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木にむした苔を閉じ込めた棚

 

京都のお寺さんに行くと、よく手入れされた瑞々しい苔が美しいなあと思います。苔はよく見るとミニチュアの木のような形をしていたりするんですよね。重森三玲の庭を見に行った時、小山に苔が茂っているので、巨大な山かのように見えてはっとしました。

そんな見れば見るほど味わい深い苔の美しさを、永遠に封じ込めてしまったのがこの棚。

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ちょっと控えめ?青いままの苔を、アクリルで固めています。3枚重ねた棚よりも、厚手の一枚板のテーブルでシンプルに表現してもいいかもと思ました。

 

この棚を作ったalcarolは、Andrea Forti氏とEleonora Dal Farra氏によるイギリスのデザインユニットだそうです。他にも色々な木をアクリルに閉じ込めた作品を作っているみたい。水の中で腐った木や、カビているものも。生物標本みたいで面白い。

VIA:alcarol explores the potential for moss and lichens to create furniture

 

 

アクリルに植物を閉じ込めた家具だと、倉俣四郎さんを思い出します。バラが閉じ込められた"Miss Blanche"。右クリック検索でも、下記のまとめからでも見られます


夢の中のデザイン!伝説のデザイナー【倉俣史郎】の凄さ! - NAVER まとめ

(ただしこちらは造花)

アクリルに植物を閉じ込めるのは、相当神経を使う作業でしょうね~。植物の気泡も水分も極力なくして、液状のアクリルの中で、置きたい場所にそーっと置く。液状のアクリルって熱いんだろうか。Miss Blancheだと70キロくらいのアクリルの塊になるみたいですが、硬化時間はどのくらいなんだろう。また、もっと繊細なタンポポの綿毛の作品や、羽の浮いた椅子もあります。一体どうやっているのだろう!名作の裏には、それを実現させた優秀な施工会社が必ず存在するようです。イノベーターと実践者の組み合わせが、革新的なデザインを作ってきたんですね。倉俣さんだと、施工会社イシマルが知られています。

また、アクリルは傷がつきやすく欠けやすいので、日常使いは向かないかも。そもそも重すぎるし…。プロダクトというよりは、まさにアート作品。

 

 

その他、「木を活かしたプロダクト」の記事:

「手作業で作っている」ということに気付くと、これらの製品も相当に神経を張り巡らせて作られていることが分かります。思わず拝みたくなっちゃいました(-人-)なーむー


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