MENU

三分一博志さんの「直島ホール」

今年の建築学会賞が三分一さんの直島ホールになったということで、さっそく見学してきた。場所は直島の役場横で、見学には役場の教育課にて「施設利用」という名目での申請が必要。利用料は、島民外で1時間3千円ほど。ちなみにこの町役場もジブリに出てきそうな濃い建物で、石井和紘さんが設計したらしい。直島には、小学校や保育園など石井さん設計による建物が多く、見ていて楽しい。

 

直島ホールは巨大な屋根が特徴。盛り土にかかる大屋根は三分一博志さんのアイコンのようなものだ。てっぺんに大きな穴が空いており、熱い空気がそこから逃げて室内の気温が涼しく保たれるという三分一さんならでは工夫がある。(見に行ったときはとても寒い日だったので、この恩恵にあずかることはできなかった。むしろ、寒かった~。)

f:id:glasstruct:20170417171641j:plain

f:id:glasstruct:20170417172157j:plain

 

全体的に木で仕上げており和風の設えだが、中身は厳然たる現代建築。鉄骨とRCの混構造らしい。巨大な屋根を支える構造はあまり目に入らず、屋根の内側は白漆喰で角もなく滑らかに仕上げられているせいで、室内は驚くほど軽やか。

f:id:glasstruct:20170417170641j:plain

室内に入るとハッとするほど美しい。こんな風景を見たことがある人は少ないだろう。

この白い美しい屋根部分を見せるために、トイレの個室一つ一つにまでトップライトがとられているのには驚いた。

 

隣に集会所がある。こちらも大屋根の下に機能的な箱がポツポツ置いてある同じ構成だが、集会所の方は鉄骨造で中にある4つの小屋は木造。中心のトップライトの下に、井戸があるのが面白い。

f:id:glasstruct:20170417173130j:plain

 

どちらも細部や外構までよくできていて、さぞかしお金がかかっているんだろうな…という印象。総工費は合わせて8億6千万円だそうで、これは思ったより少なかった。いずれにせよ、一見の価値有りだろう。

ちなみにこちらは写真可だったのに、ほとんどに娘が写りこんでいて使える写真がなかった。全然わからんよね。ごめん。

 

本村港周辺は街歩きに最適。

ちなみに直島ホールの周辺には家プロジェクトやANDO MUSEUMなどのギャラリーが固まっているし、洒落たカフェもいくつかあって街歩きが楽しめる。直島のメイン玄関は宮浦港ではあるが、本村港周辺の方がゆったりしていて個人的には好きだった。

ただし船の本数が極端に少ない。今回は時間が無かったので船のチャーターを利用したが、1万円ほどだった。人数が集まるならそれほど高くなく利便性が段違いなので、検討してみてもいいかもしれない。

f:id:glasstruct:20170417161517j:plain

海上タクシーのおっちゃん、電話したら本当に港にふらーっと来てさっさと連れて行ってくれた。なんかすごい。