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カメラを止めるな!(2018年、日本)

【映画パンフレット】カメラを止めるな! ONE CUT OF THE DEAD

すごく面白かった!でも、ネタバレしない方がいい作品なので、少しでも見る可能性のある方はここでお帰りください。。

 

 

 

 

 

この映画は

  1. めちゃめちゃテンポの悪いB級ゾンビ映画
  2. そのゾンビ映画を撮ることになった背景
  3. しょぼいゾンビ映画再演(制作側目線)

という3部構成のようになっていて、①では帰りたくなり、②で「ほうほう?そう来たか?」なぜか上から目線になり、③ではずっと爆笑、からの涙腺崩壊。こんな気持ちの揺れ方をする映画は今までありませんでした。会場でずっと笑いが起こっていた経験も今までなく、その一体感も面白かったです。コントのライブみたいな感じでもあるのですが、面白おかしいだけではなく、父娘の泣けるエピソードあり、映画愛ありで、最後の方はナゾの涙がダラダラ出続けました。

 

なんで泣けるのか。父子エピソードはもちろん泣けたのだけど、今まで見てきた映画すべてに対する謎の感謝が沸き起こり、全ての映画よ、がんばれ!という気分になったのです。ワンカットでゾンビもの・生放送というのが相当ハードル高いとしても、基本的に映画を撮るのってこんなに大変なのね…と気づきました。生意気な若手役者やあれもこれもできないというアイドル役者へのいら立ちも面白く、最後は全員が一体となる感じも非常にベタなんですが熱くなってしまいました。

もともと、映画の制作風景の特典映像とか大好きなんです。監督やそれぞれの制作側のインタビューも好きです。その作品ができた背景とか、監督の思想、興行的な思惑なども味わうと映画は何度でもおいしい。

 

非常に低予算でこのように楽しめる脚本を作れるのはすごいの一言なのだけど、とりわけ感じたのは、観察眼の鋭さ。「ああ、こういう人いるいる!」というような人物の、ちょっとしたしぐさやセリフまで細かく練りこまれているので、後半のリアリティーにもつながったと思います。