MENU

KUBO/クボ 二本の弦の秘密(2017年、アメリカ)

KUBO/クボ 二本の弦の秘密 [DVD]

わたしにはあまり面白くなかった。

このようななめらかな映像をストップモーションで作るのは大変だったろうと思う。実際とてつもない時間がかかっているようだ。ただ、映像が滑らかで背景がCGっぽだけに、人物の紙人形っぽいカサカサした質感や色の暗さが対比的で不気味。月から来た双子の姉妹がむちゃくちゃ怖い。暗い中からぞわぞわぞわ…っと忍び寄る感じは、まさに日本のホラーといった趣き。娘の感想が「怖い」しか言っていなかったので後悔した…。

 

ストーリーは定番と言っていい感じだったと思う。

ラストは月の帝が記憶をなくし、村人が良い記憶を埋め込ませることでなんとなく共生していけるようにするのだが、娘は「なんでおじいちゃんが悪いことをしたのに、いい人だというウソを言われたのか」というのが分からなかったらしい。私もうまく説明できない。「許す」「転生する」というテーマもあったのだろうけど、心が狭い大人なので、目を奪われ、村を焼かれ、父母と村人を殺されて、ノータイムで許すというのがしんどかった。本気なの…?と思ってしまった。記憶を無くそうが、改心しようが、こんなお爺さんと一緒に住むのは絶対に嫌だ。

 

冒頭の紙細工が宙を舞うシーンはよかった。暗い森に囲まれた小さい村の質感も良かった。紙でできた小さい侍はかわいかったし、猿とカブトムシのやり取りも心温まる。カブトムシパパがモンスターズインクにでも出て来そうなキャラクターなのには笑ってしまった。あんな父ちゃん、昔の日本にいないだろう。