アマゾンプライムで。綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆というありえない3姉妹のところに、腹違いの妹(広瀬すず)がやってきてさらにありえない4姉妹になる話(違う)。すっかりお姉さん女優になった3人の元に新人女優・広瀬すずちゃんがビクビクしながらやってくるが、いい子なのでいい感じに溶け込めてほっとする感じだ。まあとにかくすずちゃん(役名もすず)の可愛さが素晴らしい。すずちゃんの可愛さを余すところなく味わうために、もっとアップを多用してほしいくらいだった。
この映画の(個人的)クライマックスはすずちゃんが町に慣れて同級生と自転車で桜のトンネルを走り抜けるシーン。不倫の子として「子ども時代を奪われ」、3姉妹のところに来ても凝り固まっていた心が解き放たれる象徴的なシーンだった。ここだけちょくちょく見返したいくらい気に入っている。
善人しかいない都合の良い話に見えて、実は描かれていないシビアな現実をヒシヒシと感じるシーンもありレイヤーの厚い映画だったと思う。長女の不倫相手の実に都合のいい発言や、次女の上司の語られない都銀をやめた経緯、3女の無視されっぷりや4女(4女?)の継母からの言葉などなかなかヒヤリと冷たいシーンが目立つ。病弱な妻を置いて不倫し、都合のいい発言を繰り返す堤真一には腹が立ったし、それを自分のせいのように受け止める長女にも腹が立ったし、「不倫されるのはあんたも悪いから」という樹希希林にも驚いた。
これらのシーンが、どちらかというと淡くて優しい日常として描かれているのが特徴的だった。多くの人は自分に都合の悪いことを悪く言い立てたり、悪役然とした態度をとったりはしないし、むしろ差別や相手にとって善意のように言うことだってある。まして田舎町ならなおさらだろう。辛いことがあってもしょうがない、しょうがないけど毎日はまったりと過ぎていき、家もあるし話し相手もいるし若くて仕事もあるからなんとなく生きていけている。
あまり4姉妹の未来は明るいように感じられなかったが、なんとなく幸せになれるんじゃないかなー?どうかなー?という感じで終わっていた。