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【最近気になった住宅】薄化粧インテリアの魅力

 

仕上げなし、あるいは磨き上げやウレタン塗装のみの薄化粧仕上げのインテリアが個人的に好きです。そんな住宅を三軒集めてみました。

「薄化粧」って建築にもあると思う

私は、躯体だけになってしまった廃墟みたいなところに住みこなしたい潜在願望があって、構造が素敵でそれが露出していたり、天井仕上げなしで古い屋根裏が露出していたりすると萌えるんです。しかし、あえて古道具を並べてみたり、きれいな塗装をやすりで古めかしたりするインテリアはイヤ。あ、でも親世代が使っていた家具をそのまま使うのは嫌いじゃないし、うちにもあります。まあモノによります。

めんどくさい人ですね!

紹介するのは全て古物件の改修です。新築で建てるのも良いけど、こういう良さげな古い建物の改修もいいな~。

 

Plywood House、ロンドン

設計:Simon Astridge

そのまま旧家屋の壁を室内に露出してみたり、集成材を無垢で使ってみたりしている増築物件です。

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集成材というのは、この天井や階段室で使われている木材部分。普通はペイントしたりします。この手すり、目の錯覚に感じるような曲がり方…。f:id:glasstruct:20140905110007j:plain

壁一面の鏡と、天井一面の窓ガラス、古い壁面からそのまま突き出している蛇口などが私的萌えポイントです^p^

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こちらのブリック壁は旧家屋がそのまま露出しているそう。隙間は透明でシーリングしてあるそうです。壁が良い感じに見えるのも、その他の要素が極限までそぎ落とされているからだと思います。

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VIA:Simon Astridge uses raw materials on Balham House extension

 

The Concrete Penthouse、ドイツ

設計:Christian And Karen Boros

第2次世界大戦中、ナチスが空襲のシェルターとしてつくった頑丈な歴史的建造物に増設されたペントハウス。インテリア写真からその物々しさは伝わりませんが、本体部分の壁厚は2メートル、天井厚は3メートルもあるそうです。プロポーションの美しい要塞です。

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ペントハウスは屋上に乗っかっているだけ。これだけ頑丈な建物なら、上にもっと乗せてもビクともしなさそう。

 

VIA:CJWHO ™ (Art meets ARTchitecture In The Concete Penthouse...)

 

The Concrete Apartment、メキシコ

設計:Jakob Gomez

1970年代に建てられたマンションの改修。むき出しのコンクリートを磨いたり、磨かなかったり(塗ったり?)して風合いを変えていますが、基本的に仕上げなしのインテリアです。天井のみ、木を貼っているようですね。日本人の感覚だと、肌で触る部分は木の方がいいのでは…と思いますが、気候が良いこと、土足で室内に入ることなどからこのような選択になっているのだと思います。個人的にはコンクリートむき出し・磨き上げの床は見た目的に大好きです。床下暖房などを入れておけば問題なしだと思います。

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寝室のみ、フローリング仕上げとなっているようですね。さすがに寝室ではスリッパなのかしら。

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VIA:A 1970's Concrete Apartment Gets a Bold Renovation - Design Milk

 

 

以上、薄化粧インテリア。こういうテイストが好きな方、体感ですが増えているような気がするなあ。リノベーションが増えているからか、はたまた海外インテリアをネットて気軽に見られるようになったからか。

 

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存在しないように見える巨大な家

 

日本は人口が減少しています。

とりわけ人口が減少している地域では空家が増え、今後これらが売れないまま放置され、あばら屋となっていく可能性が高い。新設住宅着工数はここ数年微増していますが、長い目で見ると着実に減ってきているのです。今後は緩やかに減っていき、増えることはないのではないかと思っています。(私は建てたい派なんですがね…)

 

そんな中、実際に空家率が増えているとある地域に建ったという住宅作品が、上記の社会動向を表現していてとても面白かったので紹介します。

 

物件名:P2Villa Shinsyo 敷地面積:66平米 設計:Szki Architects

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↑右側の写真は空家。左が実際の作品。空家のように空っぽに見える住宅ですが、実は目の錯覚のようなもので、中身はあるのです。

f:id:glasstruct:20140903155033j:plain ↑これが「中身。」こんな空間が広がっているとは、冒頭の写真では想像もつきませんね。f:id:glasstruct:20140903155035j:plain

デッドスペースに見える3つの3角形の外部ですが、これは風景を楽しむための立派な空間。↓

f:id:glasstruct:20140903155029j:plainf:id:glasstruct:20140903155025j:plain 「美しい海、山に囲まれた風光明媚な土地である」というもう一つの特徴があるようです。これらの「山側の風景」、「海側の風景」等の3つの性格をそれぞれ「一つの部屋」とみなした時、この住宅は「3つの巨大な部屋の角が合わさった場所」という見方もできる。深イイ~。こういう大きな視点に立ったコンセプト、大好物です^p^

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色々な切り口から何度も見返したくなる、とても示唆に富む住宅作品でした。コンセプトだけで何度も面白さを味わえるなんて素晴らしすぎる。素晴らしすぎる。

 

VIA:P2Villa Shinsyo / Szki Architects | ArchDaily

 

【最近気になった住宅】豪邸特集!!

 

シリーズで、最近竣工した住宅の中から個人的に気になったものを3軒ずつ紹介しています。家を建てたい方や、建築デザインに興味がある方、良ければ見ていってください。

 

そんなことより、豪邸ですよ豪邸。+1軒で、4軒ご紹介します!説明不要、どんどん行きま~す。

 

 

エルネスト・ネトのある住宅、リオデジャネイロ

物件名:JG House 敷地面積:762平米 設計:MPGARQUITETURA

 

豪邸物件を見ては、「ふ~ん、そう(羨望)」と言う感じで流していたのですが、これを見て

  ( ゚д゚ ) ガタッ 「豪邸特集書こう」

  .r   ヾ

__|_| / ̄ ̄ ̄/_

  \/    /

と思いました。(わざわざAAまで持ち出して主張する内容なんですかね)

というのも、中庭にエルネスト・ネトの作品が鎮座しているのです!

写真右側↓

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普段ホワイトボックスでしか見ることのないネト作品も、このような生活空間にあるのも案外自然に見えたりして。新しい発見でした。

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VIA:JG House / MPGARQUITETURA | ArchDaily

 

本当は、「アート作品のある建築」というまとめ方がしたかったのですが…竣工写真にアートを入れてくるものはほとんどありませんでした。アートの方が目立っちゃうからかもしれませんね。

 

ちなみに…エルネスト・ネト は、日本でもたびたび展覧会を開いているインスタレーションを中心としたアーティスト。香辛料が詰まった巨大な袋みたいなものを天井からぶら下げた作品などがイメージされるかと思います。ブラジル人です。この物件があるリオデジャネイロを拠点としているらしいので、こんな作品提供が実ったのでしょうね。

 

 

建築家の家、イスラエル

物件名:House of an Architect 面積不詳 設計:Pitsou Kedem Architects

 

建築家の自邸です。まあたいそうかっこいい家ですが、「イスラエルの建築家ってこんなにお金持ちなのね!」という身も蓋もない感想を真っ先に抱いてしまいました。日本の建築家なんて…ゲフンゲフン

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別々の素材が接しているところのシンプルさ、≒要素の少なさ、床から天井まで開口をザックリ開けているところ、装飾のなさ、など 建築として「かっこいいなあ!」と思う要素ばかりで構成されています。建築家の自邸らしい、シンプルかっこいい夢で溢れていますね。意味不明なコメントでごめんなさいね。

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見方を変えれば「面白くはない」と言われそうですが(主に旦那氏に)、

だってかっこいいんだもーん^p^と言いたい。うん、勝手に言えばいいよね。

 

VIA:A House for an Architect by Pitsou Kedem Architects - Design Milk

 

 

水盤のある家、ブエノスアイレス

物件名:torcuato house 延床面積:280平米  設計:BAK arquitectos architecture office

 

水盤のある中庭を中心に、2つのボリュームを空中廊下でつなげた住宅です。

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新築なのに古典建築のように見える。建った時から廃墟みたいな建築が好きなので、これも垂涎モノでした。

 

VIA:BAK arquitectos embeds water courtyard into torcuato house

 

 

石の家、シンガポール

物件名:OOI HOUSE 建築面積:354平米(たぶん延床だと思うけど…) 設計:Czarl Architects

 

シンガポールから、 石をふんだんに使った住宅です。こちらも2つのボリュームを求心力のある中心空間でつなげています。

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この吹き抜けのあるリビングルームを軸に、2階に2つのボリュームがあり、いわゆる「2世帯住宅」の体になっています。世の中には色んな2世帯住宅がありますね…

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裏庭はプールです。

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VIA:OOI House / Czarl Architects | ArchDaily

 

 

「似たような物件多くない?」 と思った方、すみませんが私の好みが偏っているせいだと思います(^_^;) また、オープンな感じの豪邸が好きなので、気候が良さそうなエリアばかりになってしまいましたね。

豪邸に着目してみると、南米にはとんでもないお金持ちがいそうだと感じます。もちろん欧米にも豪邸はたくさんあると思いますが、建築としてもかっこよく、隅々までお金がかかっていそうな新築住宅は南米の方が多い。土地代や建設費なども関係あるのでしょうか。欧米の豪邸はデコラティブなものが多い気がするなあ。

また、「お金持ち」とはいっても、建築物にはもっともお金がかかるので、豪邸を建てられるお金持ちはかなり限定されてくると思います。そんなわけで、「どんなお仕事の方かしら?」というゲスな興味も持って見てしまいました。今回クライアントの情報があったものでは医療関係と建築家でしたが…気になる南米の2軒はどうなのかな?聞いたらヤバイ感じですかね?でも知りたい。

 

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【最近気になった住宅】2世帯住宅


「最近気になった住宅」シリーズは、最近竣工した物件の中から、個人的に気になった住宅を三軒ずつ紹介しています。


今回はマジで超個人的な興味である「2世帯住宅」を見てみました。ええ、我が家でも「2世帯」という話が出たり引っ込んだりいるわけです。2世帯と言えば、結局プライバシーの取り方が最大の問題になるのでしょうか。親族とはいえ他人、距離感の取り方は難しいですよね。

 

2世帯住宅に全く興味が無い方でも、新築を建てる際、2世帯可能な作りにしておけば、使わない部屋で賃貸収入を得ながらローン返済に充てるなんてことが可能です。よければお付き合いください。

 

 

ひとつの家型に複数世帯を内包した家、東京

物件名:時の流れる家/transustainable house 延べ床面積:76平米 設計:sugawaradaisuke

 

一つの切妻屋根(こういう形→△)の下に、独立した3つの住居スペースを内包した家です。延べ床面積で80平米もない中で、中庭を挟むことで複数世帯が居住可能になっています。もちろん、1家族で住むことも可能。らしいのですが、トイレ・キッチンはいくつあるんでしょうか?図面からは分かりませんが、この広さならせいぜい2つずつかな。各個室は、人に貸せるくらいのスペックなのでしょうか。こういった住宅は、賃貸としての性能が気になります。

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視線が交差する場所が多いので、複数世帯でも和気あいあいと住む感じでしょうね。

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デザインとしては、余計なものもなく、かといってのっぺりもしておらず、階段やお風呂のデザインもかっこい。(おそらく)低コストの割にお金のかけ方がうまく、良い感じの家なのですが…。ちなみに、設計者のご自宅だそう。写真2枚目の右側の方です。イケメンです。

 

VIA:sugawaradaisuke unites gabled dwelling in suburban tokyo

 

 

 

大屋根に守られた家、米子

物件名:不明 延べ床面積:不明 設計:y+m design

 

強い日差しや、雨や雪から室内を守る、大屋根のかかった家です。独立した個室の集まりになっています。夜の光景など、まるで別々の住宅が寄り集まっているかのようです。個人的にはペラペラした感じの素材が苦手なので、こういった素材感強め素材づかいはイイナ~と思いました。

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一歩入ると集合住宅みたいで面白いですね。中は照明があるので不思議な感じですが、完全な半屋外です。

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このボリュームのうち一つが祖母のものだそうです。これは恐らく撮影用に出入り口をオープンにしていますが、閉めてしまえばプライベートな空間にはなりそう。

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VIA:folded roof protects rain shelter house by y+M design office

 

 

 

2つの家を合体させた家、ブエノスアイレス

物件名:Two House Conde 敷地面積:182平米 設計:Hitzig Militello Arquitectos

 

いわゆる2世帯住宅ではなく、2つの若い家族が家を合体させたという物件です。

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下記は二つの世帯の絡み方。結構入り組んでいますね。玄関は隣同士ですが、入ってしまえばほとんど顔を合わすことがないと思います。

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内装が同じような写真ばかりだったのであまり載せませんでしたが、上記の写真のみ、まさに二つの世帯の別々の階段が一度に見えています。ここすらほとんど窓がありませんし、内部は完全に別れているので、もしかしたらほとんどお隣の気配がしないかもしれません。

 

VIA:Hitzig Militello Arquitectos combines two homes in one building

 


以上、二世帯住宅でした。上から順に、プライバシーが高まっていくような構成にしてみました。個人的には、三軒目の構成が一番ありと言えばありですが……


 

結論:う~ん。やっぱり私には2世帯無理だな(^ω^)

 

 

【最近気になった住宅】日本の真っ白の家

真っ白の家はコンセプトを鮮やかに伝える装置

「最近気になった住宅」シリーズは、最近竣工した物件の中から、個人的に気になった住宅を三軒ずつ紹介しています。今回は真っ白の家。

 

建築家の家と言えば、私はまず真っ白の家をイメージします。もちろん全部ではないけれど…。でもこれは日本に限定されたことみたい。真っ白の家に注目して集めてみたら、日本の家ばかりになってしまいました。

真っ白だと情報量がぐっと減って、空間のコンセプトが際立ちます。光の落ち方、映り方にも注目してみてください。

 

 

Atelier Bisque Doll

敷地:大阪 延床面積:151平米 設計:UID Architects

白い長方形の枠をいくつも被せて、壁を構成している家。

視線の抜け方がとても面白いと思いました。こういう見え方は、何に近いんだろう?寺社などの大屋根の下から見る、庭の様子などでしょうか。角に柱がないので、壁が浮いているような不思議な感覚がすると思います。

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グレーに見える白、真っ白に見える白。

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空が青く映り込んでいます。

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夜になれば、建物は姿がなくなり、内側から漏れる光が主役です。

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3つの長方形で構成されています。

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この方は、この真っ白の長方形をモチーフにした住宅を他にも建てています。長方形のズレが生むイレギュラーな隙間が魅力的です。

 

VIA:Floating fence wraps house and doll-making studio by UID Architects

 

 

ORANGE HOUSE

内容不詳 設計:前田紀貞

子どもが遊べるような、巨大な彫刻を飲み込んだような白い家。

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このような曲線で構成されると、先ほどのように色のコントラストはあまり生まれません。代わりに、光が全体に回り込んでいるような均一性が。

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夜もまんべんなく明るくなります。

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計画案時点で、子どもが楽しく遊べるシーンを描いていたようです。

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実際の様子。うちの子を混ぜたい笑

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自然地形みたいで楽しそうです。ただ、かなーり汚しそう(・ε・`*)それもまた良しですかね。

 

VIA:norisada maeda creates engaging space for kids with orange house

 

 

Florist Studio

敷地:三重 建築面積:139平米 設計:小川晋一

森の中の、スタジオ兼住宅だそうです。小川晋一さんは、ミニマル中のミニマル、白とガラスと直角だけで構成された建築が多いのです。

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このガラスの大きさと、マリオン(ガラスの支柱)のなさ…。最近学んだのですが、ガラスは柔らかいので、このような面積でマリオンがないとブヨンブヨンと動くそうです。構造的には問題はないそうですが、風が強いと「お、おう…」という感じになるかもしれません。合わせガラスにすればだいぶマシらしいけど、このサイズだとコスト大変そう。まあこのような住宅だとコスト<<<美観なのかも。

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それにしても、本当に美しいですね。このガラスを前にした廊下を日がなゴロゴロしたいです。あっちの端から、こっちの端まで。(流木かい)ポイントに天窓が一ヵ所あるみたい。時間によって光の角度が変わるのでしょうね。下にオブジェみたいなものもあるし、日時計かな?

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白すぎて怖い階段(何で怖く感じるんだろ?)

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VIA:Glass-fronted gallery and house for a florist by Shinichi Ogawa

 

 

以上、「白い家 」でした。

個人的にミニマル好きなので、真っ白の家も好きです。汚れやすいなどの欠点も多いのですが、時間や季節によって移ろう光の色がよく分かり、魅力的な色ではないかと思います。光がぬめっと回り込んだり、シャープに白黒ついたりするコントラストも楽しめますね。

また、そういう意味で透明なので、形に目がいきます。彫刻のような形、イレギュラーな形、そして綺麗な均衡な形。

 

 

建築家の非営利団体が設計した、大工のための廉価住宅

 

メキシコでは、「大工が自分の家を持てない」という矛盾した状況にあるそうです。自分の家を持つには収入が足らず、暗く、狭い集合住宅に押し込められざるをえない。そういった状況を打開するために、建築家で構成される非営利団体が大工のために住宅を設計したのがこの物件です。

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コンクリートブロックを使った無機質な空間ですが、建築家がデザインしているだけあってディテールもシンプルで、むしろ普通の住宅よりかっこよく感じられました。

敷地:メキシコ 物件名:Casa Caja 敷地面積:110平米 設計:S-AR + Comunidad Vivex


建築家にとっての大工は、作曲家にとっての演奏者のようなものです。大工がいないと、譜面を書いても意味がない。(と、たまたま昨日、作曲家と建築家の雑談のなかで聞きました(・ε・`*))大事な存在だけど、思うようにつくってもらえなかったり、技術的な限界があったり。

だから、思った通りに施工できる、お気に入りの工務店に出会えれば、すごく大事にするでしょうね。(ただ、建築家の仕事は工務店にとってめんどくさいらしい\(^o^)/)


そんなわけがあって、上記のような取り組みはすごく頷けます。日本の大工さんは貧しくはないですがね!願わくば、もっと大工という職業が憧れられるものになればよいと思います。日本の「職人」というものの地位は、低すぎると思います。

 

VIA:Casa Caja

 

 

【最近気になった住宅】ひとつながりの大空間を楽しむ家

 

シリーズで、最近竣工した住宅の中から個人的に気になったものを3軒ずつ紹介しています。


家を建てたい方や、建築デザインに興味がある方、良ければ見ていってください\(^o^)/今回は「ひとつながりの大空間がある家」。


ひとつながりの大空間は、空調効率や音漏れなどを考えるとなかなか現実的には厳しい選択肢ですが…やはり広々とした空間はいいですね。案の定、アトリエやオフィスを兼ねている家、別荘、家族が少ない家ばかりでした。

 

 

シンプルな家型のウィーケンドハウス、ドイツ

面積や設計者など、詳細不明。


インテリア系のサイトから拾ってきたので、図面もなく内容はよく分かりません、、が、家型の住宅を大らかに区切った構成のようです。シンプルですが、ディテールが繊細で美しい住宅だと思いました。

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欧米の寒い地域は、セントラルヒーティングといって家中を空調するので、こういったことが可能なんですね。

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寝室を部屋で区切らない選択。広々と感じられていいけど、家族が多かったら無理だな。

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VIA:Private Residence in Ambach | Home Adore

 

 

大草原の奇妙な家、ブリュッセル

物件名:Leeuw House 延べ床面積:不明 設計:NU architectuuratelier

 

こちらは先ほどの別荘よりも形がイレギュラーで、不定形な空間に隙間から隣の部屋が垣間見えたりするところが面白い住宅です。

ざっくりした大空間も面白いんだけど、個人的には床面になっているレベルが同時にテーブルとしても使われているところが気になりました。

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↓このテーブル部分です。

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こういう床の使い方を初めて見たのは、中山英之さんの「クローバーハウス」でした。もう10年も前になるんだなあ。

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上の写真はクローバーハウス。

こうやって、誰かが発明した空間を色んな人が使っていくのって、きっといいことなんだと思うようになりました。

 

VIA:Cement tiles create a lattice on NU architectuuratelier's Leeuw House

 

 

公民館みたいな家、群馬

物件名:house M 建築面積:92.74平米 設計:宮原輝夫

 

個人的には「公民館みたいな家」ってとても良い意味なのですが、一般的にはそうは感じられないようです。子どもが家中走り回れたり、姿が見えなくてもなんとなく気配が感じられたりして、私は好きですけどね(・ε・`*)


この感じ、なんていえば良いのでしょうか。最近できた、スタバとか入っていたりする、洒落た公民館という感じでしょうか。う~ん、うまく言えないですね~。ちなみに、アトリエ兼住宅だそうです。

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VIA:miyahara architect office encloses box-shaped house IM

 

 

以上、大空間が良い感じの家でした。