北海道警察で実際に起こった組織的な不祥事件を元にした映画。元ネタの稲葉事件のウィキ*1を読むと、けっこう忠実に描かれていることが分かります。映画を観た直後は「いくらなんでもそこまでひどくないでしょー」なんて思っていましたが、警察で実際にこんなことが起こっているとは。恐ろしすぎます。
私が感じたのは、「警察の不正、許すまじ!」などという社会問題的な目線ではなく、むしろがむしゃらに働く同期の体育会系男子に感じる心苦しさでした。体育会系をひとくくりにするのもどうかとは思いますが…。
借金してまで飲み歩き、クライアントの無理な要求にこたえ、太ったり健康を害したりする彼ら。部署が違うのでそれまでとも言えますが、自分は安全地帯から彼らを見ているようで、頼もしさや仲間意識ではない、怖いものを見るような気持ちがしたものです。「彼らは自分にはできそうにない努力をして会社の売り上げを担っているんだ」と、畏怖の気持ちすらあったと思います。
諸星の顔つきはちょうど彼らのようでした。
今では色んな役立ち方があるということが分かりますが、最初はなんで部署によってここまで求められることが違うのか、よくわかんなかったなー。
好きだったのは、最初にヤクザの事務所に行った諸星が鮫肝油のサプリをもぐもぐ食べてにらみ合い、認められるシーンと、すすきのの街を振り返って見る「俺の街」感でした。
こういう仕事上での乱暴な気持ち、ちょっと分かる気がする。