武器でドンパチという話がメインなのですが、ギャングらしからぬキャラクターが出てきたり、ギャング以外の道をたどろうとする者がいたりとかなり各人物の掘り下げが深く広く、テーマが厚い映画です。子供を含めてたくさんの人が死ぬので、万人向けではありません。どこでも絶賛されているので今更…ですが、未見の方は是非。

詳細のストーリーつきの私の感想はこんな感じ。

続編もプライム・ビデオで見られます。パケ写含めそっくりですが、こちらは監督が違うので注意。

 

ヒミズ(2011年、日本)

ヒミズ

「愛のむきだし」などの園子温監督。「冷たい熱帯魚」とか「TOKYO TRIBE」とかが目立っていて、なんだかコミカルなエログロ?と(私に)思われがちな園子温監督ですが、実は「ちゃんと伝える」などのあまりにストレートな良い話を撮っていたりもするし、「みんな!エスパーだよ」みたいな奇妙な映画も撮っていたりで幅がめちゃくちゃ広い。そんな中で「ヒミズ」は一番好きです。ヒミズとは「日見ず」、つまりモグラのことらしく、飲んだくれの父に殴られながら暮らす少年が主人公。そこに不思議な少女(役名失念)二階堂ふみちゃんが絡んできて、という話。二階堂ふみちゃんはこの時が初見でしたが、ものすごい存在感と気持ち悪さ、でもグイグイ引き込まれる感じで、その後のご活躍も納得でした。園監督にはふざけてないでもっとこういう普通にいい話を撮ってもらいたい…。

園監督の驚きの生体を映画評論家の町山さんが語っている記事

と、とんでもねえ…。

 

her/世界でひとつの彼女(2013年、アメリカ)

her/世界でひとつの彼女 [DVD]

「マルコヴィッチの穴」のスパイク・ジョーンズ監督が脚本も手掛けている作品。というわけで「マルコヴィッチの穴」のような奇怪(!)な話ではなく、分かりやすくて現代人に寄り添うようなストーリーが魅力的です。主人公は手紙の代筆業をしている男。別居した奥さんのことを忘れたくて、AIの恋人をインストールしてみたが…という話。映像もこの監督らしくかなり凝ったことをしているのですが、リアリティを追求した近未来設定で何度も細部を確認したくなってしまいます。

詳細のストーリーつきの私の感想はこんな感じ。

 

 

~救いのなさの境界~

 

 

FARGO(1996年、アメリカ)

ファーゴ (字幕版)

連続ドラマにもなった、ファーゴというある田舎町で起こった連続殺人事件を描いた映画。「ノーカントリー」等のコーエン兄弟監督です。この文脈のない田舎町での大量殺人は「ノーカントリー」と同じようなことを描いていると思ったのですが、「FARGO」の方は田舎町の普通の人の普通の生き方を肯定するようなテーマもあって平凡な人たちが魅力的に描かれているので、より厚みがあって面白いかな~と思います。間延びしたノースダコタの方言や「ポールバンヤン(木こりの大男の伝説)」などのおかしみもいいのですが、人々の表情を絶妙にとぼけた感じに撮る演出はただただうまいなあと思ったり。

ちなみに「ノーカントリー」もプライムビデオで見られます。

悪夢のようなハビエル・バルデム!

 

ちなみにFARGOのドラマ版も抜群に面白いので、「時間が奪われても仕方なし(´∀`)ハハハ」という方は是非。これも無料です。ドラマ版は映画版とは一応無関係の作品なのですが、重要な小物が同じだったり、殺人鬼が持ち歩いている音声データに映画版の内容が入っていたりして答え合わせするのも楽しいので、続けて見ることをお勧めします。

 

アメリカン・ビューティー(1999年、アメリカ)

アメリカン・ビューティー (字幕版)

「007スカイフォール」などのサム・メンデス監督。人生が色々と煮詰まって立ち行かなくなってきたアメリカの中流家庭が描かれています。「隣の芝生が青い」「世間体」みたいなものでガッチガチになってしまった人たちの迷走ぶりがコミカルでもあり哀しくもあり。現在の「地に足の着いた」日本人の暮らしぶりからするとあまり共感できるものではないかもしれませんが、1999年といえば10年間続いたアメリカの好景気が最高潮に達する少し前の時期。過剰消費が問題視されはじめ、そういった生活への疲れも見えてきた頃だったので必要とされた映画なんでしょうな。

 

パフューム ある人殺しの物語(2006年、ドイツ・フランス・スペイン)

パフューム ある人殺しの物語 [DVD]

「ラン・ローラ・ラン」などのトム・ティクヴァ監督作品。一番好きな映画なのでこんな短いスペースでは語りつくせないのですが、一言で言うと「鼻がめちゃ効く孤独な男の変テコな心の旅路~殺人もあります!~」という感じでしょうか(なんか違う!全然違うよ!)かなり気持ち悪い感じの映画ではあるので観る人を選びます。でもトム・ティクヴァは気持ち悪いモノの中にも美を見出しているんですよ。全部きれいで全部汚い、そこが素晴らしい。また、ウィキが笑っちゃうほど充実しているので見てみると良いかもしれません。制作総指揮の人が逮捕されたとか、スペインの街に3トン半の肉・魚を撒いたとかいい意味で酷すぎる。

パフューム ある人殺しの物語 - Wikipedia

 

 

それでも夜は明ける(2013年、イギリス)

それでも夜は明ける [DVD]

「ハンガー」や「シェイム」などのスティーブ・マックイーン監督。アメリカでの黒人差別をテーマにした映画はたくさんありそうですが、アカデミー作品賞を受賞したのはこれだけではないでしょうか。ハンガーでもそうですが、重いテーマに真正面から向き合い、美化することもご都合主義も入れることなくドライに描いている作品です。被差別者の目線で差別・暴力を描いているので本当にキツいのですが、歴史を学ぶ上では一度見るべき作品だと思います。主人公のソロモンのように、読み書きができて奴隷の経験をした人は少なかったらしく、原作の本もアメリカの奴隷の歴史を紐解く上で貴重な本のようです。

アメリカの人種差別を扱う映画としては、"the Birth of a Nation"の公開を心待ちにしています。かなり暴力的な内容になっているそうですが、「それでも夜は明ける」で主人公が受けてきた仕打ちを見ていると、そうなっても仕方がない、長年の恨みが蓄積した関係だったのだと思わされます。

 

 

以上!

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