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モリーズ・ゲーム(2017年、アメリカ)

モリーズ・ゲーム(字幕版)

オリンピック選手で、ケガをきっかけに賭博師になっていく女性の実話を基にした映画。この方の自叙伝がアメリカでベストセラーになっていたらしく、アメリカではけっこう人気のあった映画みたい。主演はジェシカ・チャスティン。「強くて賢くセクシーな非武闘系の女性」といえばジェシカ・チャスティンになっている感じがする。

同じくチャスティン主演の「女神の見えざる手」にかなり似ている映画なのだけど、「女神の見えざる手」の方が面白い。モリーズ・ゲームはご都合主義的な展開が多くて実話なのに嘘くさいし、モリーの偽善的な感じがあまり好きになれなかった。打算的で常に勝ちに行く人物なのに、ちょくちょく人の良さをイメージさせるエピソードが出てくるのでちょっと乗れなかった。「女神の見えざる手」の、徹底的に勝利を追及する人間味のない人が、人間のことを誰より理解していたり、最後の最後に人間臭い一面を見せたりするほうが個人的には好き。

 

しかし、後の方になってがぜん好きになってしまった。

実は、最後に冒頭のシーンに戻る。ジャンプに失敗し、死んだように倒れた状態から、父親に声をかけられてなんとか立ち上がり歩き出す。ただそれだけなのだけど、なんとも良いシーン。ただ強い女性というだけでなく、どことなくいじらしいような、可愛いような気がしたのだった。

 

お勧めかというと、とても長いし微妙なところ。ジェシカ・チャスティンのこれ系(これ系でいいのか?)なら「女神の見えざる手」が抜群に面白いし、「ゼロダークサーティ」もいい。