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ディープ・インパクト(1998年アメリカ)

ディープ・インパクト [DVD]

 

人間ドラマが中心のディザスター映画

「2012」は人間の描かれ方が雑に感じられ、どうしても好きになれなかったのですが、「ディープ・インパクト」はそのあたりが美談過ぎず丁寧に描かれていて感動的でした。それもそのはず、「ペイ・フォワード」と同じミミ・レダー監督なのです。2012と同じくたくさんの人が亡くなる映画ですが、それぞれの人生の選択にドラマがあり、自分だったらどうするだろうと色々考えてしまいました。特に、女性キャスターの離婚した両親のエピソードがリアルで泣いてしまいました。感じ方は色々なので、これでも「天災を悪趣味に描いている」と思われる方もいるかもしれませんが…。

 

ドキュメンタリーの方が怖い

実は、「311 Japan Tsunami」というナショジオのドキュメンタリーを見た後に続けてみました。どちらもアマゾン・プライムで。映画よりもドキュメンタリーの方がよほど怖いですね。なぜか考えたのですが、「2012」しかり「アルマゲドン」しかり、災害の大きさを示すために俯瞰の映像が多くなってしまうことにあるのではないかと。冷静に災害の全貌が見えてしまうことよりも、主観で撮ったグラグラの映像、映っていなくとも恐怖で笑い出す人の声などの断片的な映像の方がよほど怖いようです。そういう意味では、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」の手法でディザスターを描いた「クローバーフィールド」の取り組みはまだまだ可能性があるんだろうな。

 

なぜディザスター映画を観るか

こういう映画を、実際に地震が起こっている国でエンタメとして消費するのはある意味悪趣味だと思っています。自分でも震災を経験したので、もっとひどい災害に遭ったらとても見られなくなってしまうだろう、とも。それでも見たくなってしまうのは、「恐怖の正体を見てみたい」という欲望があるからだと思います。他のどんなことにも当てはまるかもしれません。被災してる方を自宅に受け入れたり、ボランティアに赴いたりした方がよほど建設的ですが、そちらは現状やれていないところに自分のイヤな部分があります。物資やお金を送ったり、被災地への会社の取り組みに参加したりはしますが、それで精いっぱい。