バーゼル三日目は、ロレックスのラーニングセンターに行きました。スイス南部のローザンヌという都市です。ここは完全にフランス語圏です。ジュネーヴ行きの電車に乗っていると、スイスの真ん中にある首都ベルンくらいからフランス語が増え、ローザンヌでは完璧にフランス語の車内放送に切り替わりました。こんなに違う言語が国内に存在しているのって、改めてすごい。
ローザンヌはIOC本部があるくらいで他には特に何もないのですが、レベルの高い教育機関がいくつかあります、その一つがEPFLで、EPFL内にラーニングセンターはじめ建築物がいくつかあるのが個人的な見どころです。
ラーニングセンターの話をする前に、ローザンヌの地理的な特徴を書いておきます。スイスの街は「切り立った山の合間にある平地」というような場所が多いのですが、ローザンヌはそうではなく、ゆったりとした丘陵が広がりレマン湖を見下ろす独特な地形です。とにかく坂道が多い。レマン湖の周辺の街並みが、また目が染みるほど美しくて…。夏に来たらキレイだろうなぁ。
で、ラーニングセンターといえばこんな感じですよね。
実際、こんな感じです。
ただ丘陵をつくりたかっただけなのかと思っていましたが、ローザンヌを見てみると、元々ある地形のコピーでもあったのですね!
プログラムとしては大学の図書館と、飲食店、勉強スペースが集まっていて、あのがらんとした丘陵を想像して行ったのですが、実際には学生がみっちりと集まっておりました。無理やりスロープを取り付けている部分や、通れるか通れないか分からない隙間などがあります。スロープは全体的にきつい感じで、娘が喜んで上り下りしていました。
山があるから、ついつい歩きたくなる。持ち上がった建物の下の隙間を通って建物に入る感じも面白く、とにかく体験していくうちにどんどん進んでしまう、楽しくなってくる、そんな建物でした。あまりに有名な建物なので(学生のときちょうど計画中で、模型を作っていた!)、最初は芸能人に会ったみたいでよく分からなかったんだけど、体験していくうちにじわじわ感動してきました。建築ってこんなこともできたんだ、と。まだまだ、我々が見ていない風景が未来の建築にはあるんだろうなぁ。
大人には通れない隙間に挟まってみる娘たん 基本この建物で撮った娘は笑っている
中にはカフェと、なぜか中華料理店がありました。意外と手頃。建物内にほとんど仕切りがないので、広範囲に中華のおいしそうなにおいが漂っていました。高いんだろうなと警戒して駅でパンを買って食べてしまったのですが、EPFL内は学生料金だからかまぁまぁお手頃なので、EPFL内で食べた方がいいかもです。
隣には、隈研吾さんのつくった美術館があります。これは鉄骨なのか木造なのか分からない感じの建物で、軽くてシャープな非常に日本的な雰囲気の空間でした。全体像はなかなかわかりませんが、実は太刀魚のように細長い建物です。
木造を鉄板で挟んだような。。。
中でやっていた参加型の展覧会が予想外に面白く、娘が夢中になってやっていました。顔を映しただけで年齢が映し出されたり、ひじをつくだけで音が聞こえてきたりするものがありました。
EPFL内では建築学科の展示もやっており、夫氏と「なんか落ち着くねー」「ねー」とやっておりました。学生の時はこんなんつくってたな~(こんなにレベル高かったかは置いといて)
ちなみに、ローザンヌ⇔バーゼルは120キロくらいしか離れていないくせに、片道1.5万くらいかかります…。スイスでは3日以上滞在すると列車代が割引になるものもあるので、どうにかそういうものをやりくりしたり、なんなら車を借りたりして交通費を押さえたい所です。
バーゼルに戻ると、友だちがスイス名物チーズフォンデュを作ってくれました。これは大変な料理です。濃いチーズを溶かし、それを生ハムやピクルス、ゆでたお芋にかけて食べます。
一口食べて「あ、けっこうお腹いっぱいだな」と思ったのですが、それがエンドレスに続くのかスイスクオリティ。スイス人はもともと山の民族なので、塩辛い・カロリーが高い食べ物が多いそうです。日本のチーズフォンデュって、もっとさっぱりしたものにつけるよね?
しかし私、完食しました。
美味しかったもんね。
夫氏は撃沈。
フフン。