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お嬢さん(2016年、韓国)

The Handmaiden

「なんだこれ、ポルノ映画やないか(唖然)」からの「けっこういい話でビックリ」、さらに「構成が良くできていてビックリ」という一粒で何度も驚かされる作品。どこかで絶賛されていたと思うのでウェイティングリストに入れたものの、届いたころには何で注文したのか忘れているのでたまにこういうことがある。フェティッシュな変態度がかなり高いため見る人を選ぶが、おすすめ。完全にネタバレ厳禁系。

 

 

 

 

 

 

 

 

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日本占領下の韓国で、日本に憧れて日本人になろうとする変態親父と彼に変態教育を仕込まれた美少女孤児、そして泥棒の娘の百合映画である。この設定だけでお腹いっぱいなんだけど、「羅生門」方式の3部構成がまた良くできていて見続けられてしまう。ストーリーの主軸は虐待されて育った少女の解放の話であり、後半にやっと明らかになる。解放された少女たちの姿が清々しく、読後感が爽やかなのがまたびっくりだ。

映像がスタイリッシュで細部までよくできており、日本では到底できない完成度の高い映像美だった。

しいて言えば、ここまで気持ち悪い世界を作り上げて、その中でいたいけな少女を徹底的にいじめた上で開放するのはなんかやだわ、と思ったり。虐待の様子が割とダイレクトに描かれるため、嫌悪感がすさまじい。

人魚姫(2016年、中国・香港)

人魚姫 [DVD]

 

現代中国を舞台に、人知れず暮らしていた人魚が開発によって生存の危機に遭い、開発を進めていた会社の社長を誘惑して仕返しをしようとする。

これでもかとコテコテなストーリーにコテコテな演出を重ねていくスタイルなんだけど、想像内の一歩向こうくらいの驚きや楽しさがあり、映画の楽しさが詰め込まれている作品だと思う。素朴な人魚ちゃんがゲス野郎の社長を改心させるなど、もうこの話何度目――!というような展開なのに思わずホロリ。

それは、素朴な少女の本物の素朴さとか(オーディションで選ばれた新人らしく、かわいいんだけど割とマジで素朴な顔をしている)、ゴミゴミした民家や屋台のリアルな汚らしさとか、傷ついた人魚たちのゾッとするようなビジュアルとか、そういう細かいリアリティーの賜物。全篇コミカルなのに残虐レベルがけっこう高くて、子供が見たらショックを受けそうな感じだ。テーマがテーマなので、きちんとそういうことを「痛そうに描く」ということを徹底しているは、むしろ好感が持てた。

特筆すべきはCGのしょぼさで、ここまで突き抜けるとむしろ「ファンタジーはファンタジーなのだ」と妙に納得させられる。

何者(2016年、日本)

何者

就活に奮闘する若者たちの話。

かなり狭い世界のことを描いている上に、人物たちがあまり魅力的ではないためけっこうツラい。特に主人公は、言い訳がましい上に自己演出力がないという救えないキャラクターでイライラさせられること間違いなしだ。


学生から社会人になる「何者でもない」微妙な時期のよりどころのなさは分からないでもなかったが、就活があまりに抽象化されていて課題がよく分からない。面接官とのやり取りとか、せめてOB訪問やインターンでも描いたら人物やストーリーが厚くなりそうなんだけど、通り一遍のテストと面接シーンの繰り返しで何と戦っているのか良く分からない。


仲間数人で集まっているシーンが多いのだけど、常に気まずい雰囲気が流れていて「君たち本当に仲いいの?」と突っ込みたくなる。相手の話を遮ったり、無視したりする意図的な切り替えが多用されすぎだと思う。自分だったらこのグループには顔を出したくないかも。

ん、もしかして、プリンタを借りにいってるだけなのか。そうか…。

 

怒り(2016年、日本)

怒り

「悪人」が好きなので観てみた。大作だし、主役級俳優が集まってそれぞれに熱演しているのでかなり密度のある映画。終盤になると上の写真に並んでいる人物ほぼ全員が怒鳴って号泣するのでちょっと暑苦しいが、別の3つのストーリーがそれぞれに起承転結があり、最終的に泣き叫ぶのでしょうがないのかも。3つのストーリーのテーマがぜんぜん違って、それぞれに面白かった。ひとつずつでも十分映画になるような内容なのだ。

いかによく分からない存在を受け入れて、信じることができるかという共通のテーマはあるんだけど、うちひとつは本物の悪人なのでバッドエンドにならざるを得ず、ちょっと変わった群像劇となっている。まるでハズレくじがあるみたいだ。

 

以下ネタばれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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登場人物の描かれ方がみんな丁寧でとても良い。エリートゲイも田舎町の親父もただただリアルで、におって来るような存在感がある。中でも印象的だったのは沖縄の少年を演じている佐久本宝で、無名の新人らしい。憧れのお兄さんに見せるちょっと媚びたような表情や、裏切られたことに気づく表情などかなりリアルだった。ポスターに載っていないのが残念だ。

 

個人的にはかわいいかわいい広瀬すずちゃんがひどい目に遭うのがショックで、娘をもつ身としてはつらく忘れられないシーン。沖縄篇は風景が美しく唯一のどかな雰囲気が漂っているので、なんかあるとしたらここだよなーと思ったり。


森山未来演じる犯人は最初の反抗が突発的で自分のしたことが分かっていないように描かれていて、広瀬すずちゃんに起こったことも彼のせいかどうかは分からない。広瀬すずちゃんを誘導したようには描かれていないし、たまたまだろう。怒りを溜め込んで突然関係ないタイミングでキレており、計画性はなさそう。そして、2回目にキレた理由は、本当に広瀬すずちゃんのことを救えなかったからだと感じた。最後は佐久本に殺されるのを座して待っており、これは自殺のようなものなんだろうなと思った。

父を探して(2013年、ブラジル)

父を探して [Blu-ray]

全編せりふなしのアニメーション。具体的な事象を描くというよりは、水彩画で描いたイメージの中を「ニャッキ」のようなキャラクターが冒険する意欲的な作品。メッセージはかなり社会的で、テーマは抑圧され搾取される民衆、環境破壊など。

現実に起こっていることに寄り添うようなストーリーで、いわゆるお話的なカタルシスがない。そこが合わないと物足りなく感じるかもしれないが、音楽や映像の面白さがあり、実際にひとつの人生を生きたような感覚があり、世界観が大きく豊かな作品だと思う。

 

牧歌的だが恐怖がすぐそこにあるような感じがする少年時代、禍々しい機械のような都会の片隅で缶詰を食べて生きる若者時代、民衆の怒りがうねりになって燃え上がり、落とされる様子、どれも素晴らしく忘れられない映像になった。いつの間にか年をとった少年と、壊れた家の描写はかなり重い。

 

4歳の娘がアニメだと思って一緒に見始めたんだけど、意外とはまって最後まで見ていた。面白かったらしい。

マダム・フローレンス!夢見るふたり(2016年、イギリス)

マダム・フローレンス! 夢見るふたり(字幕版)

評判が良いようなので観てみた。

わたしにはあまり合わなかった。

 

クラシック音楽業界に多大な援助をしている資産家の女性と、彼女を支える夫の話。

女性は言わばカモにされていて、夫は妻からカネをうまく引き出すために四苦八苦。女性は周りに乗せられて自分が才能あるオペラ歌手だと思い込み、夫は聴衆を買収してなんとか演奏会を成立させる。ところが、妻の暴走により一般客相手に、しかもカーネギーホールで演奏会をすることになり…。

 

彼女のかわいそうな境遇とか、夫のズルさの本質にある意外とピュアな愛などジーンとくる。メリル・ストリープはめちゃくちゃうまいし、ヒュー・グラントははまり役だった。

ただ、作中でも言われてることではあるんだけど、彼女がやっていることは音楽に対する冒涜だし、お金持ちの遊びに付き合わされる人々の奮闘というのは、コミカルに描かれていて楽しくはあっても構図的には楽しくない。それなのに構造的には後半かなり強くいい話に持っていくため、いびつに感じた。この話のメリル・ストリープは可哀想過ぎて、弱いものいじめみたいな話になってしまっている。真実を知ってショックを受けて死ぬという終わり方はさすがにキツく、史実でもない。最後までジャイアンのリサイタルみたいな話のまま終わっていたほうが、すっきりした。

 

ただの愚痴と、現実逃避

最近いろいろあって仕事が忙しく、

そのうえ忙しい原因となっていることが評価に関係ない、ときている。

逃げたい気持ちでいっぱいです。

 

夫は言いました。「自分のためにではなく、人のために仕事をするときが来た」と。

でも私は思うのです、最初から人のために仕事してきたと。

その結果として成果があり、評価があったのです。

 

 

新人さんよ、早く巣立ってくれ。

 

 

仕事が軌道に乗ってきたと思ったら、こういう仕事が降ってくるんだな、と…。なるほど仕組みは分かるが…。

毎日憂鬱。

会社に行きたくなくなったのは人生初めてです。

 

 

はい。

愚痴終わり。

終わりーっ!

 

 

現実逃避のほうですが、マリオ・ボッタのセコンダという椅子を買いました^O^

こういうの

MAKK - Seconda chair by Mario Botta

買ったのは手すりなしバージョン。

スパイラルにもたくさん並んでます。

真横から見ると正方形と正円が並び、とても美しい。

座面のパンチングメタルはかなりたわむので、座った瞬間は見た目によらずかなりソフトです。

 

こういう工業製品ぽい幾何学的なデザインが好きです。

似た系統でこういう照明を愛用しているのですが

FLOS Frisbi(フリスビー)

明かりを一度円盤に当てるので、光がきれい。

UFO??

 

もう一台買いたいなー、

でも狭いマンションで存在感ありすぎかなーと悩み中でして、

 

この左側のtoioのほうがいいかも?

frisbiと同じく、カスティリオーニのデザイン。

Castiglioni Studio Visit

全体像はこんな感じ。ついているのは自動車のランプらしく、照度強めらしいです。

FLOS Toio(トイオ)(ホワイト)

問題は実物を見たことがないということです。どこかに置いてないかな。

 

雰囲気はfrisbiのほうが好きですが、frisbiはちょっと暗いので補助でスポットライトも必要だしなー、

来月には決めよ。

 

 

以上、ただの愚痴と現実逃避でした。