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マダム・フローレンス!夢見るふたり(2016年、イギリス)

マダム・フローレンス! 夢見るふたり(字幕版)

評判が良いようなので観てみた。

わたしにはあまり合わなかった。

 

クラシック音楽業界に多大な援助をしている資産家の女性と、彼女を支える夫の話。

女性は言わばカモにされていて、夫は妻からカネをうまく引き出すために四苦八苦。女性は周りに乗せられて自分が才能あるオペラ歌手だと思い込み、夫は聴衆を買収してなんとか演奏会を成立させる。ところが、妻の暴走により一般客相手に、しかもカーネギーホールで演奏会をすることになり…。

 

彼女のかわいそうな境遇とか、夫のズルさの本質にある意外とピュアな愛などジーンとくる。メリル・ストリープはめちゃくちゃうまいし、ヒュー・グラントははまり役だった。

ただ、作中でも言われてることではあるんだけど、彼女がやっていることは音楽に対する冒涜だし、お金持ちの遊びに付き合わされる人々の奮闘というのは、コミカルに描かれていて楽しくはあっても構図的には楽しくない。それなのに構造的には後半かなり強くいい話に持っていくため、いびつに感じた。この話のメリル・ストリープは可哀想過ぎて、弱いものいじめみたいな話になってしまっている。真実を知ってショックを受けて死ぬという終わり方はさすがにキツく、史実でもない。最後までジャイアンのリサイタルみたいな話のまま終わっていたほうが、すっきりした。