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T2トレインスポッティング(2017年、イギリス)

T2 トレインスポッティング [SPE BEST] [DVD]

やっぱりきらい

前の作品も嫌いだったんだけど、今回も本当に嫌だった…。そう、心が狭いんです。

それでもなんで見るかというと傑作と言われた作品がちゃんと20年経って同じ人物で撮っているというのに飛びつく浮ついた心のせいです、むしろシニカルで稀有な作品だと思ったし全然文句はないんだけど、この映画に描かれている男たちが嫌すぎるというだけでした。

 

みんな20年経って残念な感じにしかなっていないというのは置いといて、レントンの「人生を選べ」といきり立つ長台詞のシーンがひたすら痛かった…というのも置いといて。

その結果(なのかどうなのか)、ベロニカがうまく立ち回って故郷に大金を持ち帰ったのは、結果的に「残念な男たち、ナイスアシスト!」ともいえるし、男たちを取り巻く女性たちがそこまで迷惑かけられておらず、地道に頑張って成果までだしているのでホッとしたというか(何の話だこれ)、むしろこれはベロニカの映画だったのかもしれないと今気づきました。イギリスで得た金でブルガリアに錦を飾るというもの今どきですね。

シェイプ・オブ・ウォーター(2017年、アメリカ)

シェイプ・オブ・ウォーター (オリジナル・サウンドトラック)

先日のアカデミー賞で作品賞をとっていました。めでたい。

この作品はかなり楽しみにしていて、公開初日にいそいそと見に行きました。その日はアカデミー賞とる前だったけど満席だったので、かなり注目度は高いみたいですね。

ギレルモ・デル・トロといえば、スペインの内戦で翻弄される少女のダークファンタジーものである「パンズ・ラビリンス」が非常に、非常に好きで(同作はアマゾン・プライムで視聴できるので未見の方はぜひ見てほしいです)、この作品はパンズ・ラビリンスとほぼ同じような構成でした。人物配置もほぼなぞらえられるくらい。社会的なイシューとドリーミーな世界感が同居するところ、異形なのにどこか好感が持てるクリーチャーなど、さすが。

半魚人の目がマジで魚です。魚に手足が生えているといった方が近いかもしれません。この半魚人、次第にかっこよく見えてくる…なんてことはなくて、やっぱり最後まで魚!という感じでした。それでも、やはり最後は二人の恋にウルウルしてきてしまうのだから不思議です。

 

主人公のイライザは声が出せないけれど感情表現はかなり得意な方で、精神が安定していて親友もいるし、ミュージカル好きで映画館の上に住んでいる楽し気な人物。この人、この映画の登場人物の中で一番幸せそう。そこがパンズ・ラビリンスとの大きな違いといえるかもしれません。イライザを中心とした生活風景が魅力的でしたね。ゲイの親友と隣同士に暮らす部屋がまた良くて、アトリエにある色んな絵も見どころでした。

 

そういう魅力的な「小さな暮らし」に非常に分かりやすく悪として描かれたマッチョイズム、レイシズムが暴力的に絡んできて、小さな暮らしが精神世界に飛んでしまう、という構造が完全にパンズ・ラビリンスでした。けっこうキツめのリンチ描写もあります。この辺りは映画的なありきたりさを感じて、少し物足りなかったのだけど、えてして傑作というのはストーリーが王道だったりするのかも。

映画としてはパンズ・ラビリンスの方がだいぶ好きでした。

スイス・アーミー・マン(2016年、アメリカ)

スイス・アーミー・マン(字幕版)

ダニエル・ラドクリフが死体役!という奇天烈さで、見ないわけにはいかなかった。見た結果、思った以上に変な映画だった。完全に一人相撲みたいなドリーミーな映像や下ネタが許容できればけっこうおもしろいのでは、と思う。個人的にはそんなに好きな題材ではなかった。

ネタバレになるので見る可能性のある人は注意。

 

精神が不安定になり失踪したストーカー男の精神の旅を描いた映画。死体のラドクリフ君はまあ普通に死体なんだが、ストーカー男の脳内では自分自身を認めてくれる第3者的立場として出現する。彼ら二人(?)の友情があまりにリアルに描かれているので、一人相撲なはずなんだけどなんだか泣ける感じだ。

たぶん、ストーカー男は、自分のことを劇中にたびたび出てくる「オナラ」みたいな存在だと思っていたんだろう。気まずくて、誰もが自分のものじゃないと否定したがって、臭い。父親にもいないもののように扱われている。

その「オナラ」を、新しい場所へ連れて行ってくれるエンジンとダイレクトに描き直していている。何もしないはずの死体に自分の姿を投影して、バディもののように描いているのが、コミカルで温かい読後感につながっている。

まあでも、全部妄想だと思うとけっこう怖い感じではある。ストーカー男に幸あれ。

ドリーム(2016年、アメリカ)

ドリーム (字幕版)

昨年だいぶ話題になっていた作品だけど、ようやく見た。

アメリカで「ラ・ラ・ランド」よりも興行収入が高かったらしい。映画的な分かりやすさと社会的なテーマがうまく組み合わさり、さらに息つかせない編集の妙もあってすごく見やすかった。子供にも見せたいような映画。

舞台はロシアと宇宙開発のスピードを競っていたNASA内で、超優秀な3人の黒人女性が差別の壁を乗り越える様子を描く。超人的に頭がいい人たちで、しかもNASAという特殊な環境というわけで、黒人差別の映画としてはかなりエクストリームな状況。それが短時間でモリモリ「立ちはだかる壁→課題解決」というセットを繰り返す原動力となっている。

 

興味深かったのは、差別にもレイヤーがあるという見せ方。映画内の最下層は「黒人女性」で、次に「黒人男性→白人女性→白人女性(管理職)→白人男性→白人男性(管理職)」となっている。主人公たる黒人女性の奮闘はもとより、黒人男性は黒人女性に「女だてらに」というし、同じ女性でも白人から黒人に向かってナチュラルに差別している。一方で差別する側もさらに上のレイヤーの立場からは差別されているというわけだった。

その構造がすべて見えているのは最下層にいる黒人女性だけで、立場が少し変わると、もう自分の差別感情が見えなくなるというのも興味深かった。最終的には、白人男性(管理職)が差別の象徴をぶっ壊すんだから、すかっとせずにはいられない。

現実はもっとくだらない慣習が横行しているし、実力主義の素敵な管理職ばかりではないが、「ロシアに絶対勝たなければいけなかったNASA」という魔法がすべてを可能にした、というふうに受け取った。

マリリン七日間の恋(2011年、イギリス・アメリカ)

マリリン 7日間の恋 (字幕版)

アマゾン・プライムで。

マリリン・モンローが「王子と踊子」を演じたときの話。マリリン・モンローの内面に深く切り込んでいくスタイルの映画で、モンロー役はミシェル・ウィリアムズが演じている。あまり似ているとは言えないのだけど、しぐさや話し方はかなり寄せてきている。

何より彼女に恋する若者役のエディー・レッドメインがキラキラした目で見つめるものだから、魅力が倍増して感じられた。


サイモン・カーティス監督作品。個人的にかなり好きな「黄金のアディーレ」の監督で、この映画を見たのも「黄金のアデーレ」の影響だった。

感想としてはアディーレを越えなかったものの、熱に浮かされたようなエディー・レッドメインの雰囲気が良かったし、ミシェル・ウィリアムズも絶世の美女という超難しそうな役を好演していた。

なんせ名優ばかりが出ているので、脇役も魅力的である。ジュリア・オーモンドやジュディ・デンチ、エマ・ワトソンなど女性陣の存在感が強い。マリリン・モンローという絶対的な魅力の塊を前にした、女性たちの複雑な心境が痛いほど沁みてきた。


マリリンの内面を掘り下げた話のはずなんだけど、読後感としては「嫉妬と憧れ」の方が強かった。主人公の恋人役のエマ・ワトソンはもちろんのことだが、ケネス・ブラナー演じるベテラン男優が、女性としてのマリリンに惹かれるよりも役者としての輝きの差に嫉妬するのは面白い視点だったと思う。スクリーンに映る彼女に打ちのめされるオッサン。いや、そこはライバルとは言えないやろ…という気もしたけど…

これを期にマリリンモンローの出演作を見るのもいいと思う。「目が離せないってこういうことかー」と思った。

最近のコーヒー自家焙煎の様子

相変わらず楽しいです。なぜもっと早く始めなかったのか。

 

始めは250グラムくらい一気にやっていたのですが、最近の傾向としては4日に1度100グラム(出来上がり80グラム)くらいの少量だけ炒るようになりました。感覚としては焙煎後2・3日目~5日目くらいが一番おいしいので、3日で飲む分だけ作る感じ。

出来立てよりも3日目の方が香りも味もいいのは不思議です、そのあと劣化してくのも不思議。ふしぎふしぎ。

 

豆が少ないとやはり少し早めに出来上がります。2爆ぜ+1・2分まで10分かからないくらい。

冷やすのはわざわざ外に出てやっていたのですが、部屋の構造上テラスに出るまでにバタつくし、煙が部屋中にまき散らされるので、今はそのまま換気扇の下で冷やしています。

豆の選定は子供の仕事。より分けた豆はお人形さんの食料らしく、部屋に貯蔵されているようです。

 

コーヒー焙煎はパンを焼いたり、ヨーグルトを作ったりするのと同じく、諸条件でちょっとずつ変わっていくのが興味深いし、手間もお金もあまりかからないので始めやすいのではないでしょうか。

 

次に狙っているのは味噌づくりです!

ゲーム・オブ・スローンズのオシャって「愛より強く」の人やん!

今日も海外ドラマネタ。

 

ゲーム・オブ・スローンズに出てくるティリオンの恋人「オシャ」、どこかで見たことある…と思ったら、ファティ・アキン監督の「愛より強く」の主役でした!シベル・キリさんというそうな。気ままで情熱的な、オシャと似たところのある役柄です。ペルシャ猫みたいな雰囲気がばっちりあってますね。サバサバとした明るさと根暗さを持ち合わせていて、破滅に突き進んでいく感じとかも同じでした。いい役者さんだなー。

ファティ・アキン監督はどの作品も素晴らしいんですが、特にこの「愛より強く」と「そして、私たちは愛に帰る」の2作品が良いです。移民問題などの社会的なテーマと、人間愛を太く絡ませて描くのがとても好きです。

愛より強く [ビロル・ユーネル/シベル・ケキリ] [字幕] [レンタル落ち]

そして、私たちは愛に帰る [DVD]

 

海外ドラマといえば、GOTを見終わったので次は「モーツァルト・イン・ザ・ジャングル シーズン4」を見始めました。相変わらず最高。クラシック音楽を主題にした作品はそうそうないので、非常に楽しんでみています。

コンニチハ日本!

 

最初の2話くらいは音楽が少なくてちょっとつまらなかったのだけど、そこを我慢すると3話以降がぐっと面白くなりました。父親との確執を描く必要があったんですねー。今回はヘイリーの内面に深く入っていくシーズンになりそう。ロドリゴは…相変わらずよく分からない人物ですが、天才エピソードおいしいです^p^

今シーズンは日本ロケが多くて、加瀬亮さんや原田美枝子さんが出演しています。スティーブン・セガールの娘さんも出てますよ。初めて見たけど、キレイな人ですね。