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紙の月(日本、2014年)

紙の月

中年女性、夫から軽視される、若い男性に貢ぐ…など、気になってはいたけれど設定が私には痛々しすぎてなんとなく見ることができなかった作品でしたが、プライムビデオに早々と出ていたので思い切って観てみました。ネタバレしない方が面白いのかもしれないので、未見の方には「意外と、というかけっこう面白かった!」という感想だけお届けします…。

 

 

ここからネタバレ



さて、そこまでひどい夫ではないし、若い男性もいい人だし、宮沢りえは美しいので思っていたより見やすい映画でした。テーマに対して雰囲気が爽やかすぎると思ったほど。最初にお金に手をつけちゃったシーンなど、「品行方正な人が堕ちていく話」が苦手な私としてはやはり痛々しくてイヤ~な気分でしたが、スピーディーにめちゃくちゃ大胆になっていくのでもはやどうでも良くなってくるというか(´▽`)ハハハ 破滅的な話のはずなのに、終わりにかけてどんどん爽快な感じになっていくのが逆にグロテスクで、割り切れない感情が巻き起こりまして、名作なのでは?と思いましたよん。

↑とにかく宮沢りえが爽やか。

原作の表現でも「おろしたての石けんのような清潔感のある」主人公ということで、ぴったりだったのかも。例えば深津絵里だったらそのギャップからさらにグロテスクな感じになったかもしれませんが、宮沢りえが時々見せる疲れた中年女のような顔はできなかったろうしなあ。個人的には、男と付き合い始めて最初の方に買う白いコートが全く似合っていなかったのがかなりグッときました。でも、だんだん高い洋服がサマになっていくんですよね。逆に若い男の方は服が派手になって魅力が薄れて見えるようになるのがまた…。スタイリング演出もとても良かったです。

 

「(遊んでの)徹夜をしたことが無い。あなたがうらやましかった」という上司役の小林聡美がまた良かったですねえ。自分がしてみたいことを何もしない人生と、全くその逆の人生だけを切り取っているのでもう鮮やかすぎるほどなのです。

現実は、やりたいこともやりつつ真面目にも生きている人が多数なんだろうけど、バランスがうまく取れているというよりは、単に「抑圧された自分」と「やりたい放題な自分」を抱えてなだめすかしながら生きているだけなのかもなあ。


ナポレオン・ダイナマイト(2004年、アメリカ)

ナポレオン・ダイナマイト (字幕版)

謎の「見続けられる」感

軽い気持ちで見始めたら、軽い気持ちのまま終わってしまったようなそんな映画でしたが、最後まで飽きずに見てしまう、癖になるような何かがありました。

主人公のナポレオン・ダイナマイト君は田舎の高校生でして、ダサいような奇妙なような風に演出されています。かといっていじめられっこというわけでもなく、そもそも他の人物達もけしてかっこいいわけではないんです。スクールカースト高めの金髪チアリーダーもどこかイケてない。そんな中、ナポレオンは人気が無いけれど自分が強く、謎の爆発力を持っています。彼のヒスパニック系の友達や、父親も然り。彼らがあまり考えずに行動を起こしつつ、ヘンテコな台風の目となって周りを徐々に巻き込んでいく…。という話でした。こう書くととんでもないことが起きそうな感じですが、そんなことはけしてなく最後まで地味です。

 

この世界観、何かに似ている…

このイケてない人たちのじわっとおかしい日常を描くテイスト、昔見た何かに似ているぞ…と思ったら、これでした。

永沢君 (IKKI COMIX)

永沢君 (IKKI COMIX)

 

ちびまるこちゃんは有名なさくらももこの漫画ですが、頭髪が特徴的な「永沢君」をメインにしたスピンオフ漫画があるんです。胃腸が弱くて卑怯な藤木君とお互い嫌悪感を持ちながらなれあったり、かっこよくなりたいと微妙に頑張ってみたり。これが地味におかしくて、小学生か中学生くらいの時に読んではまっていたのを思い出しました。  

どちらもけしてカッコいいわけではない現実を愛のある目で描いた作風です。当事者目線、なのか。

 

ナポレオン・ダイナマイトは製作費わずか40万ドルだそうですが(役者のギャラが超低そう!)、結果的に4600万ドルも興行収入があったそうです。なんとも癖になる感じの愛すべきキャラクターたちのおかげで、ジワジワ人気が広がったのかもしれません。

 

ダラス・バイヤーズクラブ(2014年、アメリカ)

ダラス・バイヤーズクラブ[レンタル落ち][DVD]

何気なく観たんだけどむちゃくちゃ良かった。エイズを発症した男の話です。予備知識が「ジャレット・レトの女装がすごい」くらいしかなかったので(ひどいな)、意外にも社会派な映画なのね!と驚きました。

 

憑依系の演技で知られるジャレット・レト、今回はドラァグ・クイーン的な感じに。

最初は「ジャレット・レトが女装してるな~」という感じだったのですが、途中からもう可愛すぎて可哀そう過ぎて…。本当に素晴らしい役者さんなんだなあ。

ジャレット・レトが役にのめり込み過ぎて共演者に豚の死骸などを送り付け始めたという「スーサイド・スクワッド」も楽しみにしていますよ。

 

この演技でアカデミー男優になったマシュー・マコノヒーは、「え?これ、マシュー・マコノヒーなの?」というくらいげっそり痩せて魅力を失った姿になっています。↓特にこのシーン、泣いたな~。

マシュマコさんはこんなイメージだったのに!

 

ちなみに実在のロンさんはこんな人らしい。同じようなHIV治療薬を密売している団体はたくさんあったらしいですよ。

 

自己中心的な最低男が、次第に人々を助けるために戦い始める過程が説教臭さ一切なく描かれていて実に良かった。おすすめです。

 

 

無印で買い物

 

無印週間もあったのでまた遊びに行ってきましたよん。

最近、娘を連れて無印に行くのが楽しいです。おもちゃをつくる体験イベントがあったり、絵本がたくさん読めて選べたり、買ったものをハンコでデコれるコーナーもあるし、疲れたらカフェに入って娘が好きなソフトクリームを食べたり。娘が自分で下着や服を選ぶときも、無印ならまあどれを選ばれても良かろうという安心感もあります。

 

買ったもの

娘のパジャマ、下着など

柔らかくて縫い目がしっかり外に出ているので安心。パジャマは自分で脱着しやすいようにボタンが色違いで大きく、保育園の昼寝タイムはこれを着ている子が多いらしい。

 

ルームフレグランス

ここの所何回かこのディフューザーに入れておくだけのやつを買っています。値段が手頃で地味な容器に移し替えられるのが気に入っているけど、減りがめちゃ早い。香りにも飽きたし違うメーカーを検討しようかな。

ティーキャンドル

毎晩じゃないけど夜は薄暗くしてロウソクをつけるのが好き。傍から見ると怪しいけど(; ̄Д ̄)これは消した時のススが多いので次は買わないかなー。

 

ホホバオイル

髪につけるオイルはさらっとしていてこれが一番好き。気に入ったので大容量を買ってみた。ポンプ式はいいね!

 

ソファベンチセット

デザインがかわいくて前から気になっていたので。昼寝できるデイベッドを探していたら、こんなところにお手頃価格のものが!気軽にカバーを洗えそうなのも良い。

使ってみてしばらく経ったけど、寝られることとかシンプルで部屋に馴染みやすいとかは予想通り。予想外だったのは「子供に人気があること」。娘もすぐ気に入って定位置になったし、お友達が遊びに来ると遊具のようにみんな乗って遊んでた。色が派手だし安定性があるからなのか。これは本当に買ってよかった^@^

 

ついでにコレも

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前から欲しかったPUUF。IDEEと無印のコラボ品で、人をダメにするソファの丸いバージョンみたいなの。おまんじゅうみたいでカワイイ。ソファベンチがほとんどクッション性が無いので、コレを乗せて頭や腰に当てると良い感じ。オンラインにはないけど、ちゃんと無印で買えて、無印のポイントが付きましたよん。また買い足す予定。

 

ボックスシーツ

オンライン売り切れだけど店にはありました。Q白。無印のシーツは肌触りが良くて本当に好きなんだけど、濃グレー系があるともっといいな。今は淡ブルー系やベージュ・ブラウン系が多い感じ。日本は淡い色の木のフローリングや畳が多いので、この辺りの色が合わせやすいってことなんだろうな。床が白やモルタルのグレーになると、グレー系の寝具がかっこいいんだけどなー。

 

あとはオンラインストアには見つけられなかったけど、段ボールを組み立ててA4が入るボックスになるやつとか、わけありの大容量するめシートとか^^;

今回は雑多なものも色々と買ってみました。するめは美味しくて娘もハマりました。無印週間は関係なくなるけど、絵本も数冊。段ボール収納は置くところが無くなってきた絵本を入れるためだったのでした。

 

おしまい。

 

 

最近読んだ絵本:「3びきのこぶた~建築家の場合~」

3びきのこぶた ~建築家のばあい~ 

デザイン系の絵本はついつい買ってしまいます。これは3匹のこぶたがそれぞれ建築家のフランク・ゲーリー、フィリップ・ジョンソン、フランクLライトだったら…という話。

 

フランクゲーリーとは?

見たことある人、多いんじゃないでしょうか。3人の中で唯一ご存命な建築家。こういう波打った表現を多用する。

FRANK GEHRY RECENT PROJECT

最近「世の中の98%の建築はクソだ」と言って話題になったりしていました。

Building Art: The Life and Work of Frank Gehry

この絵本の中では1番目のこぶた役です。なんせ初期につくった自邸はおよそ建材とは思えないようなものを適当にくっつけたように見えるんですからね。絵本では「スクラップでつくった」「オオカミにプーと吹き飛ばされた」と書いてあります。

 

フィリップ・ジョンソンとは?

モダニズム建築を代表する一人。絵本に出てくる彼の自邸「ガラスの家」は、本当にコンクリートの門枠にガラスを貼ってあるだけのとてもシンプルなデザインです。私が好きなやつ^p^げへへ

フィリップ・ジョンソン作品集  a+u 1979年6月臨時増刊 (a+u 建築と都市)

丸メガネが特徴的なこの方は、資産家でありプリツカー賞初代受賞者でもあります。

Philip Johnson: The Architect in His Own Words

絵本の中では2番目のこぶた。ガラスの家も「オオカミにプーと吹き飛ばされ」粉々に砕けてしまいました。

 

フランク・L・ライトとは?

近代建築の3大巨匠のひとり。デザインの特徴は…なんか色んな感じがあるんですよね…。有機的な形や文様が特徴的だけど、直線的なのも多い。あとは日本的な大きな屋根や解放感、それから光の取り入れ方の特徴(間接光を回り込ませたりとか)などがあります。

ポスター フランク ロイド ライト 落水荘

いまウィキを見てて衝撃を受けたんですが、2番目の奥さんと子供たちと弟子を斧で惨殺されたらしい…!なにそれ!

Frank Lloyd Wright: The Life and Buildings of America’s Most Famous Architect (English Edition)

絵本の中では、落水荘を建ててオオカミをぎゃふんと言わせています。

 

絵がなかなかよくて、こぶたに扮した建築家の姿が可愛らしく味があります。調度品がいちいち有名な作品だったりするのも面白いし、オオカミが乗っているバイクはスタルクのデザインだったり、遠景の木がそれぞれの建築家のパースに書かれる木だったりと細かいところまで書き込んであります。

話の内容は3びきの子豚そのまんまなので特に面白いとかは無いんですが、子供は子供で楽しめるし親もこういうのが好きだったら楽しいかも。

左からP.ジョンソン、ゲーリー、ライトね。ゲーリーが似ていないような気がする?

3びきのこぶた ~建築家のばあい~

3びきのこぶた ~建築家のばあい~

  • 作者: スティーブン・グアルナッチャ,まきおはるき
  • 出版社/メーカー: バナナブックス
  • 発売日: 2013/04/05
  • メディア: 大型本
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他にもおすすめなデザイン系絵本は…

365まいにちペンギン

365まいにちペンギン

365まいにちペンギン

  • 作者: ジャン=リュックフロマンタル,ジョエルジョリヴェ,Jean‐Luc Fromental,Jo¨elle Jolivet,石津ちひろ
  • 出版社/メーカー: ブロンズ新社
  • 発売日: 2006/12
  • メディア: 大型本
  • クリック: 6回
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一見関係なさそうですが、実はこの絵本に出てくる家族の家はデザイン家具だらけ。なんでなのかは不明ですが、描いている人が好きなんだろうな。話も面白いので超お勧め。内容は小学校中くらいまでかな。

 

物語のある家

物語のある家 (くうねるところにすむところ―子どもたちに伝えたい家の本)

物語のある家 (くうねるところにすむところ―子どもたちに伝えたい家の本)

 

SANAAの梅林の家ができるまでの絵本。絵本にする気が全くないところがステキ。でもなぜかうちの子には人気があります。

 

家の? 

家の? (くうねるところにすむところ 子どもたちに伝えたい家の本)

家の? (くうねるところにすむところ 子どもたちに伝えたい家の本)

 

青木淳さんの空想の家の絵本。絵本にしようとする意志をひしひしと感じつつも、子供には難しすぎて何が何やら…という感じかもしれない。うちの子人気はあまりないです。

 

 

ストレイト・アウタ・コンプトン(2015年、アメリカ)

【Amazon.co.jp限定】ストレイト・アウタ・コンプトン ブルーレイ スチール・ブック [Blu-ray]

 

アメリカのラップ文化を大きく変えたN.W.A.というグループと、そのリーダーであるeasy e、ドクタードレー、アイス・キューブなどを描いた伝記的映画でした。NWAとはnigger with attitudeの略で、「意見ある黒人」と訳すのかな?1980年代の抑圧されていた黒人が、その怒りをラップに乗せて歌うというスタイルで一躍時代の寵児となる話です。

監督はF・ゲイリー・グレイで、過去作だと「ミニミニ大作戦」しか見たことなかったなあ。文字通りミニクーパーが大活躍する映画でしたが、内容はあんまり覚えてません。この方は元々ドクター・ドレーやアイス・キューブなどのミュージック・ビデオをつくっていたようです。そうそう、beatsというヘッドフォンを会社で使ってるんだけど、これはドクタードレーの会社のものだったらしい。私のヘッドフォンのルーツにラップがあったとは!

Beatsってこういうの 

 

黒人+音楽の伝記映画だとRayやbirdの方がお勧めしたいし、グループものだとジャージー・ボーイズの方が断然面白く感じました。ラップというジャンルが好みじゃないから?とも思ったけど、ジャージー・ボーイズも興味のあるジャンルとは言えないしなー。人種差別が根っこにあるんだけど、映画のテーマとしては社会派という感じでもないです。20そこそこから31歳くらいまでの話であり、若者たちの青春サクセスストーリーっぽくも感じられました。ずっと抑圧されてきたし環境のせいとはいえ、本人たちがかなりのワルというのもなんだかなー。史実は史実だから、そこをあれこれ考えても仕方ないのですが。

 

そんなわけで、普通に面白いしいい映画だと思ったけど、おすすめというほどではないです。ラップやヒップホップが好きな方だとめちゃくちゃハマるかも。

 

音楽グループ系伝記つながりでいえば、今年はロン・ハワード監督によるビートルズの伝記映画が公開されるそうです。これは見たい!


3歳娘のピアノレッスン現状

 

もう半年以上経つのでだいぶできることが増えてきたのですが、なんとまだピアノにはほぼ触っていません。それより前にやることがこんなにあるとは。今は覚えている和音を増やしたり、8分音符や全休符など音の長さを覚えたり、白譜に音符を書いていったり、指を個別に意識して動かしたりなどやっています。教え方がとても良くできていて、音の大きさや音色を形で表したり、音の長さをリンゴや動物の鳴き声で表したり、和音を色で表したりなどで、大人でもそのまま教えられたら難しく感じることを2・3歳の娘がすんなり理解するので驚き。他にもアルファベットや数字、ひらがなも必要なのでピアノらしからぬドリルも出されます。

 

レッスンは週1で2時間程度とめちゃ長いのですが、「遊びながら、集中力が高まった時にすかさず教える」という先生のやり方らしいです。こうすると、確かにレッスンを楽しみできるし、確実にその週でやりたいことが全部できます。その代りレッスン料がヤマハなどよりかなり高い。

 

1年くらいすると適当に「ジャーン!」と鍵盤を叩くと音が全部当てられるようになり、人前で簡単な曲が弾けるようになると言われたんですが、ほんまかいな!?娘は目で見る情報(楽譜とか)は得意なのですが、音当てはてんで苦手です。はてさて。

 

家で宿題をやっていて「今日はこれでおしまい」というと泣くほどには好きみたいなんで、就学前はもうしばらくこの先生で続けてみようかなと思います。今週からようやくピアノを触ります。良かったね^@^