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不思議な週末と、共働き雑感

ママ友に誘われて、地元イベントみたいなのに行くことになった。アート系でけっこう面白そうなのだという話だ。先に着いたママ友から「こんな様子です」と写真が送られてきたが、体育館のようなところを背景に、パパも子供たちも微妙な表情をしている。一体どんな雰囲気なのだろう?

慌ててタクシーで駆け付けた。最近のタクシーはその人にあった広告が流れるようになっているのだが、普段は奥に座らせる娘をこの液晶の前に座らせてみると、同じカード会社のCMなのにでちゃんと子供目線のバージョンが流れる流れた。子供に対応しているタクシーアドは多くはないのだけど、機会があったら試してみてほしい。(なんのこっちゃ)。

 

会場はだだっ広く雑然と絵が置いてあって、関係者がウロウロしているが始まる気配はない。30分くらいしてようやく代表らしき方がマイクを取った。片言の英語でいっしょうけんめいアーティストたちの紹介を始める。アーティストたちは小学校1クラス分くらいいるので、この紹介だけで1時間くらいかかる。チラシの絵とアー写をご本人と見比べてみたりして、娘と「ゴリラの絵だねぇ」「バナナが空を飛び交っている」などとコメントしながら楽しく過ごした。

ようやく終わったら、なぜかみんなにご飯がふるまわれることに。こちらはお金も払っていないし、関係者でもないのでひたすら恐縮。せっかくなので子どもたちだけ食べてもらうことにした。

その後、輪になって踊ることに。アーティストも含めほとんどの人が振付を知らないので、ポツポツといるやたらとうまい人のまねを後続の人がやって、ウェーブのように踊りが広まっていくというような光景だった。半分くらい外国人の、全く知らない数十人の大人たちだが、子供たちは意外とノリノリ。アジア人アーティストたちはシャイだったが、西欧のアーティストはノリが良く、子供たちに何度もからんできた。

 

ふたを開けてみると、内輪でやっているイベントの打ち上げに勝手に参加したみたいになってしまった。よく考えると、入口のところで「お疲れ様です」などと声をかけられていたのだった!ママ友と「ご飯のにおいを嗅ぎつけてやってきた家族たちと思われたりして」などと笑いあっていたのだけど、振返ってみるとそうとしか見えない…。いちおう、開かれたイベントだったらしいので、地元民がほとんど参加しなかったというのが実際のところなんだとは思うが、シュールすぎる。このママ友はイベントごとに詳しい方なので、かなりレアなイベントを見つけてきたんだと思う。

 

その後、私が予約した近くの店でご飯を食べた。新鮮な魚が食べられるところで、どちらの家族も酒飲みなので大いに進んだ。子供たちはイベントで食べてしまっていて暇そうだったので、適度に切り上げてママ友家へ。そのまま子供たちが遊び疲れて寝落ちするまで、大人は大いに飲んで大いに語った。

話題はほぼ共働き家事育育児分担について。みんな、溜まってんね…。30代という働き盛りの時期に、仕事を優先したい人と子供を優先したい(あるいは、優先せざるを得ない?)人とのバトルがある。仕事を優先したい人の不満は分かりやすいのだが、家族を優先している人の不満は複雑だと思った。家族一緒に過ごせないというさみしさだけではなく、自分はキャリアを犠牲にしているという被害者意識のようなものと(要は、パートナーがズルいと思うこと)、一人で子供とずっと過ごしていると溜まるある種の疲れ、など。子供は基本、理不尽なので、解決されないイライラがたまっていきがちだ。

 

一方で、結婚していない友人と話していると、仕事のグチをずっと聞くことが多い。非効率な同僚の話だったり、考えの合わない上司の話だったり。さらに主婦の友だちだと、夫、それからママ友へのグチ。

 

総合的に考えると、相手に対する不満って「不公平感」に起因するのかなと思う。自分と、自分の近くにいるほぼ対等な相手との「ズレ」。傍から見るとそれほどズレていなかったり、理不尽という程ではなかったりするのだけど、自分から見た世界だと相手ばかりが得をしているように見える。相手と自分が違いすぎると、不思議と起こりにくい現象でもある。

共働きだとますますこの差が狭まってしまうので、ちょっとしたずれが積み重なっていくと決定的な断絶に繋がりやすいように思う。

 

こうやって家族ぐるみで楽しくガス抜きする時間を持ちながら、うまくやっていけたらと思う。