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ブリッジ・オブ・スパイ(2015年、アメリカ)

ブリッジ・オブ・スパイ 2枚組ブルーレイ&DVD(初回生産限定) [Blu-ray]

DVDで。

米ソ冷戦時代のドイツ側の諜報員ルドルフ・アデル(マーク・ライランス)と、その弁護を引き受けることになったアメリカ人弁護士(トム・ハンクス)の話。スピルバーグ監督でコーエン兄弟脚本ということで面白くないわけなかろうと思いましたが、やはりとても面白かったです。

 

捕まったスパイ役のマーク・ライランスという役者さんは知らなかったのですが、静かな演技なのに存在感が強くて、トム・ハンクスよりも印象的なほどでした。この年のアカデミー助演男優賞を受賞しています。高齢に見える役ですが、実際は50代半ばくらい。映画ではMIシリーズや007などのアリエナイ諜報員の姿が想像されがちなんだけど、本作の諜報員ルドルフは激しいアクションもなければ面白そうなスパイ道具も持っていません。老いぼれて、平凡で、「入れ歯を取ってくれんかのう」などと警察に頼む始末。これが何ともリアルで、人ごみに消えいるようにいなくなるシーンなどがぞくっとしました。

 

トムハンクス演じる弁護士は、信念が強く人情に篤い男。いつもモリモリした皺を眉間から額にかけて寄せているのがなんとも…。最近のトムハンクスはこんな感じの仕事ができる、頼れる紳士の役が多いですね。実在の人物らしく、この後も難しい国際紛争の案件に関わり功績をあげたそうです。こんな大人になりたいなと思いつつも、現実は易きに流れがちな自分に気づいてしまってハッとしました^^;

 

 

ミキサー新調と、日本人の野菜不足について

毎朝スムージーをつくって飲んでいるのですが、先日ついにミキサーが壊れました。野菜が冷凍なせいかと思ったのですが、親の代が使っていた年代物なので普通に経年劣化でしょう。

買ったのはこれ 

Oster ミキサー シルバー 4090-J

Oster ミキサー シルバー 4090-J

 

Vitamixが欲しいのですが、高いし大きいしうるさそうだし何より高いので(←結局コレ)、ミキサー大国(?)アメリカで一番売れているというosterにしました。ミキサーは壊れやすいイメージがあるので、ガンガン使ってそうなアメリカで売れているなら間違いなかろうという判断です。国産も気になりましたが、メカメカしい見た目の方が良かったので選択肢に入りませんでした。

 

ミキサーが無い間はハンドブレンダ―で間に合わせていました。 

これでもできないことは全くない(というかカップが無いだけでミキサーとやれることは全く同じ)のですが、ずっと手で持っておくのがだるいし、すぐモーターが熱くなるので壊れたら嫌だなあと思い、ミキサーを買いました。バーミックスが本領発揮するのは、鍋に入れたままの熱い食材を滑らかにしてポタージュをつくったり、メレンゲや生クリームをつくったりするとき。特に生クリームはパックに入ったまま作れるので最高です。

 

他にも、コレは気になりました。 

TESCOM MetalLine ジュースミキサー TM8100

TESCOM MetalLine ジュースミキサー TM8100

 

安い、見た目が良い。でもね、なんだかレビューがよろしくない。毎日ハードに使いたい派として警戒せざるを得ず、保留にしました。たまたまかもしれないけれど、テスコムの製品って良くないのが多い。消費者庁のHPを見ていると不良品で上がるのをちょくちょく見ます。実際のところ、どうなんだろね。

 

欲しかったのはコレ。 

バイタミックス TNC5200 ブラック 【日本仕様・正規品・7年保証】

バイタミックス TNC5200 ブラック 【日本仕様・正規品・7年保証】

 

7年保証はいいよね。Osterが早々に逝ってしまわれたら思い切って買うことにします。

 

osterの調子はというと、まずまずという感じです。

<悪>

・爆音がします。子どもが怖がって逃げます。個人的には「朝が来た!」という感じで嫌いではないです。

・硬い野菜は小さく切らないと刃に絡んでくれず、全然ダメです。

・液体を入れないと空回りすることが多いです。

・長めに回しても、そこまで滑らかにはなりません。舌に残る程度。

・洗うのがとても簡単です。刃は鋭いので注意。

・ステンレスカップってどうなの?と思ったけど、清潔感があり、割れず、軽いのでガラスよりいいのではと思いました。ただ、熱いものを滑らかにするときは、取っ手もないしステンレスだから熱いしでどうしようもなくなりそうな気がします。

・750mlと、容量は中程度?3人暮らしの我が家ではちょうどいい感じです。以前小さいのを使っていたのでびっくりするほど使いやすくなりました。

・根元のうにょうにょがやだなと思っていたのですが、届いてみるとけっこういいデザインかも。と思いました。ハリオのケトルほど目立たない、滑らかなうにょうにょです(何)

 

総合すると、見た目が好き、管理はラクだが、使い方にはコツが必要…という感じでした。前使っていたやつは小さかったけど、優秀だったんだなー。音が小さく食材は完全に滑らかになっていましたからね。日本製も検討すればよかったかも…。まあ、毎日無事においしいスムージーを頂けているし、しばらくはこれでやってみます。

 

日本人の野菜不足について

スムージーというと一昔前に流行ったダイエット食品という感じですが、我が家では野菜不足解消のために飲んでます。私は悩んでいないので分かりませんが、便秘解消には抜群に効果があるみたい。一人当たりの内容は、野菜の可食部100gとヨーグルト100~200ml、オリゴ糖、その他チアシードやらゴマやらナントカ油やらを日によって入れています。先日モロヘイヤでつくったら非常に飲みづらく不評でした^^;プロテインを入れた時も不評だったなー。リアルにバリウムみたいな味になってびっくりしました。いやはや。

 

青汁なんかのCMを見ていると、日本人は圧倒的に野菜不足!みたいな話が出てきます。

実際のところどうかというと、2011年で280g程度と確かに目標量を達成していない様子。実はこれ、アメリカよりも圧倒的に少ないんです。下記のあまりに字がちっちゃいグラフはFAOSTAT*1という農産物の国際データのあるサイトから作ったのですが、アメリカと日本は1990年を境に1人当たりの野菜の供給量が逆転しているんですよね。アメリカは1999年あたりに目標量350gを達成し、その後はまた少しずつ減っています。

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そういえば、私がアメリカにいた頃は「なんでアメリカ人って野菜食べないんだろう…」と愕然としていた記憶が。野菜と言えばポテトフライかリンゴ(丸ごと)、人参(切っただけ)、缶詰の豆やビーツ。その頃と今では全然状況が違うんですね~。日本はむしろ右肩下がりです。

 

アメリカの野菜政策

農水省によると、アメリカでは国を挙げて野菜不足解消に向けて色々動いていた模様。*2

○1980年代から米国では「マクガバンレポート」を踏まえた栄養政策の推進により、野菜の摂取増を奨励。

○カリフォルニア州で行われた「ファイブアデイ」運動が成功し 1991年には連邦プログラムとして全国的運動になった

○カリフォルニア州で行われた「ファイブアデイ」運動が成功し、1991年には連邦プログラムとして全国的運動になった。

○2010年2月に、ミシェル・オバマ大統領夫人が、子どもの肥満撲滅運動である「Let’s move!」を呼びかけ、米国政府

や民間企業等が食生活改善の取組を開始した。

○2011年の米国食生活指針の改訂に伴い、理想的な食事を一目で把握できるよう、皿の半分を野菜と果実で占める「マイプレトー」を発表

結果は出ているようで、先述のグラフのように摂取量は右肩上がりになっているわけです(最近落ちているけど)。

 

日本の野菜摂取量が減っている理由

つい先日までこれに関する調査データを持っていたのに、なんでかなくなりました(オイ)。うろ覚えですが、「根菜類の消費が減少し、食べ方がサラダなど食べた実感があるのに量が少ないものがふえたため」だったような。確かに大根・レンコンなどの根菜を使った煮物類は、重さがある上にたくさん食べられる気がします。でも、葉物やトマト、ブロッコリーなど栄養価がある野菜の摂取は横ばいまたは伸びているので、大根ばっかり食べているよりは栄養学的に良いような気がするんだけどどうなの?

あとは、外食率・中食率(弁当など)の増加と、一人世帯の増加が挙げられます。一人暮らしの時は野菜を美味しく・手頃に食べるのが難しかった記憶があるので分かるなあ。また、野菜の価格高騰。余裕が無いとてっとり早くカロリーになる炭水化物や油脂に手が伸びてしまうということなのかもしれません。

 

いずれにせよ、野菜を食べることはガンや高血圧など日本人の主な疾患の予防策にもなる*3ので、積極的にとっていきたいですね。

最近はスムージーよりもコールドプレスジュースが流行っているそうですが、我が家は食物繊維需要も高いので今のところスムージー派。色んな野菜を安い時に大量に買って、洗って切って一日分ずつ冷凍しています。ラクだし、飲まないと途端に調子が下がるので必須品になりました。他にも、夕飯をつくるときに野菜をはかることもあります。家で作るときは朝と夜だけで500gずつは食べている計算になります。余裕^@^

 

野菜不足とスムージーの話でした。

 

 

6月にブックマークした住宅

家が大好きなのに諸事情で購入に踏み切れず、最近戸建てが欲しすぎて夜眠れなくなってきました(›´ω`‹ )せめてもう少し住環境を良くしようと賃貸物件を眺めるのですが、気に入るのが見つけられません。「もう、安い中古マンションを探して好きにリノベしようかしら」という気持ちになりつつあります。梁のでっぱりとか、クロスとか、コンセント配線とかさ…細かいところが気になるわけよ…。

というわけで、今回はリノベ物件や内装のみ事例ばかりです。

 

1

チェコの首都、プラハにあるアパートの内装です。新築の内装のみ別途デザイナーに頼んだ案件。カラーパレットが完璧に管理されていてカッコいい。家具までインテリアに合わせて新調すると、さすがに統一感があって綺麗ですね。

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照明が蛍光灯なのが好き

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この月模様のローテーブル、欲しかったやつだ。

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凹凸感の強い独特なタイルですね。なんだろこれ。ソリッドになり過ぎず、光を柔らかく反射していいですね。

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2

神奈川のマンションリノベ事例。60~平米くらいかな?もともとの平面を大きく変えず、機能を箱に閉じ込めることで空間を分けています。プライベート空間、セミプライベート空間の二つに分けてハコの色を塗り分けているそうです。シンプルで使いやすそうだし、ゴチャゴチャしたものを隠せるので生活が楽そう。オープンなワンルーム空間にも憧れるけど、そうなるといつもきれいにしておかなければならず、それなりにストレスフルなんですよね…。

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3

東京のマンションリノベ事例。76平米。デザイナーの自邸だそうです。こちらはオープンなワンルーム空間です。

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普通の階高にロフトをつくってベッドルームとするの、よく見かけるようになりました。実際寝るだけなら天井が低くてもむしろ落ち着くのかもしれません。

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このお風呂の配置はさすがだなあ。白い縁取りのある空間で、しっかり区切らずとも明確に雰囲気が変わるのがいいな~。

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4

鳥取県、倉庫の改修です。こちらもデザイナー自邸。倉庫がこんな空間になるんだ!と新鮮でした。


5

徳島県。こちらはリノベではありませんが、コンテナを2つ使った住宅の例です。個人的にガルバリウム鋼板があんまり好きじゃないんだけど、これはとてもかっこよく見えました。

 

以上。もうさあ、とにかく引っ越したい(›´ω`‹ )

 

 

鉄くず拾いの物語(2013年、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ・フランス・スロベニア)

鉄くず拾いの物語 [DVD]

「ノー・マンズ・ランド」のダニス・タノヴィッチ監督作品です。ノーマンズランドは過去観た映画の中でも一番と言っていいほど印象的で、映画って本当にいいものだなと思わされた作品でした。ボスニア紛争の双方の前線(=ノーマンズランド)で、敵対するセルビア人とボスニア人が身動き取れなくなってしまい…という話。戦争や紛争の本質的な姿とヒューマニズムについて、あまりに鮮やかに描き切った作品だと思います。

 

タノヴィッチ監督はボスニア生まれで、ボスニア紛争の影響を強く受けているようです。本作「鉄くず拾いの物語」もやはりボスニアの話で、ロマ民族の貧しい家族に焦点を当てたストーリー。特徴は、本人が本人役で演じているということ。当然素人なので素朴な演技ですが、現実はこんな感じですよね。本職の役者の演技は訴求力がすごく強いんだなーと気づかされました。とはいえ子どもたちは自然に伸び伸びとしており、夫妻の親密さもよく現れています。監督は長い時間をかけて良い関係をつくり、不自然にならないようにかなり注意深く演出したんだろうなと思いました(実際のところは分からないのですが…)。

貧しい家族の暮らしをショーアップせず淡々と追っているので、けして面白いわけではありませんが、こういう作品を観ておくのも大事だなと思いました。この演技で主演の男性はベルリン国際映画賞の男優賞を受賞し、仕事と保険証をもらったとのことです。これも一つの映画のあり方で、とても正しい姿なんだろうな。

 

 

インヒアレント・ヴァイス(2015年、アメリカ)

インヒアレント・ヴァイス [DVD]

正直分からん

原作も知らなければ(トマス・ピンチョンによる有名な小説らしい)、70年代アメリカのドラッグにまつわる文化的な背景も知らないので30%も楽しめてないと思うのですが、よく分からなくても最後まで惹き付けられる映画でした。このわかんないけど楽しめちゃう感じ、子供がズートピアを見るのと同じ感覚なのかもしれないなあ。

キャラクターが愛情深く描かれていてとても良いんだけど、個人的にはジョシュ・ブローリン演じる隠れゲイのマッチョ刑事ビッグフットが一番好きでした。最初はチョコバナナが露骨でキモかったんですが、真相が明らかになるにつれて切なくなりましたね。基本、みんな行動原理がラブ&ドラッグ&かなり適当であり、その中でもなんとかみんなを幸せにしようとするホアキン・フェニックスがけなげに見えたり(見えなかったり)。


ドラッグの雰囲気を表しているのか、全体的に映像がドリーミーで現実味が薄く感じられました。色使いがポップで情報量が多く、それぞれなにかを表しているんだろうなと思いつつ意味はわからず。

 

エクス・マキナ(2015年、イギリス)

Ost: Ex Machina

IMAX2Dで。山中の別荘という限られた場所で、人間は片手に納まるほどしか出てこない低予算の映画*1ですが、今年のアカデミーで視覚効果賞を獲っています。ストーリーが整然としており、映像はスタイリッシュで非常に良かったです。

 

監督はアレックス・ガーランド。私はゾンビ映画の「28日後(脚本)」と「28週間後(制作総指揮)」しか見たことありませんでした。ちなみにディカプリオ主演でダニーボイルが監督した「ザ・ビーチ」の原作者らしい!元々ストーリーテラーなのですね。テーマとしては、「終わりの始まり」のような話が多いのかな。本作も終末の予感のする「じわ怖」という感じでした。

 

可愛らしいAIの役をしているのはアリシア・ヴィキャンデル、「リリーのすべて」で苦悩する妻役を好演してアカデミー助演女優賞を受賞した方です。本作は彼女の魅力が重要な役割を担っています。「リリーのすべて」では包容力のある成熟した女性でしたが、本作ではとにかく若々しく、高校生くらいにも見えます。*2この役者さんは童顔で小柄なのですが、ここまで色んな年齢・キャラクターの役をこなせるのは素晴らしいなと思いました。

リリーのすべて (字幕版)

 

以降ネタバレ感想です。筋を知らない方が面白い映画なので、未見の方は読まずに見たほうがいいかも。

 

***

 

王道のサスペンススリラー×AI

「AIが怖い」という話としては、「2001年宇宙の旅」や「マトリックス」、「ターミネーター」などが有名ですが、本作は人類とAIの完全対決という話ではありません。かと言って「鉄腕アトム」「ドラえもん」や「A.I.」「チャッピー」などに描かれるあたたかな交流でもなく、見知らぬ隣人と関係を構築するようにAIと交流する「ように見える」のがミソ。

例えばマトリックスやターミネーターでは「人類が愚かなので地球はAIが乗っ取る」→全面戦争→AIによる支配という話だったように思います。一方で本作はAIの目的や本心が明らかにされず話が進むので、「このAIは善か悪か?」という話ではなく、純粋な心理戦として見られます(AIなのに!笑)。もしAIではなく人間の女の子で置換えたなら、普通の良くできたサスペンス・スリラーとして成立してしまう、そんな映画でした。AIを抜きにするとけっこう王道なファム・ファタールものなんですよね。

 

AIとの出会いまで 

Googleのような検索サービスの会社BlueBookに勤めるプログラマーのケイレブ君は、創始者のネイサンの別荘に1週間遊びに行ける権利が当たって大喜び。ケイレブ君は「アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜」でちゃっかり者の主人公を演じていたドーナル・グリーソンです。レヴェナントにも出演していたらしいけれど全く気づきませんでした…。私だけかもしれませんが、なんだか印象の薄い方です。この「どこにでもいそうな会社員」という感じが、この役にハマっているように感じました。

↓この右の人。今回は赤毛でなく金髪です。色素が薄いから薄く感じるのかな?

アバウト・タイム ?愛おしい時間について? (字幕版)

 

ケイレブ君はワクワクしながら創始者の別荘に向かうのですが、ヘリを数時間走らせてもまだつかない。パイロットにいつ着くのかと尋ねると、「もう2時間も前から敷地内だよ」と言われ別荘の広大さに驚かされるのですが、ここから既に怖い。広いとはいえ完全に山の中。そんな僻地に1人で連れていかれるの?さらに、「これ以上はセキュリティの関係で近づけない」とヘリは別荘からかなり遠いところにとまり、早々に飛んで去っていきます。ようやく会えた創始者ネイサンもなんだかクセのあるマッチョで付き合いづらい。

こうやって徐々にストレスをかけられていき、ケイレブ君はどんどん萎縮していきます。ネイサンがトレーニング後の汗まみれの体でペタペタ歩き、ケイレブ君のベッドにドカッと寝転んだシーンがすごくイヤ~でした…。もてなす気はなさそうですね。

 

エヴァとのセッション

そんな中で引きあわされるのがAIのエヴァ。隔離されたガラス張りの部屋で、体を幻想的に光らせているエヴァと初めて会うシーンは感動的でした。ケイレブ君は、エヴァが人間と見分けがつかないAIなのかどうか判断するための「チューリング・テスト」をネイサンに依頼されたのです。この後エヴァとは何度も会ってインタビューをし、チューリング・テストを進めることになります。

でも、変ですよね?そもそもケイレブはエヴァがAIであることを知っているのに、テストになるの?その違和感は後から効いてきました。

 

テストが進む間、ネイサンはずっと独善的で傲慢な嫌な奴であり、ケイレブ君と仲良くなることはありません。一方でエヴァはケイレブに好意を抱いているようで、ケイレブはすっかりエヴァのことを気に入ってしまいます。エヴァが恥ずかしそうに野暮ったい小花柄のワンピースに毛糸の長い靴下をはいてきたシーンは、かなりあざとくて「もしかしてエヴァはわざとケイレブに好かれようとしているのかな」と思わされました。そんな絵本に出てきそうな格好、オクテ男子が好みそう(´ー`;)

 

ケイレブはネイサンに「なぜエヴァを人の形にしたんだ?灰色の箱でもいいのに」「僕のことを好きになるように、エヴァをプログラムしたのでは?」などと鋭い質問を投げかけるのですが、ネイサンはジャクソン・ポロックの絵画を持ち出して「理由など考え出したら何も作れない」「エヴァはケイレブを好きになるようにプログラムしてはいない(たまたま好きになっちゃうことはあるかもね☆)」と返します。

この二つのヒントがあると、「エヴァの外見には理由がある」「エヴァはケイレブのことを好きになったのではなく、好きになったように思わせる理由がある」となります。エヴァはケイレブに好かれるために、ゼロからネイサンが作り出したAIだということです。

 

その後ネイサンがつくった他の自分好みのAIたち…アジア系、アフリカ系、白人…等のアダルトな外見を見る機会ができ、見ている側としては「エヴァ=ケイレブ対策機説」という思いを強くしたのですが、ケイレブはエヴァにほれ込んでしまっており気づきません。ケイレブ君は頼りなさそうだけどけっこう優秀、なのですが、家族も恋人もいない孤独な青年という設定なんですよね。しかもこの抑圧された状態に長時間置かれて、すっかりエヴァに入れ込んでしまったというわけです。結局エヴァが逃げるために画策していることがネイサンにバレます。

 

チューリングテストの本当の理由 

ところがネイサンはこのことを知って大喜び。ケイレブが戸惑っていると、「今回のチューリングテストは、エヴァがケイレブを説得してエヴァを逃がす手伝いをさせることがゴールだった」とタネ明かしをされます。そのために人の良い孤独なケイレブが選ばれ、ケイレブの好みに合わせて童顔のエヴァがつくられ、エヴァはケイレブを説得するために好かれるようなことをしていた、と。ケイレブはショックを受けますが、同時に既にエヴァを逃がす算段が整っていることをネイサンに伝えます。

ケイレブを騙したつもりでいたネイサンは逆に自分が陥れられて激怒しますが、時すでに遅くエヴァは隔離室から出ています。会話ができず高度な知能を持たないはずの他のAI、キョウコ*3に何やら耳打ちしてネイサンを襲わせ、自らとどめを刺して逃走。ケイレブは部屋に閉じ込められたまま置いていかれます。

↓今回あまり触れなかったけど、キョウコさんも存在感抜群でした。

 

そしてはじまりへ

エヴァが人工皮膚を身にまとい、ゴージャスな髪型と白いドレスを着て外に降り立つシーンは爽快で感動的でした。結局エヴァにとって、ケイレブもただの道具でしかなかったというわけです。

↓エヴァが逃げるシーンが瑞々しくて美しい。創世記みたい。

狭い部屋でケイレブにじっとり見られながら、ショートカットにダサい服を合わせて着ていたシーンとの対比が鮮やかすぎる。個人的にケイレブ役のプログラマーさんが苦手だったので、ここのシーンはかなりスッキリしました(´▽`)でも例えばベン・ウィショーがこの役を演じていたら、ものすごく感情移入して「ヒドイ!ちゃんとケイレブも連れて行ってよ」となっていたことはほぼ間違いないので、人間は結局外見で物事を見てしまうというわけですね(何)でもベン・ウィショーだったらあのダサい服が好みという設定は耐え難いしな…難しいな映画は(何)

↓なんとなくとばっちり。オスカー・アイザックも相当だけどドーナル・グリーソンも何か嫌だな、と思われる方がこの映画にはいいんだろうけど。


また、結果的に想定外のことをして展開点をつくったのがケイレブ君だったので、ここはアルファGOのAIのようにエヴァが起こした想定外の行動だった方が個人的には良かったです。それが創造主ネイサンに直接手を下したこと、になるのかなー?

 

おまけ

・映画の舞台となる別荘は、ノルウェーにある「ジェヴェー・ランドスケープホテル」。スカンジナビア系建築事務所のイェンセン・アンド・スコドヴィン設計のかっこいホテルです。やけにインテリアが北欧系だとは感じたけれど、正統派スカンジナビアンデザインだったのですね。高くても一部屋4万~とお手頃。行くのが大変そうだけど、ぜひ一度泊まってみたい!ポロックやクリムトの絵はかかっていないと思いますが…。

Boutique hotel | Juvet Landscape Hotel in Valldal, West Norway, Norway | Welcome Beyond

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・ネイサンとキョウコのダンスが何気にキレッキレで良い。キョウコさんは元々バレーダンサーらしいので分かるけど、ネイサンはたくさん練習したんだろうなと思うとじわる。

映画ではしばしば「唐突にキレキレのダンスシーンが挿入される」という現象を見るんだけど、何か意味があるんだろうか。

 

おしまい。

 

 

*1:とはいえ15億円

*2:実際は27歳だそうです。

*3:日系イギリス人の女優・ソノヤ・ミズノ

思い立ったらすぐつくるスフレパンケーキ

 

「いまさらスフレパンケーキ?!」という感じですが、毎週末つくっていた普通のパンケーキに娘が飽きてしまいホットケーキミックスが余っているので、最近たまに作ります。けっこう簡単なのよ。軽いのでおやつにもいいね。

 

用意するもの

・フライパン

・メレンゲがつくれるブレンダ―(バーミックス)か、泡だて器とか。自力で頑張るのもアリ!

・生地を混ぜるボウル

・メレンゲを泡立てる入れ物

・シフォンケーキの型

・木へらやシリコンスプーンなど

 

材料

・ホットケーキミックス 大2

・牛乳 大2

・砂糖 大1

・好みの油 小1

・卵 M2

・ハチミツやメープルシロップ、フルーツソース等お好みで

 

つくり方

・フライパンに油をひいて、シフォンケーキ型の中身を取ったやつを小さい円が上になるように乗せ、最弱火で温め始める

・卵を白身と黄身に分け、白身の方は砂糖を加えて固いメレンゲに、黄身の方は油と粉と牛乳と混ぜておく。

・ブレンダーや泡だて器についたメレンゲを黄身ソースとしっかり混ぜる。

・残りのメレンゲを全部黄身ソースに入れ、ヘラで持ち上げるように、メレンゲの泡をつぶさないように混ぜる。

・できた生地をすぐにフライパンの上のシフォンケーキ型の穴にそそぎ、穴をお皿か何かでふさいでおく。

・溢れそうなくらい膨らんで表面が硬くなるまで(10~15分)火を通し続ければ完成!型にナイフを入れて外し、ハチミツなどをかけて食べる。

 

要はフライパンでつくるシフォンケーキもどきみたいな感じです。型をつくるのが面倒なのでこういうやり方に落ち着きました。油は入れなくても作れるけど、入れたほうがおいしい。溶かしバターでもいいかも!シフォンケーキ型をひっくり返したまま冷やせばホワホワのシフォンケーキぽいものになります。ひっくり返さないとカチカチにしぼみます。

 

バーミックスを使ったメレンゲについて

うちのお菓子作りはいつもバーミックスというブレンダーのお世話になっているのですが、専用の容器に白身と砂糖を入れて30秒ほど回すとすぐにメレンゲになるので超簡単です。前は要領が分からなくてよく失敗していたんだけど、「専用容器を使う」「卵は2個以上使う」というのを押さえたらできるようになりました。専用容器でなくても、径がブレンダ-の先が入るくらい小さくて、縦に長ければコップでもなんでもいいと思います。

手動で作ったこともあるけど、根性がないので疲れて手がじんじんしました(;▽;)その場合は卵白をちょっとしゃりっとするまで冷凍したり、冷やしながら混ぜたりなどするといくらかマシなような気がします。

できたメレンゲはどんどん分離して泡もつぶれていくので、メレンゲを使うお菓子はスピード勝負。また、混ぜる時に切るように混ぜたり長時間混ぜたりしても泡がなくなっていきます。面の広いヘラなどで、もったり持ち上げるように混ぜると良い感じです。