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建物の写真を撮っていて気づいた片付けのコツ

 

先日、建築写真を撮りにいきました。

建築写真は、建築専門の写真家がいるくらい独特の世界でもあります。基本的に2点透視図法の絵のように撮るので、レンズのせいでできる垂直方向のひずみはフォトショップで補正したり…でも今日はその話ではなく、撮影準備がめっちゃくちゃ大変という話です(*_*)

 

メディアに載るような建物にはモノがほとんどない

新建築 住宅特集 2014年 11月号 [雑誌]

上の写真は、住宅の建築写真がたくさん載った「住宅特集」という雑誌なのですが…表紙の写真を見ると分かるように、設計士が決めた家具以外、本当にな~んにもありません。でも、住宅はもちろんのこと商業施設でも公共施設でもきれいな家具以外何もないなんてことはありえないので、この状態まで持っていくのには年末の大掃除を越えた大掃除が必要になります

後から入れた家具類、レジ周りの雑多なもの、小さい張り紙、消火器、そして開店祝いの大量の胡蝶蘭…とりわけ胡蝶蘭は傷みやすいし重いし格納するスペースも広めに必要なのでかなりツライ思いをします。全部撤去したら、今度は床と棚の掃除です。ガラスも汚れていれば拭いて、絨毯の毛並みを揃えます。掃除が終わったらやっとカメラの準備。ここまでで撮影の3分の1が終わったと言っても過言ではない…。

ここまでしないこともあるだろうし、竣工したばかりで綺麗な場合はこれほど手間がかかりません。なぜここまで徹底してモノをなくし、綺麗にするかというと「情報量を減らすため」です。建築物がつくるラインと陰影以外の情報が増えると、そちらに目が行ってしまうのです。

 

他にもこんな雑音がある

撮影が始まっても、まだ片づけが続きます。ファインダー越しに見ると、鏡に写りこむ看板の端、コンセントに刺さった黒いコード、家具の濃い陰などが雑音となっていることに気づきます。さらには、照明の色温度が空間に合っていないことに気づいたり、ドアを閉めたほうが良いことに気づいたり。こうしてみると、メディアに登場するような建物・インテリアはかなり情報量をそぎ落とした空間であることが分かります。

 

インテリアづくりの第一歩はモノを減らすこと

建築そのものを撮る建築の撮影と、インテリアは同じには語れないかもしれませんが、変わらないのは「モノは基本的に空間の雑音になる」ということだと思いました。まずモノを減らした上で、空間を良くしてくれるものだけ吟味して加えていくということです。写真に撮ってみて初めて気づくこともたくさんあります。


そんなわけで、手前味噌ではありますが「初見できれいに見える片付けのコツ」というものが何となく分かってきました。実践している掃除方法はこちらに書いています。だいたい似たようなことを書いています。 結構ちょっとしたことで、きれいそうに見える部屋というのは実現できそうです。