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犬ヶ島(2018年、アメリカ)

The Wes Anderson Collection: Isle of Dogs

「いつかの日本っぽいどこか」を舞台にした、ウェス・アンダーソン監督のアニメ作品。ウェス・アンダーソンが大好き(?)だという日本文化(でも日本語は全く分からない上、ほとんど日本に来たこともないらしい)が断片的に、時に妙に写実的に描かれています。英語と日本語が無意味に入り乱れます。この「アヤシイ日本」感。

ストーリーは、疎外される犬たちを救う日本人とアメリカ人の少年少女を描いた王道なもの。絵本みたいな世界観からか、ストーリーに没入して感動…という感じではないため、寓話的な印象でした。今現在の日本に象徴的な問題が扱われているため、より一層そう感じたのかも。それを救うのがアフロヘアのアメリカ人少女というのも、外圧でしか動かない日本を描いているようで寂しくもあったり…。主人公の男の子、なぜか片言の英語なまりですからね。アイロニーなのかマジな演出なのか分からない。

また、映画モチーフや漫画モチーフがたくさん出てきているそうです。クロサワ映画っぽいことと手塚治虫的な演出はなんとなく感じ取れました。漫画ファンならもっとわかるのかも。

一番お気に入りだったのは、寿司職人が生きた魚をさばくシーン。ストーリーとほとんど関係のないシーンなのですが妙にリアルで、アンダーソン監督のフェティズムを存分に楽しめます。

絵本タッチですがグロいシーンが多いので、あまり小さいお子さんには向かないかもしれません。小学校高学年であれば問題なさそう。