DVDで。
米ソ冷戦時代のドイツ側の諜報員ルドルフ・アデル(マーク・ライランス)と、その弁護を引き受けることになったアメリカ人弁護士(トム・ハンクス)の話。スピルバーグ監督でコーエン兄弟脚本ということで面白くないわけなかろうと思いましたが、やはりとても面白かったです。
捕まったスパイ役のマーク・ライランスという役者さんは知らなかったのですが、静かな演技なのに存在感が強くて、トム・ハンクスよりも印象的なほどでした。この年のアカデミー助演男優賞を受賞しています。高齢に見える役ですが、実際は50代半ばくらい。映画ではMIシリーズや007などのアリエナイ諜報員の姿が想像されがちなんだけど、本作の諜報員ルドルフは激しいアクションもなければ面白そうなスパイ道具も持っていません。老いぼれて、平凡で、「入れ歯を取ってくれんかのう」などと警察に頼む始末。これが何ともリアルで、人ごみに消えいるようにいなくなるシーンなどがぞくっとしました。
トムハンクス演じる弁護士は、信念が強く人情に篤い男。いつもモリモリした皺を眉間から額にかけて寄せているのがなんとも…。最近のトムハンクスはこんな感じの仕事ができる、頼れる紳士の役が多いですね。実在の人物らしく、この後も難しい国際紛争の案件に関わり功績をあげたそうです。こんな大人になりたいなと思いつつも、現実は易きに流れがちな自分に気づいてしまってハッとしました^^;