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アラジン(2019年、アメリカ)

アラジン (オリジナル・サウンドトラック / 日本語版)

娘と、保育園帰りのデートで見てきた。娘初の4DX。色々と予告なしで連れて行ったので、終始目がキラキラしていてたまらんかった。問題は保育園帰りだとご飯を食べながら見ざるを得ず、4DXとご飯の組み合わせが非常に悪いということだ。ポップコーンが跳ねたのも一度や二度ではない。まぁいいか。4DXの説明動画でもポップコーンが跳ねているし。

 

話はいわゆるアラジンなのだけど、ランプの魔人が青いウィル・スミスであることを除けば、「姫」がポリコレにかなり注意した人物像に変わっているところが一番の特徴だった。アラジンの主役はもちろんアラジンなのだけど、途中から姫の方が目立ってきて、最後は姫の戴冠式と結婚式が続けて表現される。

 

個人的にはこれが微妙だった。

例えばアナ雪の場合、元々女王とその妹だから「強い女性像」に違和感がなく、氷売りの男は氷売りのまま姉妹と仲良くしているだけだった。しかしこのアラジンは、盗人から姫の結婚相手に変わったものの、彼自身のビジョンは曖昧だ。しかも、彼は一応主役。旧アラジンは何となく立身出世的な話になっているのだけれど、新アラジンは主役の気持ちが宙ぶらりんのままなので私はすっきりしなかった。結婚した後どういう人生を送るのか想像がつかない。

 

このアラジンは純粋に姫を好きになるだけの男で、他の意思は特にないというのがポイントになっていると思う。原話のアラジンだと、貧しい母を楽にさせたいとか、今は盗人だけど一山当てたいなどといった背景があった。それをバッサリ無くして、姫の心を手に入れたいという気持ちだけが残っている。これは男性側から見たら逆にポリコレ的にどうなんだろう。

A Whole New Worldを歌う有名なシーンも、「上から見た人々の生活はなんてキレイなんだろう」と、なんだかピントが外れている。冒頭では「貧しい人たちの中でドブネズミのように暮らしている自分」を歌っていたが、その後の彼の人生でその葛藤がどうなったのか、うやむやにしている印象だった。

 

まぁそれはそれとして、娘は初めて見るウィル・スミスが青い!なんという貴重な体験をしていたし(ジーニーのことが大変気に入ったようだった)、どことなくマスクのようなジーニーのドタバタ劇は見ていて楽しかったし、アクションに全振りしたアラジンの甘々な顔立ちも気に入ったし、空飛ぶ絨毯は可愛すぎるしで非常に楽しめた。