胎児が聞いている音を記録し、再生できるらしい。遠い音の記憶

音の記憶ってありますか？

小さい頃、バイオリンみたいだけどバイオリンよりも音が低く、一本で演奏しているみたいなのに途中からたくさんの楽器で演奏しているように聞こえる不思議な音楽が、家でよく流れていました。お腹に響くような重さもあるけど、コロコロした軽さもあって、サラサラしているところもある。自然物が詰まったような曲で、すっかり耳に残っていました。それが「ヨーヨーマによるバッハの無伴奏チェロ組曲」だと知ったのは、もう少し大きくなってからです。

バッハ:無伴奏チェロ組曲(全曲)~インスパイアド・バイ・バッハ~

アーティスト: ヨーヨー・マ
出版社/メーカー: SMJ(SME)(M)
発売日: 2008/11/19
メディア: CD
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最近になって、再び「あの曲が聞きたくてたまらん！」という気持ちになり、さっそく買いました。ヨーヨーマにしようかなと思いつつ、それは実家にあるだろうから、アマゾンで評価が高かった「シュタルケル版」を。

バッハ:無伴奏チェロ組曲(全曲)

アーティスト: シュタルケル(ヤーノシュ),バッハ
出版社/メーカー: BMG JAPAN
発売日: 2007/11/07
メディア: CD
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早速聞いてみると、私の記憶にあった演奏よりも、もっと重厚でカッチリとしたものでした。もっと、風みたいにサラサラしていたり、水滴みたいに跳ねていたりするような曲だったような気がしていました。演奏者の違いかな？それとも、幼い耳には違って聞こえるんだろうか。

音楽とともに、色々な記憶がズルズルと紐づいて出てくるのを期待していたけど、そんなことは起こらず。

Aてぃに聞かせてみると、なぜかピョンピョン縦乗りしながら、ノリノリで聴いていました。ヘビメタか！

聴きたい音楽は時期によって変わるよね

そういえば、Aてぃがお腹にいたときは、ラフマニノフのピアノ協奏曲がお気に入りでした。なんであんな胎教に悪そうなモノを？と今なら思いますが、その時その時でしっくりくる音楽ってありますよね。

お腹が大きくて、でも仕事も忙しく、一人暮らしだったその頃、余裕なく心が荒れていたのかも。

辻井伸行さんのゆっくり重々しい2番も好きでした。今聴くと、なぜかアラばかり気になる。（それにしてもYOUTUBEで聴けるとは知らなかった！）

sm21525892 ラフマニノフ：ピアノ協奏曲第2番ハ短調作品18 辻井伸行 ...

Aてぃは、これを聞かせてもあまり反応はない様子。さすがに覚えてたりはしないか。今はリズムのはっきりした音楽、音数の少ない音楽が反応がいいみたい。

生まれたばかりの赤ちゃんの身になると、世界はとても怖そう

お腹の中はいつも一定の温さで、触るもの全てつるり、ぬるりとしていて、光は柔らかいピンク、音は全てボンヤリとしているのかな。そんな中、いきなり頭蓋骨をぎゅうぎゅう締め付けられて出てきて、強烈な光とゴワゴワした触感、耳をふさぎたくなるような音に溢れた世界に放り出される。考えただけで、「そりゃ泣きたくもなるよねえ」という気がします。

胎内と同じような環境…しっかりとおくるみに包まれること、抱っこしたまま揺らす、母親の鼓動、それから「胎内の音に近い」と言われるビニールのシャカシャカ音、…などに置くと、いくらか落ち着きますよね。