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最近みた映画(オデッセイ、きみはいい子、ナイトクローラー、アリスのままで)

最近みた映画のネタバレなし感想文です。

上映中作品から「オデッセイ」、新作から「きみはいい子」「アリスのままで」「ナイトクローラー」です。

 

 

オデッセイ

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普通に面白かったです。火星に取り残された宇宙飛行士の帰還作戦なのですが、それなりに辛いシーンもあるものの全体的にコミカルな感じで見やすい映画でした。なんせゴールデングローブ賞の「ミュージカル・コメディ賞」で主演男優賞と作品賞を受賞しているのですから!受賞したときは未見だったため、「なぜミュージカル?なぜコメディ?」と疑問で一杯だったのですが、確かにミュージカルだしコメディでした。音楽が重要なポイントになっているだけで、マットデイモンが歌ったりはしないのでちょっとメタ解釈かもしれませんが^^;懐メロと宇宙の組み合わせは、ちょっとガーディアンズ・オブ・ギャラクシーぽい?

宇宙飛行士も宇宙開発関係者も全員いい人で超優秀で合理的でポジティブであり、全くそうではない自分としては奇妙な息苦しさを感じてしまいました。「ベイマックス」の時もそうだったんですよね。葛藤があまり無くて、つまらないことで立ち止まったりしない。なんだかなー。そんな自分が嫌です。

 

きみはいい子

きみはいい子 DVD

良かった。呉美保さんは信頼できる。「そこのみにて輝く」はかなりキツい話なのですが、この映画は子どもが対象になっているだけに一層キツい。一番いいと思ったのは、スーパーヒーローによる劇的な変化などではなく、あくまで一人一人の心の持ちようからじんわりと状況が良くなっていく点でした。自分が受け取った幸せを周りの人に1人ずつ手渡していくことで、変われる世界もあるんだと思う。池脇千鶴さんも良かったし、今度はいい人役で出ている高橋和也さんも良かった…が、この二人を「そこのみにて輝く」以降、まともにみられないT_T

 

アリスのままで

Still Alice

50才の大学教授(ジュリアン・ムーア)が若年性アルツハイマーになる話。これは勝手にいい話なんだろうと思って借りてみたのですが、どちらかと言うとひたすらリアルな話でした。全く「東京物語」みたいだったなあ。

「アリスのままで」という邦題は、ちょっと違う気がする。原題は"Still Alice"ですが、いま、この女性は今まで通りの自分なのか、もはやそうではないのか?という、崖に引っ掛かったような状態を表したドライな題だと思うのです。

この淡々とした感じや映像の美しさ。あまり感情的にショーアップされていない作品で、個人的にはかなり好きでした。

自分事ですが、母が腰を患ってしまい料理をつくったり孫の世話をしたりが難しくなったとき、「もう役立たずだから」と繰り返し言っているときがありました。子どもからすると何もできなくても母は母ですが、本人からするとケアして指導する側が私、されるのが子供たち。その逆はもはや自分じゃないのかもしれません。全く他人事とは言えない映画でしたね。

 

ナイトクローラー

ナイトクローラー(字幕版)

「嫌な奴の嫌な話、だが抜群に面白い」という前評判を聞いていたのですが、全くその通りでした。泥棒をしながら底辺生活をしていたルーが、自分で仕事のチャンスをつかんで取引先と親交を深め、部下を育て、ライバルと闘いながらのし上がっていく話です。あら、いい話じゃない?ところが、その「仕事」内容、信頼を得るやり口、ライバルを蹴落とす方法全てが酷くて、グロテスクな話になっているのです。「幸せのちから」ダークバージョンと言いますか…。主人公の一挙手一投足が非常に気持ち悪く作り込まれているので、嫌悪感しか浮かびません。そこがまたいい!

題材がアレなのでアレなんですが、職業が変われば全然ありうる話だと思うんですよ。音楽家、証券マン、作家、俳優…。自分を売り込む仕事の「ひたすら汚いことを汚く描いた」ということにも受け取れました。彼のセリフなんて平積みされている自己啓発本を読み上げているような感じです。