MENU

6歳児連れてバリ旅行に行ってきた

夫の仕事でバリに行く機会があったので、家族で行ってきた。夫はここのところ海外出張続きで、出張先が楽しそうなところだと家族で行くようにしている。バリは行ったことがなかったし、「典型的な旅行先」という感じで楽しそうだったのだ。自分の旅行先はだいたい建築目的で、いわゆるリゾート地にはほとんど行ったことがない。

 

バリは気候が良く、物価が安く、料理がおいしく、治安が良く、何にも考えずに脱力して過ごすのに最適な場所だった。子供は朝から晩までホテルのプールにつかり、親はスパに何度も通う。こんなに自分を甘やすのに時間を使った旅行は初めて。

特に旅程も立てず、暇になればホテルに出入りしている旅行会社に簡単にツアーを組んでもらって、タクシーで回った。本当に脳みそを使っていない。そもそも交通があまり発達していないので、タクシーに乗るか自分で運転するかしか選択肢がない。タクシー代も驚くほど安かった。「ちょっとそこまで」で、100~200円程度。一人でも乗ってみたが、危険な感じはしなかった。歩道はあまり整備されていなく、信号がほとんどないので、短い距離でもタクシーに乗った方が安全かもしれない。ツアーではバリ人の方々が優しくしてくれるしで、日本にいるように気持ちが緩んだ。

 

ホテルに泊まっているのはほとんどアメリカ人で、他は韓国や中国、日本の人が少し。中東やヨーロッパ、ラティーナはあまり見かけなかった。子供は子供同士で少し遊んだけれど、あまり交流はない。ヨガ教室で会ったアメリカ人のお姉さんと少し話したくらい。ホテルに来ている人は、あまり交流を求めていない人が多いような感じがした。地元の飲食店やビーチに行けば、また違ったのかもしれない。

バリの方とは、けっこう話した。リップサービスかもしれないが、日本は好きだと言ってくれる人が多い。優しくて控えめな人が多く、癒される。ただ、バリ人の英語は私にはとても聞き取りづらい。現地の方曰く、シンガポールや中国などの英語が混じったものらしい。みんな英語を話すこと自体には慣れているけれど、訛りが強い。独特のコロコロとした英語だ。

 

娘は特にバリを気に入ったようで、バリで撮った写真はほとんどが満面の笑み。気候のせいもあるのかもしれないが、ヨーロッパだとちょっと緊張した顔をしていることがある。バリではゾウに乗ったり、自由に歩き回っているオランウータンに会ったり。食事もどれも気に入って、辛いもの以外は何でもよく食べた。娘はインドネシア料理を「何でも混ぜご飯」と呼んでいた。お腹を壊すのを気にして、生水はダメ!と最初ピリピリしていたのだけど、そのうち気にしなくなって、ホテル内の食事なら生野菜でもモリモリ食べていた。ホテルの外ではハエが多いし、やはりちょっと怖い。

娘は海外で色んな可愛いものを見つけて買いたがるけど、バリでは何か好みが合わなかったらしく何も買わなかった。小物とか、けっこう色々あったんだけどな…。娘は本当に欲しいものにしか反応しない。

 

バリで一番印象に残ったのは、生き物の力強さだ。わが家で小ぢんまりと枝を広げているカシワバゴムノキやウンベラータが、バリでは20メートルはありそうな大木になり、板状の根を地面に下ろしている。こんな巨木なのに、上空を見ると見慣れたあの独特な形の葉っぱが茂っているので笑ってしまった。

枝の間をリスが走り、足元にはトカゲがいる。虫もたくさんいて、娘の白い足に点々と赤い刺し跡をつくった。その辺の空き地にバナナやココナッツの木が生えて、常夏なのでいつでも最低限の食料は手に入る、というわけだった。生きることが祝福された場所だなと思う。

そのせいなのか、バリの人はあまり欲がなく、ゆっくりと彫刻や家具を作り、伝統行事を毎日きちんとやり、淡々と毎日を過ごしている印象だった。朝のお祈りで顔につけたお米や花が、夕方まで張り付いているのが印象的だった。その穏やかな日常に身をゆだねていると、心の底からリラックスできる。

 

個人的な教訓としては、土地に合わない植物をむりやり育てるのはやめようと思ったことがある。家のゴムの木、実はけっこう育てるのに自信があったんだけど、気候が合えばこんな巨木になれる実力があったのね…。何かゴメンね。