外装は言ってみれば家の外皮で、人に置き変えてみると皮膚でありファッション。そう考えると超大事という気がしますが、実際には中に住むことの方が住む人にとっては大事だし、機能も関係してくるので、外装は(比較的)コストをかけません。
一般的な日本の街並み(つくばらしい)。
photo by Jun560
日本は控えめな人が多いのか、グレージュや浅黄色などのニュートラルな色の外装が多いような気がする。
そうは言っても、都市の中での住宅は、大きさ(ボリューム感)と外装の色・素材でしかないという考え方もできます。その連なりが街並みをつくっている、とも。だから、本当は外装にも気を配りたい。
というわけで、外装材が気になる住宅を3軒紹介します。
空を映すタイル
設計:CorreiaRagazzi arquitectos エリア:ポルトガル 物件名:House Ricardo Pinto 面積:280平米
ポルトガルから、空を映しこむような青いタイルで仕上げられた家です。(と言っても、タイル仕上げは一部分)時間と場所によって色が変わる青いタイルが、空の色を映しこんでいるようでとてもキレイですね。
つやつやの表面に、実際に空を映しこむこともある。
タイルはこのように斜めに入っており、白い面と青い面があるので表情が変わるのです。
ポルトガルはもともとタイルが有名で、この住宅のタイルの使い方は伝統的な青い文様のタイルを抽象的に昇華させたデザインでもあるようです。実際の伝統的建造物はこんな感じ。
タイルは高価ですが、メンテナンス不要で半永久的に美しい素材です。
VIA:House Ricardo Pinto / CorreiaRagazzi arquitectos | ArchDaily
ガラス張りの不透明な家
設計:Wiel Arets エリア:西麻布 物件名:A' House 面積:136平米
こちらは日本の物件ですが、手がけたのは現代建築の国・オランダの建築家。外装がガラス!というのも大注目ですが、素材違いで2重窓になっているところや、窓サッシの特徴的な入れ方も面白かったです。
偶然、3つの外装が一度に見られる写真。一番手前が本物件で、奥二つは一般的な住宅です。
ピッカピカ。外装材のガラスは断熱効果があるそうです。
この窓サッシは建物からはみ出ているのです。
この写真の下の窓のように、普通の透過するガラスもはまっているのですが、その他の写真のようなすりガラスも2重の外側にはまっているので、プライバシーに合わせて雰囲気を変えられるそうです。
内装も凝ってます。建築ですがプロダクト的な形のつくられ方をしていて、見れば見るほど色々な要素があり、とても面白い物件でした。
VIA:A' House by Wiel Arets in Tokyo is coated in glass
モザイクタイルの家
設計:The Manser Practice Architects + Designers エリア:イギリス 物件名:Sea Glass House 面積:280平米
こちらは冒頭のお宅と同じく、タイル張りです。しかもこちらは全面!タイルの単位も非常に小さいので、かなりお金がかかっていそう( ̄ー ̄)週末用の別荘だそうです。
下の写真を見ると、空と緑を映しこんでそれは美しい表情を見せています。
海に面してガラス張り、その反対側はタイル張りの円形プラン。
きれいな自然環境に建物をつくる時、外壁を鏡面仕上げにするのが流行っています。上記の住宅の外装は、環境に馴染みつつも存在感もあり、なんとも良いなあ
。
VIA:Sea Glass House / The Manser Practice Architects + Designers | ArchDaily
ちなみにこのお宅、珍しく費用が書いてあったのでいそいそ日本円に換算してみたところ…本日のレートでおよそ13億円でした。
外装にこだわるとお金がかかるね!(←そこじゃない)
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