だいぶ前になってしまったが、グザヴィエ・ドランが出演しているとのことで見てきた。LGBTの子どもたちが矯正施設に入れられる話で、グザヴィエ・ドランは矯正施設の思想を妄信しようとして抜けられなくなっている役回り。病的な表情はハマっていたけれど、もう少し複雑な人物の方が良かったな…というのはファンの思い込みかもしれない。
ドラン氏近影。
YouTubeで有名になった歌手のトロイ・シヴァンの方が面白い役で、施設のやり方が欺瞞だと分かった上でやりすごそうとしている小悪魔的キャラを演じていた。金髪に染めている頃のシヴァンで、人間離れした美しさだ。この人もまた、人類の一つの姿なのだ。
シヴァン氏近影。
こういった(?)子供たちに囲まれ、主人公のジャレッドは母親に支えられながら、「矯正できることではないのではないか?」という疑問を確信に変えていく。
小学生みたいな感想になってしまうが、この環境下で、「LGBTは矯正できない」と確信できるのはものすごく強いなと思った。作中では、子供の心をしっかり見ている母親の支えが大きかったように描かれている。実際に「誰か信じてくれている人がいる」というのは、とても大きなことなんだと思う。流行りのワードで言うと、自己肯定感の強さみたいなものなのかもしれない。