最近観て面白かった映画。最近映画の感想文が長くなり過ぎるので、今回はネタバレなしで簡潔にしてみた。1作あたり500文字程度に抑えたよ!
アニメ
ベイマックス
14歳の天才ロボット工学少年・ヒロと、彼のお兄さんが作った救命ロボ・ベイマックスとの心温まるヒーローアニメ。サンフランシスコと東京を合わせたような未来都市・サンフランソーキョーの未来感あふれる描写が素晴らしかった。骨格はサンフランシスコっぽいんだけど、ビジュアル細部、色合い、モチーフなどに東京の味付けがされていて味わい深い。有能なプーさんのようなベイマックスが文句なしに可愛いし、ヒロとベイマックスの心の交流が一つの芯になっているんだけど…原題は"big hero 6"で、実はベイマックスを含めた「ヒロの仲間たち6人」がファンタスティック・フォーばりの個性的なヒーローに扮する話なのだ。しかしまあ、ヒロの天才ぶり・有能ぶりが際立ちすぎて、他のヒーローたちはそれほど目立たない。ヒロはロボット工学の知見も造形センスもすごく、3Dプリンタがあれば何でもできる。また、主人公兄弟も含めて、なんとなく日本ぽさがあちこちに見られる作品。アニメに詳しい方だったらもっと色々見つけられそうです。よくできた作品で面白かった。
ホートン/ふしぎな世界のダレダーレ
全く知らなかったし全くマークしてなかったんだけど、これめちゃめちゃ個性的で面白いアニメでした。アマゾンプライムでタダで見ちゃいました。ドクタースースの絵本をベースとしており、彼の作品らしい視点のユニークさと奇想天外さがあります。象のホートンはアマゾンみたいな深い森で平和に暮らしているんだけど、ある日どこからか声が聞こえます。声の主を探すと、小さなホコリからみたい。実は、このホコリの中には小さな王国があったのです!ホートンは王国を守るためにホコリを静かなところに運ぼうとするんだけど、「見えないほど小さな王国が存在するなんて馬鹿げている!」と信じたい森の仲間たちに阻まれる。はたして…?!という話。小さな王国(ダレダーレ国)の市長とホートンとの「声だけ」の交流が軸になっていて、見事なCGによりそれぞれの世界観がつながっています。ホートンが受ける迫害はまさに地動説みたいな話で、全く新しい発想や目に見えない事実を人がどう受け止めるかという話なんですね~。かといって説教臭さは全くない、シンプルで魅力的なファンタジーです。
伝記映画
スティーブ・ジョブズ
これもアマゾンプライム作品でした。っていうか今回ほとんどそれだ 笑 個人的にはマックファンではないし(アンチでもないですが)ベストセラーの伝記も読んでいないので、全く何も知らずに鑑賞しました。これは「博士と彼女のセオリー」を見た時も感じたんだけど、技術的なことを描かすに人間模様中心に偉人の姿を浮かび上がらせようとしているので、「そこ」の部分はかなり拍子抜けします。技術的なことって、よっぽど映像化するのが難しいんだろうなあ。ましてやホーキング博士は人物的に魅力的だしジェーンとの関係も様々なテーマを含んでいたので良い作品になったと思うのですが、どうやらジョブズさんはとても嫌な奴なようで、しかも周りの人間との関係性もほぼ「切った張った」の世界で読後感の悪さは否めません。とはいえ世の中をまさにリアルタイムで大きく変えて、ある種カルトにまでなった人物の強烈さはなかなか面白かったです。でも、ジョブズに詳しい人にはちょっと物足りないのかなあ。
イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密
これも偉人モノ。これは非の打ちどころがない面白い映画でしたよ。劇場で見たかったけど、思ったほどメジャー作扱いではなく気づけば見られなくなっていたので微妙だったのかな?と思ったら、全くそんなことはありませんでした。何を書いてもネタバレになりそうなので何も書けませんが、無駄な人物が、シークエンスが、全くないんですよ!エニグマのこともパソコンのことも、っていうか算数のことも苦手な私ですが、この映画が大変計算された、緻密なものだということだけは分かっちゃいましたよ。一人一人の人物に役割があり、それぞれの魅力と限界があり、謀略があり、そういうことを全くわからない主人公が心をすり減らしながら最大公約数の正しいことをしようとする姿に泣けてきます。キーラ・ナイトレイが演じる進歩的な女性の姿も大変魅力的でした。あのシーンであんなことを言えたのは快哉!という感じでしたね~。なんかこの文章イライラしますね。だってネタバレせずに書くの難しいんですよ。。
グロ・ゴア描写あり
ホーリーマウンテン
奇才ホドロフスキー監督のカルト的映画です。1973年。これはですね~、臭いしキモイしエグイし、サイケデリックなところもあり、宗教あり(チベット密教混じり?)、社会風刺あり、映画風刺あり、な難作ですよ。私は信じてたんですよ。ホドロフスキー監督がインタビューで「エル・ポトでウサギを大量に殺したのは後悔している。あれは間違っていた。」と言っていたのを。その後「リアリティのダンス」を見て、魚が大量死しているのを見て「ま、まあ魚だしな(よく分からない納得)」と思い。でも、「ホーリーマウンテン」はさらに悪化しているんですよ!最初はカエルとイグアナ(?)が爆破されていて、「え、、、」と思うと、中盤で犬の死体が出てくるんですよ!!殺すシーンはないものの、かなり残酷な姿で「話が違うやないかい!」と怒りに震えました。出来た順番はエルトポ→ホーリーマウンテン→だいぶ経って…→リアリティのダンス なので、生涯を振り返って「動物を殺したのは間違っていた。」とインタビューで答えたということなのですがね。まあそんな映画です。やっていることが奇怪すぎて笑えてくる作品です。今まで観たので一番奇怪だったな。いくつかホドロフスキー作品を観ると、いつも同じモチーフで同じメッセージを発しているんだなという案外普通の映画監督としてのあり方が見えてきます。上記の内容が問題なく、普通じゃないものが観たい人には最適です。
宇宙戦争
宇宙人が地球を征服しにやってきて、その混乱の中を逃げ回るトムクルーズ&ダコタファミング親子。これもアマゾンプライム。あまり評判がよくない作品だったような気がする…と思いながらなんとなく見ていたんだけど、けっこう面白かった。こういうディザスターっぽい映画でこれだけ身に染みてリアルな「恐怖」を描いているのはすごいんじゃないかな。破壊と殺戮描写もさることながら、何より心理描写がウマイ。ダコタファニングがすごすぎてトムがかすむ!みたいな話もみていたけど、いやいやトムさんもかなりの恐怖を表現していましたよ。いつもインポッシブルなミッションを恐れずにこなすことに定評があるトムクルーズさんですが、それだけに「冴えないダメ親父で肉体労働者」という役回りは最初少し違和感がありました。ワルい仲間とつるんでいる姿がなんだか浮いている…。でも、だんだん家族を守るために奮起する姿が中心になってきて違和感が減っていく感じです。まあでも、ずーっと怖いだけであまりスカッとはしない。圧倒的な絶望感と、あっけないラストはちょっとミストぽい?いずれにせよ大作でした。
ほっこりいい話
フル・モンティ
これもアマゾンプライムで!笑 イギリスの労働者階級の男たちが、職を追われて困窮。一度きりの「男のストリップ」をしてひと儲けしようという話。老いた母を持ちながら困窮して自殺しようとしたり、親権を奪われそうになったりと結構シリアスな状況なのですが、一貫してコメディタッチです。貧しさを笑い飛ばそうとするように、文字通り裸一貫になる男たち。笑って泣けるいい話でした。特に何も解決していなかったりはするんだけど、裸一貫になった男たちが「これからなんだってできるんだ」という未来を感じさせる、爽やかなラストでした。
ジュノ
これもアマゾンプライムで見ましたよ~ん。16歳で妊娠してしまい、出産することになった女の子の話。想像していたのよりずっといい話で、様々なテーマを感じました。子供を産んだことがあるからなおさらかもしれません。ジュノは最初「おろしちゃえ」と気軽な感じなんだけど、徐々に子供のために前向きになっていきます。相手役の男の子も、まじめな普通の子なんですよね。ジュノも彼氏もまだ高校生なのに、どうしてこんなに自分を持っていてなんとなく正しいことが分かっちゃうんだ!そして、不妊症の夫婦が出てきたり、継母が良い人だったり、父親がさばけたいいオヤジだったりともう色んな人が見て共感して怒って泣ける映画だと思いました。余談ですが、スティーブジョブズの上司役で出てくる人がジュノのお父さんと同じ人で、そこも笑えてしょうがなかったです(全く無関係な笑い)。コミカルでちょっとダサく、でも人間味あふれる良い雰囲気に包まれていて、どことなく「リトルミスサンシャイン」を思い出しました。
以上!アマゾンプライムにも面白い作品がたくさんあるので、毎日楽しいんですがついつい見過ぎちゃうのが困りものです。ツタヤディスカスはいったん解約して、しばらくプライムビデオを消化しようかと思います。